「人のせいにしない」ことが難しい社会
こんにちは!Jimmyです。
子供のとき、何か悪いことをしたときに、親や先生から責められたり、叱られたりした経験は誰にでもあると思います。
自分がしたことなのに、他の人のせいにすると、「言い訳するな!」、「人のせいにするな!」とよく言われたものです。
「人のせいにしない」、子供の頃から言われてきたことなので、当たり前のように聞こえるかもしれません。
しかし、大人になってから考えてみると、「人のせいにしない」大人は非常に少ないことに気づきます。
幼い時は、罰から逃れたくて人のせいにしたくても、
大人ほど知恵がないので、うまく立ち回れないのです。
言い訳をしても、すぐに大人に見抜かれてしまいます。
大人になれば、人のせいにすることが減るどころか、常態化してしまう傾向にあると言えます。
しかも言い方は上手でも、内容を突き詰めれば、子供が言っていることと変わりありません。
それは、強い自己防衛の目的により、そうなるのです。
生活していれば、他者から攻撃されることはよくありますし、自分を正当化することで気持ちを保つという面もあります。
自分の人生ですから、人のせいにすることなく堂々と責任を持ちたいものです。
そのような人が多くない現在だからこそ、自分の人生を人のせいにせずに生きている人は、それだけで輝いて見えます。
エネルギー、オーラ、魅力のようなものを持っており惹きつけられずにはいられません。
それらを持っている人の多くに共通する特徴が、「トップ」であることです。
全ての人がそうであるとは言いませんが、集団のトップにいる人は、その集団がたとえ小さくても、覚悟をもち、人のせいにしない生き方をしている人が多いと言えます。
「鶏口となるも牛後となるなかれ」ということわざは、史記に由来するものです。
大きな集団の尻についているよりも、小さな集団のトップにいる方がよいという意味です。
大きな集団、強い集団の後方にいると能力が埋もれてしまう、モチベーションや使命感が希薄化するといったデメリットが挙げられます。
たとえ集団が小さいものであっても、先頭にいれば、責任感、使命感を持たずにはいられません。
努力も続けられます。
私自身、鶏口、牛後ともに経験し、改めてこの古くからのことわざには大いに納得します。
人のふんどしで相撲をとることの意味
サラリーマンという働き方が一般的になってから100年近く経ちました。
企業に就職して、会社の名前やブランドをバックに仕事ができるというメリットがあります。
会社の名前とともに自分を名乗ることができます。
会社のブランドを利用することができるのです。
会社の方針は経営層により決定され、それに基づき細かく役割を分担され、それぞれの部門、人に割り当てられます。
私は銀行員を12年弱経験しましたが、新人の頃でも、会社の名前を言えば、飛び込み営業で初めて行く会社を訪問しても、怪しまれることはほぼありませんでした。
もちろん、飛び込みで行って、いきなりビジネスに繋がるようなことはまずありません。
一方で、今思えば、話だけは聞いてくれる、
会社の紹介をしなくても、相手がわかってくれているという状況は、本当にすごいことだと思います。
会社の名前がなければ、誰も話を聞いてくれなかったでしょう。
一方で、この働き方をしていると、安易に人のせいにするということができてしまいます。
人のふんどしで相撲をとるということは、人のせいにできるということでもあるのです。
経営方針や目標数値、やらなければならないことのほとんどは、上からの指示で決まります。
うまくいかなかった時、自分ではなく、他の何かのせいにしたくなる気持ちは、私もよくわかります。
会社の方針、会社の商品、上司・部下の能力、与えられた営業基盤など様々なもののせいにして、お酒を飲みながら夜な夜な不平不満を語るという光景はどこにでもあります。
口には出さなくても、どこかで人のせい、会社のせいにしている節はあると思います。
余地があるため、どうしても人のせいにしてしまいやすい環境にあるのです。
人のせいにするような発言は、自分では気づかないのですが、聞いている人からするとあまり説得力はありません。
それどころか、魅力のない人に見えてしまうこともあります。
会社に属していれば理不尽なこともあるのでしょう。
しかし、人のせいにしたところで、そういう酔っ払いと何ら変わらないということを認識しておくべきです。
牛後にいる宿命 いかに人のせいにするかの勝負に辟易
人のせいにするのは、気持ちのよいものではありません。
それは多くの人が知っています。
しかし、それよりも失いたくないものがあるため、人は、必死に他人のせいにするようになります。
失いたくないもの、それは自分の立場であったり、待遇、評価、プライドなどです。
企業、特に大きな組織になればなるほど、業務は多様になります。
自然と組織(部署)の数も多くなり、任される業務も細分化されます。
そうなると、一つの案件、トラブル、報告事などを遂行・対応するにあたり、多くの部署や人が関わってくることは珍しくありません。
外部に対してならまだしも、社内であっても同じです。
部署間における軋轢や警戒感、敵対心が大変多いのが事実です。
現在、大企業に所属している人なら誰もが経験があると思います。
揚げ足を取られないように、社内メールでさえ、書く内容に気を使い、あとで言った言わないの証拠として残しておくのです。
また、何か問題が起こった時に責任を希薄化できるよう、他の部署を巻き込んでおく、責任の所在を明確化しておく、自分よりも上の役職者を味方につけておくなどの立場づくり、根回しが毎日のように行われます。
それが組織でうまくやることの醍醐味だと言っている人も少なくありません。
実際に私も、よくこの手の話を聞かされました。
日々何かが発生します。
手柄になるものであれば、いかにして自分や自分の部署が関係しているように見せるかを必死で考えます。
問題になるようなことであれば、過去の資料やメールを必死にチェックします。
他の部署や他の人のせいにできないかどうかを考えるのに、多くの時間を費やすのです。
それが嫌でも、必ず上から指示が来るため、組織としては対応しなければならないのです。
ある問題が発生した時に「その決裁書類にオレの印鑑ないだろうな!」
と部下に調べさせている光景などは、私も実際目の当たりにしました。
人それぞれ考え方は異なりますが、こんな文化に辟易としている人も少なくないのではないでしょうか。
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自分で勝負すれば人のせいにはしなくなる
これまで紹介してきたことは、実際に私が経験した、大組織でのごく一般的な光景です。
このような状態にあれば、人のせいにしない生き方を考える前に、組織人としてどううまくやっていくかということに意識が集中しがちです。
すなわち、「正しい人としての考え方」よりも、「うまく立ち回れるお作法」を学び、考えるようになります。
冒頭に、「鶏口となるも牛後となるなかれ」ということわざを紹介しました。
大きな企業にいるより、小さい組織にいる方が、ネームバリューの観点からは様々な局面で難しいこともたくさんあります。
方針も、やり方も人のせいにできるような状況ではありません。
そもそも、そんなことを思いつきもしないでしょう。
人が目指す姿は人それぞれですが、人のせいにしない生き方を考えるのであれば、自分がトップに立つことを念頭に入れて行動していくべきでしょう。
自分が今のままでよいのか迷っているという人は、以下の記事も参考にしてみてください。
牛後で集団に埋もれている危険性についても認識するべきかと思います。
以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。
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