経験したこと、学んだことを上手に話すのは難しい
こんにちは!Jimmyです。
今回のテーマは、話す力を向上させるためのアウトプットです。
話す力を持っている人たちは、全て頭の良い人とは限りません。
話す力は磨かれたものです。
周りの上手に話す人を見ていると、他の人よりも多く話す機会、つまりアウトプットする機会があることに気づきます。
世の中には頭の回転が速く、常人では考えられないような情報処理をできる人もいるようです。
IQが高いというような人はその類かもしれません。
しかし、人に伝えるとなると別問題です。
学生の時にこんな経験をしたことはないでしょうか。
テスト勉強をしていて、理解できないチンプンカンプンな問題があったとします。
そこで、天才肌のクラスメイトに説明してもらったところ、何を言っているのか全然わからなかった。
もしくは、その問題を上手く解けるはずなのに、説明の言葉がなかなか出てこない。
話す力は、練習を繰り返さないと身につかない能力のようです。
私たちは、何十年もの人生の中で、実に多くの経験をし、膨大な知識を学んできたはずです。
しかし、それを伝える、つまりアウトプットする練習をしていなかった、もしくは機会が少なかったために、話す力が十分ではないという問題を抱える人が少なくないように感じます。
わかっているはずなのに、上手く説明できない、言葉が出てこない、前後の話を上手く繋げることができないということは誰にでも経験があると思います。
そして、アウトプットしないまま時が流れると、大部分のことを忘れてしまいます。
脳の奥深くに刻まれてはいるのかもしれませんが、それを引き出すのはほぼ不可能になります。
大学受験を思い出してみましょう。
義務教育期間と高校3年間、実に12年もの間、たくさんのことを習ってきたはずです。
一方、知識として覚えたはずのことを、どれだけ今でも覚えているでしょうか。
奈良時代の特徴を話してみてくださいと言われて、どこまで言えるでしょうか。
必死に暗記した事項、710年、なんと綺麗な平城京、墾田永年私財法?
単語だけは何となく思い出せるけれど、それ以外のところがすっぽり抜け落ちているという人も少なくないはずです。
すらすら言える人は、おそらくアウトプットしている人でしょう。
私自身、奈良時代を上手く説明できません。
小中高いずれも習ってきたはずなのですが、これでは知識の意味もありません。
知識として詰め込んだだけで特に話す機会もなかったからだと思います。
一方、幕末から明治時代にかけては、個人的に大好きな時代です。
受験の後、社会人になってからも、至る所で重要な学びであるとして話題に出し、他の人に話す機会がありました。
興味関心から、たくさんの書物を読んで考えました。
そして更にアウトプットするということを繰り返しました。
今でも話せと言われれば喜んで話します。
アウトプットしなければ、話す力を伸ばすことはできず、更にはせっかく学んだことも、大部分が記憶から抜け落ちていってしまうということを認識するべきです。
話す力を伸ばすにはアウトプットしかない
書き出して整理する
アウトプットの第一段階は、とりあえず、体験や学びから考えたことを書き出してみることです。
先ほどの歴史の例で言えば、学んだことをもとに、実際に自分の言葉で書いてみるのです。
自分の言葉で書けば、思考が働き、よく理解できない部分にも気づきます。
学びや発見の中で、疑問に思ったことを書きます。
走り書きのような字で構いません。(パソコンにタイプしてもよいでしょう)
「なんで、旅順要塞を陥落させた第三軍の乃木大将は、今でもこんなに有名で評価する声が多いのか?黒木為楨や奥保鞏の方が戦果は大きいと思うけど・・・」
後で、例えば全て読み終わった後で自分が書いたものを見直してみます。
さらっと読んでいくよりは、自分の頭の中で考えて言葉にして、書き出すことで、考えや疑問が整理されます。
記憶にも残ります。
こうして考えても疑問が解消されなければ、新たに学ぶ必要性と意欲が出てきます。
今度は黒木為楨のことを調べてみるのです。
乃木のことも黒木のこともより詳しくなります。
すると更に知識も加わり、人に話すときも話の広がりもでき、何より余裕が生まれるのです。
もちろん、たくさんある情報の中で取捨選択は必要ですが、重要な学びや、人に説明したいことなどは、書いて整理するようにするとよいでしょう。
