こんにちは!Jimmyです。
会社に馴染もう、会社の方針を学ぼう、会社が求める人材になれるよう努力しよう。
このように考えている人は少なくないかもしれません。
会社に馴染めば、活躍もでき、待遇も良くなり、満足感も出てきて人生は充実するかもしれません。
しかし、ここで注意したいのは、多くの人が陥る落とし穴の存在です。
会社に合わせるあまり、どこかで自分を見失ってしまうのです。
つまり、価値観も、人格も、会社が求めていると思われる像にどんどん寄せていって、気づけば自分がいないという状況です。
自分を見失うのは、悩める若者だけではありません。
経験豊富に見える人たちであっても同じです。
実際、有事のとき、大事な局面になって、それが顕著に表れます。
大事なときほど確固たる自分が必要なのに、そこには何もないことに気づく。
これほど悲惨なことはありません。
会社に馴染んで、求められる人材にならなければと考えている人に知ってほしい、持つべき視点と考え方を紹介します。
昇進昇格!役職と権限こそが落とし穴
部下が従ってくれるという背景
組織の方針に則り、努力し、成果が認められると、昇進昇格が待っています。
(会社の方針に従わなければまず不可能でしょう)
やがて部下ができます。
実際に部下ができたら、是非実感してほしいのですが、自分が指示したことに、”従って”くれます。
無論、何でも聞いてくれるわけではなく、会社の方針とルールに則った指示を聞いてくれるということです。
言い換えれば、会社の方針(上の方針)を代弁し、逸脱しない限り、正当性が与えられ、人が動いてくれる可能性が高いということです。
私自身、会社員時代、はじめて部下ができたとき、魔法のような違和感を感じた記憶があります。
自分の何が大きく変わったわけでもない、間違ったことも言えば、よくわからないこともある。
それでも役職と権限が付与されたことで、組織の方針として代弁していれば、驚異的にすんなりと、人が動いてくれるようになるのです。
不満や反対意見があったとしても、最終的には飲み込んでくれることも多いでしょう。
この状態を、気持ちよく思う人も出てきます。
そしてそれが当たり前になっていく、もしくは守ろうとする動きも出てきます。
役職が上がるほど批判もなくなる
さらに、役職を上げ、大きな部署の部門長、そして役員クラスにまでなれば、権限も影響力も相当に大きくなるでしょう。
ここまでくれば、通常の業務をしている範囲においては、周りに批判をする人、反対意見を言う人は極端に少なくなります。
経営幹部になれば、社員に向かって訓示をしたり、ビデオメッセージで伝えるという機会もあるでしょう。
何千人、何万人もの社員が、黙ってそのメッセージを聞きながらメモを取ります。
場合によっては、仰々しく所感文などを提出されることもあるでしょう。
わざわざ、いかにためになる有意義な話であったかを称賛する文章が並べられるわけです。
「変化のない表情と話し方で、本気で伝えようと思ってるの?」
などという正直な感想は誰も言ってくれません。
ただ、言わないだけであって、不満は至るところに存在しているでしょう。
初めて役職者になったときの感覚を思い出せばよいのですが、ほとんどの場合、役職と権限があるからスムーズに従ってくれているという当たり前の事実を忘れてしまうようです。
会社の方針と自分の発言の方向性を一致させている限り、役職が上がるほど、直接の反対意見を言われる機会もなくなるでしょう。
何事もなく平穏無事に時が過ぎればよいのですが、組織が困難、逆境に直面すると、一気に問題が表面化します。
自分を見失ったまま困難に直面するとどうなるか?
