教育改革で大学入試はどう変わるのか?実際にプレ問題をやった感想

どうして今大学入試が変わるのか

こんにちは!Jimmyです。

今回は、大学入学共通テストのプレ問題を実際にやってみた感想を書いていきます。

 

これからの社会に適応できる人間を育てるために教育改革がようやくスタートします。

今までのように知識を詰め込むだけ詰め込んで、何を知っているかを競う入試の形式も変わっていくようです。

 

今までは知識の有無を確かめるテストであったのに対して、今後は、持っている知識をどう生かすかがポイントになると言われています。

 

知っているだけなら機械に覚えさせれば良いですし、単純な作業も機械が取って代わると言われています。

そうなれば当然、求められるのは、機械にできないこと、クリエイティブな思考力です。加えて、思考したことを表現する力、複雑な課題を他人と話し合い解決していく力です。

 

そういうわけで、学校でも教育のアプローチの方法を変える必要があります。

学校で教えることを変えるためには、その先にある入試の形式も変える必要があります。

 

気をつけなければいけないのは、「知識」を前提としている点です。

思考力がいくら重視されるとはいえ、基本的なことはやはり覚えてもらわないと始まらないということは言えると思います。

 

今までも、このような思考力や判断力、表現力を育む教育が叫ばれてきましたが、大学入試が旧態依然とした性格のままでしたので、変えることができなかったというのが実態でしょう。

今回、大学入試も変わるわけですから、高校、中学、小学校での教育手法も満を辞して変えることができるというわけです。

 

では、大学入試ではどんな試験が出題されるのか、実際に、「大学入学共通テスト※」のプレ問題をやってみました。

※大学入学共通テスト
大学入試センター試験に代わる日本の大学の共通入学試験で、2021年1月からスタートする予定。思考力を問う問題が出題されると言われている。

 

私が当時、センター試験を受験したのは2003年です。

マークシート形式の問題でした。

今回、確かに昔と違っているとは感じました。

どのように変わったのか、感想とともに概要を共有したいと思います。

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実際の入試問題とやってみた感想

①国語

配点と問題形式

マークシート形式問題200点に加え、記述式の問題が3問あります。これがどれほど加算されるのかは明確な記載がありませんでしたが、正解した問題に応じて、AからEの5段階の評価がつくそうです。

問題の特徴・雑感

マークシート問題については、以前のセンター試験とさほど変わっていないという印象です。

現代文、古文、漢文で構成されており、おなじみの漢字の知識を問う問題も残っています。

 

大きな違いは、記述式の問題が加わった点です。

しかし内容は読解能力を試す従来のテストとさほど変わらない印象です。

 

次のような出題がありました。複数の文章を読んでから記述させる問題ですが、記述するにあたり以下の4つの条件を全て満たすように書くことを求められています。

  1. 二つの文に分けて、全体を八十字以上、百二十字以内で書くこと(句読点を含む)
  2. 一文目は 「話し手が地図上の地点を指さす」行為が、「指さされたものが話し手が示したいものと同一視できないケース」であることを、【資料】に示されたメニューの例に当てはめて書くこと。
  3. 二文目は、聞き手が「話し手が示したいもの」を理解できる理由について書くこと。ただし、話し手と聞き手が、地図の読み方について共通の理解を持っているという前提は書かなくてよい。
  4. 二分目は、「それが理解できるのは」で書き始め、「からである」という文末で結ぶこと。

字数制限はあって然るべきだと思いますが、

全体を二つの文でまとめること、

一文目、二文目ともに書く内容を指定していること、

二文目に至っては、書き出しと結びの文を指定していることについては違和感を感じました。

 

思考力、判断力というよりは、以前と同様、読解能力だけを試す問題になっているように感じます。

採点の際の公平性を保つためなのかもしれませんが、点を取るにあたり必要な能力は、以前とあまり変わらないと思います。

採点の問題もあるとは思いますが、もう少し文章を組み立てさせる問題があるべきかと思います。

②数学

配点と問題形式

数学ⅠA、ⅡBそれぞれ100点満点。マーク式に加え、3問記述式がありました。

問題の特徴・雑感

今回、数学ⅠAをやってみました。

趣旨とは関係無いですが、これほど忘れるものかと驚くくらい解き方の記憶が無くなっていました。

センター試験の数学は満点近く狙える科目だと思っていたのですが、今回やってみると意味すらわからないものがありショックでした。

数学についても、知識を「活かす」ことを相当意識して作られているのでしょう。

日常にあるものを例えに出し、出題されているところに出題者の努力を感じました。

 

