自己分析に終わりはない
こんにちは!Jimmyです。
就活をしている人を見かけると、自分の頃を思い出します。
今回は、就活するのに避けては通れない「自己分析」の方法と、知っておくべき落とし穴の存在について紹介します。
私の場合、新卒で都市銀行に就職し、約12年間勤め、その後起業の道を選びました。
当時感じた違和感や焦り、失敗したことを今振り返り、必要だったと思えるプロセスを書いていきます。
まず、最初に思うのは、
ということです。
人間の価値観の骨格は、多感な10代の頃にほぼ完成すると言われていますが、それを自覚することは簡単ではありません。
社会に出て、学生の頃とは全く異なった組織で、多くの経験を積む中で、初めて気づくことも珍しくありませんでした。
見栄、虚勢、流行、交友関係や、周りの価値観など、様々な要因によってに簡単に惑わされます。
自分の本当の価値観を見つけることは大変時間がかかります。
私自身、自己分析は就活の時に始めましたが、同じように就活を始めるにあたり自己分析の本を買う人も少なくないのではないでしょうか。
ですから、面接の時も、内定をもらった時も、何かしらの迷いはあって当然なのです。
現状出した結論は、今後社会で経験を積む上で、ブラッシュアップして変えていけばよいのです。
むしろ、就活中の自己分析より、就職後の自己分析の方がはるかに重要であると感じます。
自己分析、自分の価値観と向かい合うことに終わりはないということを、まずはしっかり認識いただきたいと思います。
焦りは禁物、ハマりやすい落とし穴
就活をしていると、何かと焦りを感じることが多いはずです。
自己分析が進んでいないため、確固たる志望動機や、それを裏付けるエピソードを自信を持って話せないという悩みはよく聞きます。
しかし、冒頭から書いているように、自己分析は数ヶ月で簡単に完了できるものではありません。
私自身、就活本を参考にしてみましたが、自己分析というプロセスにおいては、ほとんど役に立たなかったというのが正直な感想です。
以下に、就活中の自己分析で陥りやすい落とし穴について紹介します。
先輩たちの完璧な体験談
先輩たちの就職体験談を見ると、途中に多くの困難を乗り越えて自己分析を完了させ、最終的に納得のいく内定先を確保できたというストーリーが多くあることに気づきます。
就活に関する自己分析の本を読むと、その傾向は顕著になります。
最初は全くできていなかったという状態から、ワークシートをもとに人生を振り返ることで、自分の本当の価値観に気づいた人の例などが生き生きと描かれているのではないでしょうか。
それを見ると、自分の自己分析が足りない、もしくは自分には大したエピソードがないと焦りを感じてしまうものです。
しかし、
そんな完璧なストーリーはありません。
なぜなら、本当に完璧かどうか、わかるようなステージにいないからです。
社会に出る前の段階で、完璧かどうかを確かめるための基準などあるはずはないのです。
人気のある企業の内定がある人でも、不安や迷いはあるものです。
私自身、就活する前と後で自己認識に大きな違い(成長)があったかと聞かれれば、そんなことはありません。
就職してからの方が、はるかに濃い思考ができたと思います。
自己分析の成功例を強調するハウツー本については、ある意味、本が売れるようにするためには当然のことなのだと考えればよいでしょう。
短期間で、完璧な自己分析を求めすぎないことが肝要です。
自分に合った企業は必ず見つかる?
自己分析を進めた結果として、自分に合った企業を見つけられるというストーリーを描いている人もいるかもしれません。
しかし、それらは別物と考えるべきです。
内定をもらった企業は、何かの縁があったと考えるべきでしょう。
自己分析によって導かれた必然の行き先ではなく、就活はご縁ものです。
企業から受け取ることができる情報も非常に限られています。
たとえ自己分析を完璧に完了できたとしても、自分に合っている企業かどうか、就活だけで真に見極めることはほぼ不可能と言っても過言ではありません。
理屈はもちろんつけますが、事実として、直感や偶然、タイミングによって決まったという人が大変多いように見受けられます。
一方、自己分析にご縁や偶然は関係ありません。
時間をかけて自分の中にある価値観や信念を固めていくことで、自分の人生を自分で決める、確固たる自己を作り上げていく作業です。
偶然やタイミングに流されずに、自分の求める人生を見つけるための先の長い道のりです。
繰り返しますが、自己分析は就活のためにだけするものではありません。
よく言われる「掘り下げる」というキーワード
私の経験では、就活本に書かれたワークシートにしたがって、人生を幼稚園からずっと振り返っても、すぐに自分の価値観に気づくことはありませんでした。
先輩や友人に自分の自己分析に基づいた志望動機やエピソードを話すと、
「まだ掘り下げが足らない」
と言われることがあります。
確かに、考えがまとまっていないまま話すと、何を言いたいのかわからなくなり、時に矛盾が生じることもあります。
その場合、
「なぜ」を三回(何度も)繰り返して自問し、答えられるようにすることが必要だとされることが多いです。
これが「掘り下げ」と言われている作業です。
実際にやってみるとわかりますが、
それは、自己分析を始めたばかりの段階では致し方ないことです。
この掘り下げという作業は、大変時間がかかります。