事例を見た方がわかりやすいため、こちらの事例を参考にします。
かんぽ問題の事例
日本郵便において、組織ぐるみで不適切な保険営業が繰り返されてきたことが、世間の知るところとなり問題視されました。
利益最優先の会社の方針に従った結果、不適切な営業手法を実施し、解雇された社員もいたようです。
しかし、管理職以上は、解雇された社員はいないということに現場の社員たちは強い不満を覚えました。
さらに、重役からの無責任なメッセージも公になり、以下の記事になったというものです。
責任を取らない重役から、「いったん不満は置いてくれ、そしてお客さんの方を見ようじゃないか!心を一つにしよう!」という趣旨のメッセージです。
なぜこんな発言を?偉くても自分を見失う
表面をなぞっただけのメッセージを聞いて、当然当社の現場の社員も憤慨したようです。
ここが問題です。
おそらく、頭も悪くない、権謀術数にも通じている人のはずです。
今までの長年の組織人人生で、個人としての自分を見失ってしまったことが、少なからず影響しているのだろうと推測します。
確かに今回の事件は経営方針の悪さを認めざるを得ないものです。
そうでなければ、この発言にはならないでしょう。
さらに、自分の言葉とも思えない、上の幹部の意向を忖度したかのような歯切れの悪い言い回し。
苦し紛れに、今更「顧客のために」という言葉を出して、正当化を試みてその場をしのごうとする稚拙さ。
その証拠に、現場にも足を運ばない(つまり行動に出ていない)という指摘もあったことからもわかる、言行不一致。
組織のお作法はわきまえていても、急場に立たされると一気にボロが出ます。
組織のことなのだから組織人として振る舞うのが当たり前と思われるかもしれませんが、組織人と個人に明確な区分などありません。
組織人としての意向を決定し、行動に移すのも個人としての土台は不可欠です。
個人としての土台がなければ、組織が困難な局面では、的を得ない、言葉に力もない、上辺だけの発言になってしまうでしょう。
企業倫理などというものは、あってないようなものです。
結局は、企業で働く個人の倫理の問題です。
今まで会社が与えてくれた権威をもって、人を動かしてきたものの、ひとたび会社の権威が揺らぐと、一気に立ち行かなくなるよい事例だと思います。
自分を見失わないための拠り所
自分を見失うことで、悲惨な状況になる人は、今後ますます増えていくのではないかと思います。
繰り返し強調しますが、単に年を取れば、役職が上がって社会的地位を得られれば、自分を見失うことがなくなるわけではありません。
全く無関係です。
周りにいる権威のありそうな人は、もっともらしいこと、すごいことを言っているように聞こえるかもしれません。
しかし、自身に逆風が吹けばどうなるかわかりません。
大組織で役員になるような人でも、先ほどのような発言をするのです。
ですから、年齢を重ねて、組織で役職を得ることで、素晴らしい自分像を実現できると盲目的に信じることはやめるべきです。
私たちが常に意識するべきは、自分を拠り所にして、自分の言葉で処理することです。
不祥事、逆境、変化の波のいずれかは来る
上記の例のような不祥事にとどまらず、逆境や変化の波によってもたらされる困難な状況は、今の時代、どの組織でも起こり得ることでしょう。
会社がなくなることも、買収されることも、再編を余儀なくされることもあるかもしれません。
今までとは違う立場に立たされることもあるでしょう。
何かそのような事態が発生すれば、自分を見失い、右往左往する幹部も少なくないはずです。
そもそも景気も上向かず、変化の激しい時代です。
安泰な企業組織などはありません。
ある日、平時から有事に変わり、今まですがってきた会社の権威が効力を失うということも増えていくことでしょう。
自分自身が拠り所
ある程度の社会的地位も得て、プライドも醸成されたところで、自分には何もないことを気付かされたらどうでしょう。
相当に悲惨な状況であると想像できるでしょう。
そうならないために、当たり前に自分の拠り所は自分であると強く認識するべきです。
組織に忖度しているだけではダメだということです。
会社に合わせる前に、何でも自分の中で考えるべき、消化するべきです。
反対するべきところ、拒否しなければならないところ、染まってはいけないところを必ず自分で考えます。
上の言ったことに従順で、そつなく上手に対処している人のほうがかしこいように見えるかもしれませんが、それこそ自分を見失う第一歩です。
上からの指示であろうと、押し付けられた常識であろうと、自分の言葉で他人に伝えることを意識します。
あくまで、組織論を覚えて、組織としてこう振る舞うというのではなく、自分個人として本気で発言できてこそ行動が伴います。
他人の言葉を借りただけでは、行動は伴いません。
納得できないところが多すぎる、危険だと判断すれば、是正に動くか、組織から離れるという選択肢が出てくるはずです。
無条件に従おう、忖度しようと考えるよりも前に、自分で判断することは必須です。
変化の時代であるということは、終身雇用の時代ではないということでもあります。
会社にしがみつかなければならないという意識では、簡単に集団浅慮に陥り、自分を拠り所にはできません。
すると、大人なのに、中学生でもできるくらいの判断ができなくなります。
いつでも動ける状態(スキル面だけではなく精神面も)にしておくという前提で考えること、
これを新入社員の頃から習慣にしておくべきでしょう。
まとめ
組織の方針に従って、偉い人に忖度して持ち上げてもらえば、一生安泰!
そんな時代ではなくなりました。
組織の方針や常識に盲目になっていると、簡単に自分を見失います。
自分を見失うわけですから、ある時、会社から与えられていた権威がなくなったときに、自分に何も残っていないことに気づき愕然とすることになりかねません。
不祥事が発生したり、会社が傾いたり、様々な状況が考えられます。
コントロールできるはずの部下がまったく納得してくれない、
自分の話に大きく頷きながら真剣に聞いてくれていたはずの社員が聞く耳を持たない、
自分の言葉で考えず、組織の権威を拠り所にしていれば、こういうことになってもおかしくないのです。
自分を見失うのは、若者だけではありません。
役職を得ていても、権威がありそうな人でも自分を見失っている人はいます。
どう見てもおかしいことが集団浅慮の中でもみ消され、大きな不正となって外部の目にさらされるまで誰も止められないのですから疑う余地のない事実です。
どういう態度で働くということにのぞむべきか、今一度自分の中で考えてみることが必要かもしれません。
自分を見失わない、確固たる自分をもつ上で必要なこと、自分で考える力を持つために役立つ記事を以下に用意しています。
是非こちらも参考にしてみてください。
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