また、敢えて問題文を会話形式にして日常感を演出しているものもありますが、問題の内容、受験生に必要な能力は以前と変わっていませんでした。

 

実際の問題の一つです。

久しぶりに小学校に行くと、階段の一段一段の高さが低く感じられることがある。これは、小学校と高等学校とでは階段の基準が異なるからである。学校の階段の基準は、下のように建築基準法によって定められている。高等学校の階段では、蹴上げが18センチ以下、踏面が26センチ以上となっており、この基準では、傾斜は最大で約35°である。
(中略)
階段の傾斜をちょうど33°とするとき、蹴上げを18センチ以下にするためには、踏面をどのような範囲で設定すればよいか。踏面をxセンチとして、xのとり得る値の範囲を求めるための不等式を、33°の三角比とxを用いて表せ。
(後略)
正解 26 ≦ x ≦ 18/tan 33°

 

問題の前提を日常の光景に寄せてきている以外は、内容としては、以前とそれほど変わった点は見当たりません。

記述問題といっても、証明を書かせるような問題ではなく、マークシートで選択させてもよいくらいの回答の長さ(1行で終わります)で済みます。

 

数学については、無理をして何とか日常に繋げた出題にしなくてもよいと思います。

将来、数学的なアプローチは日常で使うことは多いですし(確率や組合せ等)、統計や経済、金融工学など、今の社会で必要とされる能力における基礎となりますので、従来通りでも問題ないと考えます。

 

数学の必要性は以前にも増して高まっています。

実際に受験する高校生にとって数学がより日常に感じられたら、それはよいことだとは思いますが。

③英語

配点と問題形式

筆記(リーディング)100点、リスニング100点

全てマークシート形式。

問題の特徴・雑感

今までのセンター試験と内容は変わっていない印象です。

しかし、よく調べてみると、英語に関しては、他の科目と大きく異なる点があります。

 

民間資格・検定の採用です。

グローバル化が急速に進むなか、現行の「読む」「聞く」の二つの能力に加え、「話す」「書く」ことの必要性も認識されて久しいです。

 

しかし、センター試験のような大規模な試験において、一斉に「話す」「書く」に関する試験を実施することは現実的ではありません。

そこで、TOEICやTOEFL、英検などの民間の資格・検定試験を活用することが決まりました。

 

ただし、2020年度から2023年度までは大学入試センターの共通テストと、民間の資格・検定試験の両方が用意され、各大学はいずれかまたは両方を利用できるという猶予期間があります。

 

2024年度からは、完全に民間へ移行されるようです。

今までにも増して、TOEIC、TOEFLの重要性が増して、受験者が多くなることは確実でしょう。

 

しかし、TOEIC、TOEFLにしても、満点を取っている友人は私の周りにもたくさんいますが、全員が英語を流暢に話せるわけではありません。

読む、聞くに関しては問題ないのですが、話すことについてはやはり、日本人は苦手なようです。

 

普段からの授業や生活の一部で英語を話すことを習慣にしなければ難しそうです。

私は、受験英語を習った後、社会人になってからも英会話に通い勉強しましたが、流暢に話せるレベルではありません。

 

中国語は、妻と結婚するときに必死に勉強しましたし、中国に7年半勤務しましたが、日常会話レベルに毛が生えたくらいです。

妻からは外国語のセンスを疑われています。

英語の発音に至っては、考えられないくらいひどいようです。

 

日本人は外国語でコミュニケーションをする機会が少なすぎます。

子供の時から会話を中心とした自然な外国語の習慣が求められると痛感しています。

これは、日本人の環境が絡んだ根本的な問題なので、テストをどうこうという議論ではないかもしれません。

試験方法としては、現状、民間業者の検定手法に頼ることは、致し方ないと思います。

④日本史

配点と問題形式

100点満点、全てマークシート形式。

問題の特徴・雑感

暗記科目のイメージが強い日本史ですが、今回のプレテストでは、単純な知識に加えて、時代背景を理解していることが前提となっている問題が多くありました。

文化、生活、政治それぞれの背景をしっかり理解することが必要な内容になっていると感じました。

断片的に歴史の年号や言葉、代表的な事件の名前を覚えているだけでは答えられない問題です。

他の教科に比べ、大きな変化があったのではないかと思います。

 