あるページを読み終えた瞬間、しっかり理解したつもりになって、そのページの要点を書き出そうとした時、「あれ、どういうことだっけ?」とうまく書き出せないということは多く発生するはずです。
そして新たに疑問が生じることも珍しくありません。
それほど、読んだだけの理解というのは、不確かなものなのです。
声に出してみる
アウトプットの第二段階は、声に出してみることです。
「道は開ける」、「人を動かす」などで有名なカーネギーの別著「話す力」の中で強く推奨されていることが、実際に声に出してみることです。
スピーチであれば、本番のように話す練習をするということです。
スキーが上手くなりたければ、本を読んでもダメで、何度も滑走して転ばなければなりません。
練習は不可欠だとカーネギーは強調します。
実際に書き出したことをもとに、声に出して話す練習を繰り返します。
できれば人に聞いてもらうのがよいですが、一人でやっていても、自分の不足している知識や、矛盾点、網羅していない視点などは意外と気づくものです。
滑らかに話せないところが必ず出てきます。
人に話せば、リアクションを見てすぐにわかります。
いずれにせよ、足りない部分、再考が必要な部分に気づくでしょう。
声に出すことで、また多くの発見があるということです。
掘り下げてみる
人の反応を見たり、自分で声に出したりしてわかった、上手く話せなかったところを掘り下げて考えるようにします。
結局、自分の発言に自信のないことは、一人で話してみても声は小さくなるか、テンポが悪くなるか、気持ちのよい状態にはなりません。
はっきりしない部分を掘り下げ、自分の言葉で言えるようになれば、すらすら気持ちよく話せるようになります。
よく検討されていない事柄や、知識としてインプットしただけのものは、驚くほど自分の言葉で話せないことに気づきます。
こうして練り上げられた話の内容は、他人を前にしても堂々と自信を持って話すことができます。
相手に与える印象も大きく違ってきます。
何より、話していて気持ちがよいものです。
自分の考えを強く明確にするプロセス
知識でも、学びでも、アウトプットを繰り返すことは、自分の考え、ひいては信念ともいうべき軸を強く明確にするためのプロセスなのだと思います。
話す力をつけたい人は、地道にアウトプットと掘り下げを繰り返すことが一番の近道です。
自分の言葉で、自信を持って話せるようになると、話は力強く、説得力があるように聞こえます。
テクニックを駆使しようと考えなくても自然と抑揚や、強調ができるようになります。
面倒くさがらずに、書いて整理し、実際に声に出してみて、更に掘り下げるというプロセスこそ、話す力を伸ばす方法であり、さらには自己確立の方法なのです。
心に響く言葉を発する人たちの共通点
多くの人を話す力により説得し動かしてきた人、感動を与えるスピーチをしてきた話の名人ほど、アウトプットの練習を大事にしています。
田中角栄元総理大臣などは、人を惹きつけるスピーチに関しては右に出る者がいないほどの総理大臣でした。
大事な演説やスピーチなどの前には、聞く人はどれくらいいて、どんな背景を持った人なのかという周辺情報から集め、緻密に内容を練っていたようです。
何より、議員に初めて立候補した時は、選挙演説が下手すぎて周りから心配されるほどだったそうです。
訓練により磨かれたスピーチだったのです。
また、全世界でも有名なアメリカの元大統領リンカーンは、忙しい合間にも常に、話す内容を書き出し、吟味し、実際に部下の前で練習を繰り返し、批評してもらい、徹底的に練習したことで知られています。
本番で上手くいかなかったところを忘れず、次に生かすための思考の材料としていました。
アウトプットを繰り返し、掘り下げる中で、誰もが知っている有名なスピーチは生まれたのです。
その練習の過程は、話す力とともに、自分の信念を育てる役割をになっていたことも見逃してはいけないことです。
歴史に名を残すような偉人でも、これほど事前のアウトプットに重きを置いていました。
自己確立、相手に伝えるという素晴らしい成果を目指して、私たちも日常から取り入れてみる価値はあるのではないでしょうか。
以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。
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