知っておきたい起業時に役立つ中小企業振興公社

中小企業振興公社とは

こんにちは!Jimmyです。

いざ自分で起業するとなると、どんな手続きがあるのか、税金関係や法律のこと、設立手続きや、助成金、補助金のことなど事業以外にも考えなければならないことがたくさんあります。

 

初めから、各分野の専門家をチームに招き入れて事業をスタートできればよいのですが、多くの場合それは難しいでしょう。

一人で起業する場合、本業以外のことも全て自分でやらなければならないので当然わからないこともたくさん出てきます。

 

今回、東京都中小企業振興公社の助成金事業を知ったことから、助成金の説明会へ行ってみました。

 

すると、中小企業振興公社で実施している、助成金含めた様々な施策や、無料相談窓口などがあることがわかりました。

実際に利用してみて(私の場合は東京都の公社を利用しました)、役に立ったことがありましたので、それらを一部紹介していきたいと思います。

 

都の機関ですが、意外と知らないという場合も多いと思いますので、参考にしていただければと思います。

まず、中小企業振興公社とはどんな機関なのでしょうか。HPには以下の記載があります。

東京都中小企業振興公社は、都内中小企業のための総合支援機関です。創業から事業化(製品開発・販路開拓・助成金)、承継・再生まで企業のあらゆるステージに対して豊富な支援メニューでお答えします。

 

経営相談から、助成金、販路開拓や海外戦略など、中小企業の各段階において必要なことをサポートするための事業が整えられています。

状況に応じて利用してみる価値はあると思います。

助成金の説明会へ行ってみた

私の場合、東京都や区などの自治体における、創業時の助成金や補助金についてネットで調べていたところ、東京都中小企業振興公社の助成金事業にたどり着きました。

助成金は返済する必要はありませんので、事業内容や、創業時の状況などで、条件と合致するものがあれば、申し込まない手はありません。

そんな思いで探していたら、「創業助成金」というものがあることを知りました。

参考:創業助成金事業

 

年に2回のペースで募集しているようです。早速説明会に参加してみました。(2019年9月時点の内容になります。)

金額は100万円〜300万円
・用途は、経費(従業員人件費、賃借料、広告費、備品費など)
・使用した実績を証明後、後払いで給付
・助成率は、経費として認められた金額の2/3以内
・期間は助成決定から1年〜2年
事業概要や事業計画などを提出し、書類審査と面接審査によって審査が行われるようです。
注意点としては、助成決定後から最大2年以内という決められた期間内で発生した経費であること、後払いであることくらいでしょうか。
かなり幅広く利用できそうです。

応募するための条件はいくつかあり、付随した細かい要件がたくさんありますが、大きく分けて2つです。

・東京都で起業しようとしている個人、または創業して5年未満の中小企業
・東京都や公社が実施している支援事業などを利用した実績があること
つまり、事業内容は、製造業、サービス業問わずということです。(当然公序良俗に反するものは対象外だったと思います)
事業内容で言えば、モノ作りや最新技術を利用した企業に対して募集される補助金、助成金が多いように感じますが、この助成金は多くの業種が対象になります。
また、起業を計画している個人でも申し込み可能ということで、これから起業をする人も、すでに事業としてスタートしている人も申し込み可能ということでした。
一方で気になったのが、2番目の条件です。
都や公社が実施している事業を利用したことがなければ申請要件を満たしません。
今すぐ応募できるわけではないことがわかりました。
それでは、都や公社が実施している事業とは何か。
毎回、募集要項で確認する必要がありますが、大きく分けて以下の3つです。
  1. 都や公社が主催する事業計画策定支援や事業可能性評価などのサポートを受けていること
    例:「TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援」を修了していること
    :「事業可能性評価事業」において「可能性あり」と評価され継続支援を受けていること
  2. 東京都の制度融資等を利用している、もしくは利用実績があること例:「東京都制度融資(創業)」利用者
  3. 都の指定する賃貸物件等に入居していること例:「都内の公的創業支援施設入居者」
細かく、10項目以上に分かれて示されていましたが、どれもすぐに要件を満たせるようなものではありません。
その中でも、多くの人にとって、一番満たしやすい条件は、①のサポートを受けることでしょう。
サポートや研修を完了するまでに、短くても3ヶ月程度はかかるとのことでしたが、一方で、事業内容や資金計画等を他者から評価してもらう機会は非常に有意義です。
創業後5年は助成金の申請ができますので、これらを申し込んでおことは悪くない選択肢だと思います。
というわけで、私は、募集要項の中から「事業可能性評価事業」に応募することにしました。

事業可能性評価に応募

事業可能性事業は、東京都中小企業振興公社によって実施されている事業です。

こちらも、これから事業を起こす人でも、起業後の人でも、新規事業に取り組みたい人でも業種を問わず、申し込み可能となっていました。

参考:中小企業振興公社 事業可能性評価事業

 