以下は問題例です。

年表の下線部ⓐ(武田信玄が治水工事を行う)のように、戦国大名は様々な方策で領国の振興を図った。S さんは、この時期の振興策を、いくつかのカードにまとめてみた。クラスの人たちにカードを提示したところ、そのうちの一枚は適当でないとの指摘を受けた。適当でないカードを、次の 1 ~ 4 のうちから一つ選べ。

1 城下町の振興に向けて、楽市令が出され、商人を呼び寄せようとした。
2 家臣同士の争いや領民の争いを防ぐために独自の法整備に努めた。 
3 新たな採掘技術や精錬技術を導入して、金山や銀山を開発した。 
4 横行した撰銭行為に対し、銭座を設けて貨幣を鋳造し、経済の活性化を図った。
正解4

 

このように、当時の時代の政治と暮らしを結びつけて考えたり影響の因果関係を知ることも大事です。

しかし、これでもまだ、ただの知識として知っているだけになってしまいます。

歴史を学ぶことはもっとよいことがあります。

 

歴史を学ぶ1番の目的は、過去の失敗や成功事例から現在、そして未来に活かせる教訓を学ぶことだと思います。

歴史から学べる教訓は、現在にも通用するものがたくさんあります。

何しろ人間が築いた時代ですので、私たちにも通じるものがあります。

 

昔実施した政策と人々の反応、世界との関わり方、国に対する考え方等、歴史上の多くの出来事において、教訓があります。

 

例えば、それぞれの時代で得た教訓、それが今の時代にどう活かせるか、もしくは自分の生活や考え方にどう影響を与えたかを書かせる問題は有効だと思います。

 

私はつい、人を動かすリーダー論や、経営論、思想に意識が向きがちですが、文化を例にとってみても、ある時代の文化、人物、作品がどのように伝わり今の文化、自分の生活に影響を与えているのか等、色々な見方ができるのではないでしょうか。

大人になってから歴史を学ぶ多くの人たちはその必要性を無意識に感じているのかもしれません。

研究職の方のように、事実を知りたいという知識熱を持つ人もいるかもしれませんが、多くの大人たちが歴史を学び直す、過去の出来事を調べ直す背景は、歴史からの教訓を求め、今直面する問題への解決や、考え方の指針を求めているのです。

この点こそ、まさに思考力や判断力を問う、格好の問題になるのではないかと思います。

 

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まとめ

思考力、判断力、表現力と言葉でいうのは簡単ですが、実際にテストとして出題するとなると、難しく、大変であることが改めてわかりました。

工夫がされているのは随所にわかりますが、結果として実際に受験する高校生の思考力、判断力、表現力をテストできているのかと考えると、疑問が残ります。

 

国語 
今までの読解能力重視のテストとさほど変わらない。

記述式も思考力や表現力を問うものではない。

 

数学 
以前と問題の根本は変わっていないが、このままで良いと思う。

 

英語 
変わっていない。

一斉テストで、「話す」、「書く」の能力テストは難しいため民間のテストを採用。

現状致し方ないと思うが、「話す」能力に関しては現状の民間テストでも不十分。

 

歴史 
断片的な知識だけでは解けないような問題が増えている。

歴史の背景を認識するためのテストになっている。

思考力や判断力を問う意味では、記述式の問題で歴史からの教訓を現代と関連づけて答えさせる等の工夫の余地があるのではないか。

 

これから試行錯誤する中で、徐々にテストの内容を修正していくしかありません。

 

フィンランド、デンマーク、フランス、アメリカ等、比較的思考力が高いとされている外国のテストを参考にしながら、日本に合ったものを模索していくことが現実的でしょう。

どこの国のテストも一長一短ですが、少なくとも今の日本の試験問題は、知識偏重になっており、これからの時代に合っていないことは確かです。

 

大学入試を変えることはあくまで手段で、そのあとに続く学校での教育を変えることがより大事です。

まだ時間はかかりそうですが、これからの日本を支える人を育てる教育は重要なことに変わりはありません。

 

以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

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