スタンフォード式最高のリーダーシップ【ポイント・レビュー・日本人向け良書】

スタンフォード式最高のリーダーシップ概要

こんにちは!Jimmyです。

今回は、リーダーシップシリーズ、「スタンフォード式最高のリーダーシップ」という図書を紹介します。

著書紹介

著書名 スタンフォード式最高のリーダーシップ

著者  スティーヴン・マーフィ重松

 

著者のスティーヴン・マーフィ重松氏は、日本生まれ、アメリカ育ち、スタンフォード大学の心理学者です。

心理学を基礎として、マインドフルネスや、リーダーシップ論、多様性やグローバルスキルを幅広く展開されています。

本書も、心理学的な根拠に裏づけされた、現代に必要なリーダーシップ論が解説されています。

 

本書の構成

0章を設けて、現状のリーダーを取り巻く組織の様々な問題を心理学的視点を踏まえて取り上げています。

そして、今必要とされるリーダーの条件を定義します。

それが、Assertive Leadership(アサーティブリーダーシップ)であり、目指すべきゴールです。

1章で、アサーティブリーダーシップとは何かについて解説されています。

2章から5章は、アサーティブリーダーになるために身につけるべき資質を4つに分けて解説していくという流れです。

 


目次

0章 残酷な集団 なぜ組織に「境界線」があるのか?リーダーを取り巻く現実

1章 Assertive Leadershipが人を動かす 求心力ある先導者

2章 Authentic Leadership 人心を掴む「土台」を築く

3章 Servant Leadership 本物の「信頼」をたぐり寄せる

4章 Transformative Leadership チームに「変容」をもたらす

5章 Cross-Border Leadership 持続的な「最良の関係」を確立する


オススメのポイント

現代に必要な考え方

時代の変化に伴い、一昔前のような、強権的で万能さを持った近寄りがたいリーダーは今の時代通用しなくなっています。

変化が速く、複雑化した現在において、何でも一人のリーダーが全てを判断して引っ張ることは不可能であるからです。

つまり、いかにチームの人たちをモチベートし、一人一人の能力を発揮させられるかがリーダーとして大事になります。

 

本書は、「人はシステムやロジックではなく心で動く」という原則のもと、

心理学的根拠に裏づけされた、人を動かすために必要な考え方が随所に織り込まれています。

 

自分が無理をするのではなく、自分も他者も成長することを前提に、リーダーとして持つべき視点と身につけるべき能力を学ぶことができます。

 

日本人向け!読みやすい!

まず、スタンフォード式とありますが、日本語で書かれた著書です。

多くの欧米発の書物は、原文が英語のため、ニュアンスの違いや翻訳次第で驚くほど読みにくくなるものもありますが、本書は日本人向けに書かれた本なので大変読みやすいのが特徴です。

 

著書のスティーヴン・マーフィ重松氏は、日本人とアメリカ人のハーフということで、日米の生活、文化に精通されていて、日本人の特性や独特の文化も理解されています。

そのため、日本人に馴染みの深い考え方や、人物、東洋の思想や伝統なども織り交ぜて解説されていますので理解もしやすいと言えます。

例えば、日本人は特に、個人よりも集団を重んじる傾向が強いことから、集団心理の怖さを強調して説明されているなど、日本企業を念頭に置いたリーダー論となっています。

これはありがたいですね。

 

随所に、欧米と日本の文化の違いを踏まえて、日本人ならこう考えたらわかりやすいのではないかという考察があります。

日本人向けに書かれていることがわかります。

 

We are the Leaders!

組織上のリーダーだけではなく、全ての人がリーダーシップを持つべきというのが著者の考え方です。

先ほど示したように、変化の多い時代、何か起きても考えず、動かず、リーダーの指示を待っているだけの組織はうまくいくはずはありません。

一人一人がリーダーシップを持ち、考え、行動することがこれからの世の中必要ということです。

組織のリーダーとして、リーダーシップを発揮すると同時に、チームのメンバーに対してもリーダーシップを発揮してもらうように仕向けるためのアプローチが必要です。

本書では、その点についてもしっかり解説されています。

 

スタンフォード大学での実績

スタンフォード大学は理系の大学です。

そんな理系中心の授業が多い中、長年採用されているのが著者の心理学的アプローチに基づいたリーダー論です。

平たく言えばスタンフォードの学生からも人気の授業のようです。

実際の授業と、そこから得られたフィードバックから研究を重ね、改善を繰り返してきた実践力のあるリーダーシップ論であると言えるでしょう。

 

