シェイクスピアはなぜ今も読まれ学ばれるのか

こんにちは!Jimmyです。

ロミオとジュリエット、ハムレットなど、一度は聞いたことがある、もしくはあらすじを知っている人も多いと思います。

これらは、イギリスの劇作家、シェイクスピアによる作品です。

よく考えれば、驚異的な知名度と人気です。

なぜ、時代を超えて、世界的に読まれているのか。

さらに、なぜ今でも世界のリーダーたちから、必要な教養として学ばれているのか。

これが今回のテーマです。

シェイクスピアとは?

シェイクスピアと代表作

ウィリアム・シェイクスピア(1564-1616)

イギリス出身の劇作家。

現代でも、数多くの演劇、映画、書籍などを通じて、シェイクスピアの作品に触れることができます。

代表作

四大悲劇と呼ばれる「リア王」、「マクベス」、「ハムレット」、「オセロ」

その他、「ロミオとジュリエット」、「ジュリアス・シーザー」、「夏の夜の夢」、「十二夜」等。

 

名言の宝庫と呼ばれている

さすがに400年以上も昔の作品です。

解釈や翻訳も幅広く行われており、解釈をめぐる論争もあります。

それでも、今も至るところでシェイクスピアの作品から、言葉が引用されており、名言が多いのも事実です。

(そういう意味では、英文を読むことで、より本来のシェイクスピアに触れることができるのかもしれません)

 

日本語でも、シェイクスピアの名言の一部はよく知られています。

「ロミオ、どうしてあなたはロミオなの?」(ロミオとジュリエット)
「どんなに長くとも、夜は必ず明ける」(マクベス)
「嫉妬は、自ら生まれて、自ら育つ化け物」(オセロ)
「今が最悪だと言えるうちは、最悪ではない」(リア王)
「ブルータス、お前もか!」(ジュリアス・シーザー)
「名前とは何だろう。バラと呼んでいるあの花は、別の名前で呼んでみても、甘い香りに変わりはない」(ロミオとジュリエット)

 

名言がたくさん生まれるということは、それだけ、本質的なことがわかりやすく表現されているということです。

これが、生き方の指南書や哲学書ではなく、ストーリーの中に出てくるということも驚くべきことではないかと思います。

シェイクスピアを学ぶ意義とは?

人間の本質部分を考えさせられる

先程、名言が多いことに触れました。

本質的なことが、見事に表現されているという特徴は見逃せないでしょう。

特に、人間の本質的な感情に関する表現には、非常に考えさせられます。

400年経っても変わらない、根本的な部分だからこそ、今でも読まれていると考えられます。

 

古くから伝わっている有名な物語は、シェイクスピアの他にもたくさんあります。

一つの教訓を示すものもあれば、ストーリーが感動を呼ぶような魅力的なものもあります。

ただ、多くは、美しいものをより美しく、悪いものを明確に悪く見せるものでしょう。

愛嬌程度に英雄の欠点を描くことはあっても、英雄はあくまでストーリー上の英雄として描かれます。

単純化、象徴化されるからこそ、わかりやすく、読まれる作品になると言えるでしょう。

 

一方、シェイクスピアの作品の場合は、各登場人物それぞれの言葉や動き方に、人間の本質的な感情が表現されています。

しかも、作品中の至るところで、それを確認することができます。

描かれている人たちが、人間そのものなのです。

教訓が点在しているため、見る人によって、様々な角度から思考が繰り広げられるということも特徴の一つでしょう。

愛情、嫉妬、復讐、欲望、様々な本質に触れて、考えることになるはずです。

 

複雑な人間関係の中で、様々な人の上に立つリーダー層が、シェイクスピアを読み、学ぶのもよくわかる気がします。

欧米の企業では、シェイクスピアの作品が、幹部試験に出されるという話も聞いたことがあります。

 

「オセロ」のあらすじを簡単に紹介

例として、四大悲劇の一つ、「オセロ」のケースを紹介します。

誰もが尊敬する英雄オセロが、部下の策略により嫉妬心に駆られ、崩壊していくストーリーとなっています。

様々な登場人物が出てきますが、主な人物は以下のとおりです。

 

  • オセロ・・ヴェニスの戦士。実力も人格も認められている英雄。
  • デズデモーナ・・オセロの妻。
  • キャシオ・・オセロの部下(副官)。酒に弱い。
  • イアーゴ・・オセロの部下。オセロからの信頼が厚いが、実は腹黒い策略家。自分が副官でないことに不満。

