2020年中国経済と勢いはどうなっているのか今をミクロに考察する

2020年春節に中国この1年を振り返る

こんにちは!Jimmyです。

2020年の春節時点で、中国の今後の経済を考えてみたいと思います。

 

すでに2019年の中国のGDP成長率が6.1%と発表されたことが話題になった通り、マクロ視点での数値分析や今後の予測は専門誌や各ニュースで取り上げられています。

様々な数値をもとに、説得力のある分析がなされているものもあります。

 

一方で、これらの説得力のある分析は必ずしも正確に未来を予測したものではありません。

むしろ、よく外れるといってもよいでしょう。

 

事実、中国経済に限って言えば、10年ほど前にはすでに、中国経済は間も無く危機に直面する、不動産バブルが崩壊間近、債務不履行から経済危機に、といったセンセーショナルな記事をマスコミはよく取り上げていました。

しかし、どれも現実になっていません。

 

説得力のある数値を用いた分析も大事ですが、実際に中国をミクロで見て感じたことも踏まえて考えることが効果的であるというのが自分自身の経験から得た教訓です。

 

そういうわけで、2020年の中国の現状と今後の見通しについて、以下の順番で紹介します。

  1. マクロ数値からよく言われているような分析と予想について
  2. 私自身が体感しているミクロ視点について
  3. 2019年から起きている諸問題と解決の可能性について

 

数値から見る中国経済の状況(概要)

現状について、よく見られる重要指標と解釈は以下の通りです。

 

✅2019年GDP成長率 6.1%

✅2019年固定資産投資伸び率 5.2%
(1〜11月)

✅消費財小売売上高伸び率 8%
(1〜11月)

 

GDP成長率6.1%

まずはGDP成長率からです。

2018年度の6.7%から減少したことや、二桁成長をしていた急成長時と比較して、「大減速」だとして取り上げる記事が多かったように思います。

GDPの統計数値がそもそも正確ではないという見方もありますが、日本でも重要指標に誤りがある通り、ここではこの問題は考えないことにします。

 

6.1%の成長率で大減速とするのは違和感を覚えます。

すでに、中国政府も認める通り、二桁成長は現実的ではなく安定成長の時期に入っており、想定かつ目標値の範囲内です。

ある程度計画通りに進んでいると考えて良いでしょう。

 

固定資産投資伸び率が過去最低水準

固定資産投資については、1月から11月までで前年対比5.2%増という結果ですが、伸び率が過去最低水準であると各紙で取り上げられていました。

確かに伸び率は低下していますが、これをもって急減速に繋げるのは時期尚早です。

 

日本のバブルやアメリカの経済危機を研究してきた中国政府による調整機能はそれほど無能ではありません。

ある程度、今年はこの水準でやむなしという水準を睨んで調整していると捉えるべきでしょう。

 

なぜなら、投資余地は確かにまだあるからです。

リーマンショック直後の4兆元景気刺激策のような桁外れでインフレの危険性を伴う投資はもうできません。

 

一方で、5G技術などの新世代のインフラに加えて、都市化の進行によるインフラ投資の必要性がまだまだあると判断できます。

中国の都市化率はまだ60%前後です。

日本が90%を超えているのと比較すると、まだまだ都市化の余地があり、すなわちインフラ投資に対する実需があると考えられます。

 

日本のバブルと違うところは、ある程度は実需に沿った運営がなされているということです。

 

個人消費について

中国の成長の源泉は、個人消費です。

消費財の総小売売上高の伸び率(名目)は8%と引き続き高い水準を保っています。

2018年度は9%の成長でしたので、それに比べると減速しています。

 

見方としては、米中貿易摩擦による影響がある中で、8%も伸びている個人消費はやはり堅調であると考えられます。

主な減少の要因は自動車の販売が減少したことですが、貿易摩擦の一段落により回復に向かうのではないかと考えられます。

ミクロに見る中国の様子と実感

冒頭で、マクロ的な数値分析に加えて、実際に現場で見た肌感覚も大事だという話をしました。

幾分局所的な見方しかできないので公平性や説得力には欠けることは否めませんが、マクロ分析で予想ハズレが連発されていることを考えれば、現場の肌感覚も無視できない要素です。

 

第二次世界大戦の敗戦を初期に確信したある一般人の判断基準も、大変ミクロな現場感覚からでした。

ある自動車部品を扱っていた会社にいた方のようですが、アメリカの製品の質の高さと自社製品の質を比べて、こんな国に勝てるわけがないと確信したそうです。

 

そういうわけで、ミクロな現場目線での感覚も是非参考にしていただきたいと思います。

 

不動産に対する考え方

日本の報道で何年も前から事あるごとに指摘され続けてきた不動産バブルと崩壊について。

これを考えないわけにはいきません。

 

結論、不動産価格は崩壊しないと考えています。

不動産に対する考え方と状況が日本と全く異なるからです。

そして、それは今も変わりません。

 

中国では日本以上に、自分の家を持つことに執着します。

多くの男性は不動産を買わないと結婚できないほどです。

賃貸でよしとはならないのです。

私の知り合いにも、不動産を買わないと言って、婚約が破談になった人が実際にいます。

 

不動産は資産形成の上で重要な役割をします。

現金よりも不動産を信頼する傾向があります。

現金は紙くずになるかもしれませんが、不動産の価値がなくなることはないと多くの人が言っています。

 

また、先ほども登場した都市化率の話も不動産動向に影響します。

都市化率が60%ということは、まだ投資余地があり、さらに実需もあるということです。

 

不動産価格のコントロールにも余念がありません。

日本の不動産バブルは、投機目的のお金が流れ込み不動産価格を高騰させていきました。

中には借金をしてまで不動産投資をする人が出るほどの過熱ぶりでした。

 