要旨まとめ

現代の組織で考えるべき問題と現状認識

変化が速く複雑な組織

自分一人で引っ張っていく強権的なリーダーでは、組織はうまく機能しない。

いかにチーム一人一人のやる気と能力を引き出し、良い関係を作れるかが重要。

そんな状況では、自分の弱さを認められるリーダーでなければならない。

そうしないと、メンバーは意見も言えず、信頼関係はできない。

弱さを認められることこそ本当の強さ。

 

上司と部下の関係

上層部は自分たちだけで情報を共有し何でも秘密裏に決めてしまえば、

現場は自分たちだけで不満と鬱憤をぶちまけるようになる。

こうして組織の分断は進んでいき、機能しなくなる。

一人一人と個人的な関係を築くことが大切。

 

資本主義の問題

経営側は従業員に対して、犯罪、規則違反にならない程度の賃金を払えば十分と考える。

下の人たちが豊かになることを考えようとしない。

これが格差社会の構造。

リーダーは自分のメリットを確保するだけでなく全体のメリットも考えなければならない。

そんな心あるリーダーでないと人を惹きつけられない。

 

日本企業は特に注意!

「集団は、真理を追求するよりも錯覚を求めている。」

正しさは二の次になる。

それが集団心理の怖さであり、特に日本企業は陥りやすい環境が揃っている。

さらに、感情は伝染することにも注意が必要。

一人がリーダーを批判すれば、それが集団の空気として感染することもある。

リーダーは、集団心理と個人心理、両方とも存在することを理解しておかなければならない。

そして、意識的に集団心理にとらわれない組織運営を強化するべき。

 

現状維持バイアス

変化に恐怖を抱くのが人間の本質。

予想外なこと、理解不能な状況では、人は不安や苛立ちを感じやすい。(ディスオリエンティング・ジレンマ)

現場は常にこのような状態にあることを理解した上で、変化を促すことはリーダーの大事な役割。

 

アサーティブリーダーシップの要諦

以上の前提条件(現代の組織が直面しやすい問題)を踏まえて、今の時代必要とされているリーダー像を、

Assertive Leadership(アサーティブリーダーシップ)と定義。

(Assertiveとは、「積極的な」という意味合いがあるが、アグレッシブほど強くなく、パッシブほど受け身ではない、その中間くらいの意味合いとされている。)

 

アサーティブリーダーとは一言で言えば、

自分自身を尊重し、他者を否定することなく自分とチームの利益のために行動できるリーダー。

 

アサーティブリーダーの要諦は以下の通りです。

強さと弱さのバランス!

リーダーは強くなければならないが強すぎてもいけない。

バランスよく強く働きかける部分とそうでない部分を知っておくこと。

言い換えれば、エゴと謙虚さのバランス。

一人の人間として引っ張る

大事なのは人間としての厚み。

テクニックで引っ張るのではなく、人格でチームを惹きつける求心力。

共感する力はマスト

まずは自分を知ることで、はじめて他者を理解できる。

自分がどういう人間かわからないまま、職場の役割としての性格が強くなれば、自己理解は進まず、他者理解もできない。

信頼関係も生まれない。

適度な距離と余裕

共感の方法にも注意が必要。

悲しみや苦しみを、自分も同じように感じて同じ気持ちになることはダメ。(この共感をエンパシーと呼ぶ。)

リーダー自身もこのような気持ちになると、脳の悲しみや痛みを司る部分が活性化され、本能的にこれらを避けるようになるため、相手を助ける行動はできない。

相手の気持ちを理解しながらも、程よい距離は保ち、余裕を持つことが必要。

余裕あってこそ、本当にその人のために行動でき、チームを改善へと向かわせることができる。

日本人は自己犠牲型に注意!

努力と人徳は比例しない。

強権的リーダーと同じく、自己犠牲型リーダーも間違い。

自己犠牲型は、ストレスや不満が徐々に積み重なっていく。

「こんなに頑張っているのに部下は・・・」となる。

リーダーとしての努力は、残念ながらチームメンバーの視界には入らないことを認識するべき。

個人の成果を大事にすることも必要。

 

アサーティブリーダーになるために身につけるべき4つのリーダーシップ

アサーティブリーダーになるために身につけるべき資質を、さらに4つのリーダーシップの考え方によって示されています。

①Authentic Leadership 

②Servant Leadership  

③Transformative Leadership 

④Cross-Border Leadership 

 