当時、私は会社を設立する以前の段階で申し込みしましたので、事業の実績は何もありません。

随時受付されており、簡単な事業概要と計画を所定の用紙に記載してメールで送信するだけで申し込みは完了です。

 

後日、担当者の方から電話をいただき、面談の日程調整をしました。

面談の日に、都内にある公社の事務所に訪れました。

先方は2名、1名は中小企業診断士の資格をお持ちの方でした。

 

このような公共機関が実施する事業可能性評価とはどのようなものなのか、興味と不安が半々の状態で向かいました。

 

はじめに、公社の案内と事業や施策を説明いただきました。

今回応募した事業可能性評価では、「事業可能性あり」と評価されれば、事業計画の策定支援を受け、最終的に事業可能性評価委員会で審査された後、継続的に事業化や資金安定化などの支援を3年間受けることができるようになるそうです。

 

実績としては、年間100件強の申し込みがあり、可能性ありと評価されるのは30件程度とのことでした。

 

そして本題、私の提出した事業内容の話に移りました。

お二方ともに、お送りしていた事業計画を、事前にしっかり読んでいただいていた印象でした。

 

数字の計画というよりは、事業内容の詳細、事業化の背景、マネタイズの仕組み、集客する上でネックになっている箇所を中心に質問、フィードバックをいただきました。

 

私が当時相談した事業は、児童、生徒のためのアウトプット専用サイト(SNSサイト)の開発、運営です。

同様な事例が過去にないことから、最終的に、現段階では事業可能性について「可能性あり」の評価はいただけませんでした。

 

主に、リスクと考えられる点、解決するべき課題をフィードバックいただきました。

どうしても現状では仮定の話が主になります。

 

実際にサービスを開始して、反応や実績をみて、もう一度申し込みを検討することを勧められました。

類似事業が無いため、即「可能性あり」とはならないことは予想していた評価ではありましたが、1時間超の時間をいただき、真剣に考えてフィードバックをいただいた印象です。

 

あらかじめ、同様のサイトが無いのかお調べいただき、事前にかなり準備もいただいていたと思われます。

その場で初めて資料を読み、思いつきの質問をされる可能性もあるだろうと思って臨んだ面談でしたが、事前に読み込み、大変熱心かつ丁寧に対応いただきました。

 

また、自分でも認識しているリスクや今後の課題となるポイントを他者からも指摘いただいたということは、事業を進める上でも、より課題を強く認識することができ、有意義であったと思います。

申し込んでみてよかったと思える内容でした。

ワンストップ総合相談窓口

事業可能性評価の面談が終わった帰り際、公社の担当の方から、「ワンストップ総合相談窓口」について教えていただきました。

リンク:ワンストップ総合相談窓口

 

創業から、経営全般、会計、税務、法律、労務関係、クレーム対応に至るまで、専門家に無料で相談できるという窓口ということです。

相談の条件は、東京都で会社を設立する予定、もしくは設立した個人、中小企業であれば誰でも相談可能のようです。

 

平日午前は9時から11時半まで、午後は1時から4時半まで利用できます。(その他夜間の時間帯も一部設けられています。)

弁護士の先生への相談は予約が必要ですが、その他の相談であれば、予約なしで随時利用可能です。

電話相談、メール相談、そして直接千代田区神田にある事務所まで来所して面談することも可能です。

 

中小企業診断士、税理士、公認会計士、ITコーディネーター、社会保険労務士、弁護士、司法書士などの有識者に、都度相談できるというのは大変ありがたいです。

会社設立前後は特に、よくわからないこと、しかも税理士や労務士と契約するほどのことでもないけれど気になることというのはきっと発生することでしょう。

 

売り上げの目処が立たないうちから色々な顧問契約を結ぶのも資金的にも厳しいものがあります。

私も会社設立後に提出する書類のことや、気になる税務手続きなど、よくわからない、聞いておきたいと思うことが次から次へと出てきました。

都度、社会保険労務士や税理士の先生に相談してすぐに解決できました。

 

一例ですが、私一人で会社設立し、当面は一人、給与も出さないのに、税務署に給与支払事務所開設の届出を出すべきかどうか迷っていましたが、電話ですぐにアドバイスをいただくことができました。

ネットでは色々情報がありますが、よくサイトによって言っていることが違うということがあります。

 

その点、こちらの相談窓口は、自分の状況を話して相談できるため、より確実です。

事業が拡大し、軌道に乗れば、個別に顧問契約を結んで、より自社の状況を把握いただいている先生に相談するのがよいでしょう。

複雑な相談事項も増えてくるため顧問契約を結ぶ意味はあります。

 

設立当初に、このような相談窓口があると大変助かります。

 

以上、今回は起業前後に役立つ中小企業振興公社の事業をご紹介しました。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

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