 

イアーゴの策略により、ストーリーは進みます。

イアーゴは、酒に弱い副官キャシオに無理やり酒をふるまい、酔わせた挙げ句、別の戦士と喧嘩をするように仕向けます。

キャシオは大暴れした責任を問われ、オセロから副官の職を解かれ、どん底の状態になります。

 

そこで、イアーゴは、キャシオにアドバイスをします。

オセロは、愛する妻のお願いなら聞くはずだから、デズデモーナに復職できるようお願いしてみたらどうかというのです。

何とか復職したいと必死のキャシオは、密かにデズデモーナにお願いに行きます。

 

デズデモーナは、キャシオの復職を支持し、オセロにキャシオの復職を訴えることにしました。

一方、イアーゴは、その密会を、不倫であるかのように、オセロに見せるよう仕向けます。

 

それだけでは、妻の不貞とは判断しないオセロでしたが、疑念の芽は徐々に大きくなりオセロを蝕んでいきます。

さらにイアーゴは、二の矢、三の矢を使い、ありもしない不貞事実をオセロに信じ込ませるよう演出します。

オセロは結局、イアーゴの言うことを信じ、潔白を主張するデズデモーナを信じることができませんでした。

 

寝ているデズデモーナの首を絞めて殺してしまいます。

後になって、策略が発覚し、イアーゴは捕らえられます。

デズデモーナの無実を知ったオセロは絶望し、隠し持っていた剣で自ら命を絶つというストーリーです。

 

完璧と思われた英雄が、嫉妬に駆られ葛藤し、言動も豹変し、人生を狂わしていく過程の描写は、人間の弱さの本質が見事に表現されています。

 

一方、イアーゴの策略の発端も、自分が認められない不満、嫉妬によるものであったと考えられます。

信頼していた部下が、まったく裏の顔を持っており、憎悪と嫉妬に駆られていた、それに気づかなかったオセロという構図も考えさせられます。

 

「嫉妬は、自ら生まれて、自ら育つ化け物」という言葉は、先ほど名言例で示しましたが、このストーリーから来ています。

 

その他、職と名誉を一晩で失ったキャシオ、豹変していく夫を見るデズデモーナ、イアーゴの策略によって人生を狂わされた他の登場人物の描写も重要です。

どれも、実に人間らしい感情が描かれています。

立場によって異なる感じ方や動き方を見ていると、至るところに教訓が込められているように思います。

 

世界共通の話題としては最適

日本は、仕事以外のことについては、素養がなくても比較的許容される社会です。

それだけ一生懸命に、自分の仕事に打ち込んでいるとさえ見られることもあります。

一昔前までは、言われた仕事さえしていればよかったということも関係しているのでしょう。

 

しかし、仕事以外で盛り上がる話題が、ゴルフか、髪の毛か、不健康だけでは若干残念な部分もあります。

どちらかというと、自虐的な発言が好まれる日本社会ならではの話題とも言えますが、プラスの影響はもたらしません。

 

世界のリーダーたちが認識していることは、仕事以外の教養は、仕事をこなすためにも必須であるということです。

教養は人間力を高めるからです。

誰かから認められるために学ぶというのは本質的ではありません。

しかし、学んでいる人が世界で見るとこれだけ多いという事実は注目すべきであり、意味があるからだと考えるべきでしょう。

 

欧米のリーダーが、何でも正しいと決めつけるのもよくありません。

それでも、正解のない時代に、教養が大きな武器になることは確かだと思います。

それを養い、お互いに話し、高め合うことを考えると、これだけ人口に膾炙するシェイクスピアの作品は、絶好の共通的話題となるのもうなずけます。

 

知識をひけらかしたり、単なる趣味としてではなく、真に意義があるからこそ、世界中で話題になっているということです。

おそらく、劇作家という部類では、突出して有名なシェイクスピアです。

読み始めるのに最適ではないかと思います。

 

以下の書籍なども参考にしてみてください。

シェイクスピアと言っても、有名な作品はたくさんあります。本書は、代表的な作品10のストーリーについて、簡潔に学ぶことができます。気に入ったものがあれば、詳しいストーリーを見てみるのがよいかと思います。

40作品のあらすじが詰まっています。名言についてもピックアップされており、興味を持ってこれから学ぼうとしている人にはぴったりな本かと思います。

 

以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

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