①Authentic Leadership 人心を掴む「土台」を築く

オーセンティックリーダーシップです。

Authenticとは、「本物であるさま」という意味があります。

つまり、ありのままの自分で勝負するリーダーシップです。

誰かの真似をして、自分を偽って行動していては、真のリーダーシップは継続的に発揮することは難しくなるという考え方です。

自分自身の価値観、信念を追求すること。

それに基づき、自分らしいリーダーシップで人を引っ張り成果を出していく、これがオーセンティックリーダーシップです。

なお、私個人の見解になりますが、このオーセンティックリーダーシップが最も重要な要素であると考えています。

オーセンティックリーダーシップは、もともとビルジョージというハーバード大学の教授が発表したものです。

超重要なだけに、この理論だけにフォーカスして、別の記事にて紹介しています。

興味のある方はぜひこちらもご覧ください。

【必見】オーセンティックリーダーシップとは?今必要な自分らしさ

 

②Servant Leadership 本物の「信頼」をたぐり寄せる

部下の能力を引き出して背中を押すためのリーダーシップです。

人に奉仕し、その人の中から最高の行動を引き出すことが必要です。

失敗するリーダーは、「自分でなければできない」と思って部下に任せない強権的な人か、自分の地位を脅かされたくないと思うタイプです。

一人でダントツの成果を出せたとしても、それは短期間で終わります。

チームとしては生産性は上がらないからです。

今の時代、独走は禁物です。

 

③Transformative Leadership チームに「変容」をもたらす

変化できる人間のみが生き残るというのはダーウィンが指摘する通りです。

その変化を自他共に促すためのリーダーシップがTransformative Leadershipです。

人は感情で動く生き物です。

チームに変化をもたらすよう仕向けるには、「ストーリーテリング」(ストーリーで話す)が有効です。

単に、「私たちの目的は、会社から与えられた数字を達成することだ」と言っても部下には響かず、変容など起こせるはずがありません。

部下自身を主人公とした感情のあるストーリーが必要です。

話すべきは「リーダー自身のこと」、「チームのこと」、「現状と課題について」です。

大切なのは「できるという希望を」生み出す内容にすることです。

リーダー自身の失敗エピソードなども披露しながら、リーダーの人間性を共有し、今のチームは何のためにこの仕事をするかを語ります。

そして、現状の課題を明確にして、それを突破するストーリー(ゴール)を話します。

このようにしてゴールを示し、プロセスもしっかりとフィードバックしながらモチベートし、一緒に変化を起こします。

 

④Cross-Border Leadership 持続的な「最良の関係」を確立する

違いを持つ人が尊重しあい働ける環境を作ること、壁を超えて最良の人間関係を作るためのリーダーシップです。

ここで大切な考え方としてIQ、EQならぬ「CQ」が登場します。

CQは「Cultural intelligence Quotient」、つまり文化の知能指数、異文化理解力とされています。

 

シリコンバレーでは、このCQが大変重視されるようになっているようです。

それは、CQを高めることが、創造性につながると考えられてるからです。

 

CQが高い人は、自分とは違うもの、知らないものを知りたいという好奇心強いという特徴があります。

アプローチとしては、トレーニングすることと、環境を作ることが大事になります。

グーグルの20%ルールのように、指示された仕事、決められた仕事以外に、自由に考えて動ける時間を作ることや、デザイン思考を取り入れるのもよいとされています。

デザイン思考とは、とりあえずやってみて、ダメだったらまた新たに作り直すという考え方です。

 

これらを取り入れることで、失敗してもいいという環境を作り出すことができます。

そうすると、様々な考え方、やり方(異文化)に挑戦する勇気が湧き、クリエイティブになることがはるかに容易にな流ということです。

多様性を認めることは、自分の個性を認めそしてお互いの個性を認め合うことであり、これからの時代ますます重要になります。

 

最後に

要点のみの解説になりましたが、本書ではより具体的に、考え方とリーダーシップの身につけ方について説明されています。

時代に合った、そして日本人にも理解しやすい内容になっていると思います。

本書にもある通り、リーダーシップは、組織のリーダーだけではなく、全ての人が身につけ、発揮するべきものです。

リーダーシップは生き方に通じます。(本書でも、Leadership is way of life.これが著者の考え方であると述べられています。)

リーダー職ではない人でも、自分の状況に照らし合わせながら、必要だと思われるリーダーシップの種類を学び、そのやり方を取り入れていくことが重要ではないかと感じます。

 

書籍はこちら

 

以上、ここまで読んでいただきありがとうございました!

 

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