白鵬対朝乃山の初対決
こんにちは!Jimmyです。
2019年名古屋場所で、楽しみな一番がありました。
白鵬対朝乃山の初対決です。
結果としては白鵬が勝利、横綱の面目を保ったという結果になりましたが、
私は結果よりも、相撲の内容に大変注目していました。
久しぶりに白鵬が期待通りの相撲を見せてくれました。
とてもいい相撲でした。
前の場所で優勝を手にした、今最も勢いのある朝乃山に対して休場明けの大横綱白鵬はどのように立ち向かうのか。
実は、場所前、白鵬からの希望で、朝乃山との稽古が実現しています。
初めの一番で、朝乃山の圧力に押されてあっさり土俵を割ってしまった横綱。
そこからは目の色を変え、全部で11番取って、白鵬の9勝2敗でした。
思っていたよりも立ち合いの圧力と前に出る力があったと、白鵬が感じたことは間違い無いでしょう。
稽古の終盤では、朝乃山に張り手を見舞っています。
朝乃山が脳震盪を起こしたため稽古はそこまでとなりましたが、油断していたら負けてしまうことを白鵬に印象づける稽古になったと思います。
それを踏まえての本場所です。
休場明けで、相撲勘に不安の残る中、相手は、前の場所で優勝している若手力士。
しかも初顔合わせ。
第一人者の横綱としては、絶対に負けられないという思いは相当強く持っているはずです。
私は正直、白鵬は立ち合い直前で、「待った」をして相手の集中力を乱すか、わざと立ち合いのタイミングを掴ませないような駆け引きをするのではないかと考えていました。
タイミングをずらし、その上で最近よく批判を浴びている、「カチ上げ」、「張り差し」のどちらかで相手の出鼻をくじく作戦を取るだろうと思ったのです。
初日の阿炎戦でも、右肘を相手にぶつけていくような立ち合いをしていました。
前回負けた相手だったこともあり、なりふり構わず、そういった立ち合いになったのだろうと思います。
朝乃山は立ち合いの当たりが大変良い力士です。
前の場所の相撲を見ていても、目の覚めるような素晴らしい当たりをしていました。
日馬富士を彷彿とさせるような鋭い立ち合いで相手を圧倒する相撲もあり、いい相撲を取っているなと感心している間に、上位陣も倒し優勝してしまったのでした。
白鵬も全盛期は過ぎています。
動きや土俵際の粘りを見ても、衰えは隠せません。
まともに受け止めたら、場所前の稽古の一番と同じように、一気に土俵際まで持っていかれる可能性は十分にあります。
そういうわけで、何としても、朝乃山の立ち合いの当たりを食い止めなければなりません。
ですから私は、白鵬はきっと何かやってくるだろうと想像しながら見ていたのです。
しかし、予想は良い形で外れました。
立ち合い、張り差しもカチ上げもすることなく、白鵬は低い姿勢で、かなり強く踏み込みぶつかっていきました。
これぞ、白鵬本来の強い相撲です。
相手の出足を抑えるために、久しぶりに鋭く踏み込む白鵬の相撲が見られました。
すぐに右を差され、寄られますが、立ち合いの鋭さで勝っていたため、一気に持っていかれることはありません。
押し込まれているように見えたかもしれませんが、余裕を持って対応できていました。(と私は思います。)
その後は、膠着状態となり若干長い相撲になりましたが、動きが止まってしまえば朝乃山の勝機は少なくなります。
白鵬は慎重に慎重を重ねていた印象です。
攻め手はいくらでもあったと思いますが、敢えて朝乃山が仕掛けてくるのを待って、その力を利用しての上手投げで勝負あり。
絶対に負けるわけにはいかない相撲で、盤石の勝利を収めたのでした。
予想が良い形に外れて、大変嬉しく思いました。
このような相撲を白鵬が取っていれば、負けることも少ないと思いますし、仮に負けたとしても、相撲内容について文句を言う人は少なくなるでしょう。
体力や馬力の衰えを、張り手やカチ上げに頼ることで簡単に相手の出足を止めることができてしまっていたため、白鵬の鋭い踏み込みを見る機会が減っていたのですが、この取り組みは気持ちの良い一番になりました。
白鵬がいると土俵が締まる
白鵬がいると大相撲が面白くなります。
最近は、先ほどの朝乃山に加え、阿炎、貴景勝など若手で楽しみな力士がどんどん出てきています。
上位との対戦は盛り上がりますが、やはり白鵬戦は格別です。
強い大横綱に若手力士がどのような相撲を取るのか、また横綱がどのように退けるのか、そのようなワクワクさせる取り組みを見られるのが大相撲の楽しみの一つです。
色々叩かれることが多い白鵬ですが、やはり白鵬がいる大相撲は見る側としても楽しみが増えます。
弱くなったら、ここまで注目されることも、叩かれることもなくなるでしょうが、まだまだ若手の大きな壁であってほしいと願います。
東京五輪までは続けたいとしている横綱白鵬ですが、ついに日本国籍も取得しました。
若手からの刺激をプラスに変えて、これからも土俵を盛り上げる存在であり続けてほしいと思います。
以上、ここまで読んでいただいてありがとうございました。
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