中国でも、投機目的で不動産を買いたいと考える人はたくさんいますが、様々な施策により投機目的の不動産購入を制限しています。

価格を見ながら規制の強弱、不動産開発の許可数を調整しています。

 

投資余地、実需、価格コントロール、そして不動産に対する考え方。

これらによって、不動産価格が暴落することは考えにくいのが現状ではないかと考えています。

 

消費に対する考え方

先ほど数値でも示した通り、消費は堅調に伸びています。

実際の肌感覚としても、消費意欲は日本人と比べるとまだまだ高いと感じます。

 

可処分所得が毎年伸びていることを裏付けるように、「所得の割には高いものを買うなー」と思うことがよくあります。

価格に対する要求や目線は厳しいものがありますが、いいと思ったものに対してはすぐに購入を決めます。

 

好景気だった頃の日本もそうであったように、物で満たされると感じる部分が強くあるようです。

実際に人と接して、消費意欲の高さを感じると、消費の伸び率の高さも納得できます。

 

街の変化に対する考え方

10年ほど前の中国は、1年間だけでも相当な変化を感じることができました。

何しろ、生活していて次々と新しいモノやサービス、不動産が登場するので1年中国にいないだけで、かなり驚かされることになるのです。

 

確かに10%前後の経済成長をする国だという実感を持って見ていたことを思い出します。

 

一方、今年はどうでしょうか。

約1年ぶりに中国上海を訪れた感覚としては、街並みもサービスも、1年前とさほど変わっていないという印象を持ちました。

 

タクシーは相変わらず滴滴(DiDi)で呼び、タクシーの車両も大きな変化はなし。

支払いもWechatかアリペイ。

出前サービスも新しいものが台頭してはいないようでした。

 

近年急激に改善していた衛生面、特にトイレの清潔さについても、この1年ではあまり改善されてはいませんでした。

肌感覚としても、成長は落ち着いてきているという実感が湧いてきました。

郊外や3級以下の都市では、景色も違うのだと思いますが、変化の勢いは若干無くなっていると感じました。

諸問題と解決の可能性

2020年の幕開けは、新型コロナウィルスによる肺炎の流行という異常事態で始まりました。

当然長引けば、ますます経済への影響も大きくなることが予想されますが、いずれは落ち着くはずです。

解決できない問題ではありません。

ただし、今回の件をきっかけに、衛生環境に対する課題が改めて浮き彫りになりました。

今後時間をかけながら改善していく必要があるでしょう。

 

米中貿易摩擦は、今後の合意や交渉次第では米中両国ともに、さらには日本含む第三国にも悪影響を及ぼす可能性があり、注目する必要がありますが、落としどころを両国間で探っていくことになるでしょう。

アメリカ一強とは言えない状況です。

80年代、日本企業がアメリカに挑んで、様々な対策を取られた頃とは状況が異なります。

中国だけが痛みを引き受ける構図にはなり得ないでしょう。

 

香港や台湾の問題も小さくはありませんが、成長という観点で考えると当面大きな問題にはならないのではないかと考えます。

 

では、中国が抱える一番の問題は何か。

それは、ウイグル自治区をはじめとする民族問題です。

ウイグル弾圧の現状が2019年に明るみに出ましたが、過激な思想に走らないように、政府は共産党の教育を強制的に施すように躍起になっています。

それほど民族の独立に向けた動きや、抵抗、反乱の可能性を共産党が感じている証拠でしょう。

 

何しろウイグル自治区には莫大な量の天然資源が眠っており、中国政府としても大変重要な地域です。

民族的な宗教観や独自の文化を子供の頃から持たせないように画策しているわけです。

 

しかし、この問題を解決するような糸口はあまり無く、将来的にウイグル民族による反乱や何かしらの動きが出てくる可能性は否定できません。

民族を弾圧するような姿勢は世界から批判の的となります。

 

中国が抱える解決困難な問題は民族問題であると考えます。

詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。

あわせて読みたい

ウイグル弾圧に見る中国の不確実性と日本の立ち位置

まとめ

主要なマクロ数値を見ると、前年対比落ち込んでいるものが多く、急減速、崩壊間近であると指摘する記事が目立ちます。

一方で、実際に見た感覚を交えて判断すれば、米中貿易摩擦による先行き不透明感はある中でも、消費意欲は高く保たれていることがわかります。

 

成長の鈍化は、肌感覚としても感じるところですが、

現実的な投資余地もまだ残されており、国内の消費と投資を軸に2020年も堅調に成長するであろうと判断しています。

もちろん、今年もGDP成長率が上がることはないとは思いますが、6.0%もしくは若干下回るくらいでは落ち着くのではないかと思います。

(※追伸:コロナウィルス問題が発生したため、2020年度はGDP目標自体がなくなりました。)

 

また、債務問題などが指摘されていますが、GDP対比の借金比率では日本の方が上です。

確かに、国有企業は今後不要なものからどんどん無くなっていくと思いますが、経済を破綻させるような潰し方はしないはずです。

 

中国経済の見方は、様々な角度から議論されており、多くの指標が引き合いに出されます。

それらの指標を出して説明するのは、説得力を出すためです。

それが分析をする人、アナリストたちの仕事です。

当たるか外れるかが問題ではなく、説得力のある分析ができるかどうかが重要なのです。

 

そんな事情を踏まえると、マクロ指標やたくさんの数値を見て考えなくても、実際の現場で感じることの方が的確に現状をとらえている場合が多いというのが私の実感です。

今後も時々、現地を訪れた時に感じたこと、聞いたこと、見たことを踏まえて現状をレポートしたいと思います。

以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

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