数日間かけて振り返っただけのエピソードからは、結び付けられない(説明できない)ケースが多いように感じます。
同じ階層の部屋を行ったり来たりしているだけで深い階層に行けないようなイメージです。
この掘り下げ作業は長い期間を通して見れば必須です。
今後もずっと続けていくべきですが、就活中はある程度「理論の整合性」というポイントに絞って発言内容を考えることも必要です。
掘り下げが足らないことよりも、論理的に話すことに集中することで、解決できる問題もたくさんあります。
自己分析の具体的な方法と進め方
良さそうと思える企業をチェック
就活サイトに登録すれば、様々な企業の採用情報、会社概要を見ることができます。
その中から、まずは自分が良さそうだと思える会社を直感的にチェックすることから始める人が多いのではないでしょうか。
まずはそのやり方で、気になった会社を何十社も選んでいくと良いでしょう。
最初から業種にあまり縛られずに、何となく良さそうだと思った企業を登録していきましょう。
直感的に選んだ企業に隠れた意味を考える
次に、直感的に選んだ企業の何に惹かれてチェックしたのかを考えます。
多くの場合、待遇面(給与水準)、仕事内容、働きやすさ(口コミ)などから選ぶことが多いと思います。
この時点で確固たる軸が無いことに気づく人がほとんどです。
- 給料が高い会社がいい
- 自分の成長を感じることができそうな会社がいい
- 残業がたくさんあるブラック企業は避けたい
- 人と関わり幸せにできる仕事内容がいい
- 影響力の大きい仕事がしたい
ほとんどは、これらの理由におさまるのではないでしょうか。(あとは勤務地でしょうか)
他にも色々理由を探しますが、基本的にはこれらの項目を上回るような理由があることは稀です。
業種を絞って、特定の商品や仕事内容、社風に志望動機を求めようとしても、そもそも企業との関わりが無い中で、そのような理由を前面に出すことは難しい場合がほとんどです。
今の自分の価値観からエピソードを探す
次に、志望動機や社風に合ったエピソードを探す作業に入ります。
先ほどの作業で見た、惹かれる要因の中で考えていきます。
さすがに、「給料が高いのが一番!」、「ブラック企業は嫌だ!」という理由は全面に出しにくいでしょう。
それ以外の項目を軸に考えることになるケースがほとんどです。
つまり、
- 成長を感じることができる
- 人と関わり幸せにする
- 影響力がある
の三点です。
これであれば、自分の高校、大学時代を中心にエピソードを見つけることは、それほど難しいことではないはずです。
志望動機に始まり、努力したこと、成功体験、失敗体験、そこでどう感じたかといったエピソードを見つけます。
エピソードをしっかり志望動機や企業の特徴と結びつけ、論理的におかしなところがないか、他の人に聞いてもらうとよいでしょう。
迷ったら、師匠を探す
「なぜ、他社ではなく当社なのか?」
という少し意地悪な質問も企業によってはされます。
よくあるのは、
OB・OG訪問をした先輩、企業説明会で話してくれた先輩社員が魅力的だったので、一緒に働きたいと思うようになった
という答えです。
逆に、就活中で働いたことのない側からすると、これくらいしか言いようがないのです。
メーカーであれば、まだ、創業者から受け継がれる精神や、得意技術の違いに触れることはできるかもしれません。
一方、形のない金融やサービス業においては、はっきりと他社との違いを説得力をもって話すのは難しいこともあります。
これは、そこで働く人に自分の価値観を重ね合わせた考え方ですが、これは今後の自分探しにも役に立ちます。
自分の価値観を考えるのに有効な方法の一つは、自分がこれまで出会ってきた人の中で最も尊敬する人、こうなりたいと思う人を考えることです。
その人の人生でやってきたことや人格が、自分が成し遂げたいこと、なりたい自分に重なるからです。
本筋と少し離れますので、尊敬する人を考える意義について興味のある方は以下の記事をご覧ください。
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何度も実践で繰り返す
就活における自己分析は以上です。
あとは、業界、会社のことを調べ、常識的な質問に対応できるように準備し、実践で繰り返すのみです。
グループワークや集団面接のような形態もあるため実践は必要です。
「自己分析が人生を通して大変重要だ」と言っているのにこの程度?
と思われるかもしれませんが、私が実際に就活で必要だったと思える自己分析はこの程度です。
私の場合、残念ながら学生時代までに、就職を見据えて様々な活動をしたり、具体的に社会人としてどう生きるかを考えたりした経験がほとんどありませんでした。
そのため、深掘りしようにもできなかったのです。
様々な本には、必ず約20年間生きてきた中にヒントがあるとして、壮大に人生を振り返ることを推奨しています。
それは正しいことだと思います。
しかし、主体的に社会人としての人生を深く考えて、何かしらの活動として実践することで、はじめてわかる部分も多いというのが実感です。
そんな、私と同じような状態で就活をスタートする人は少なくありません。
だからこそ、社会人になってからは、まだまだ自己分析、自己確立ができていないという認識を十分に持って、
自分が人生で何を選択して挑戦するのか、真剣に考えるべきだと思うのです。
就職して人生がほぼ決まったような感覚は避けるべきです。
最後に 就職した後も継続しよう!
この記事を通して一番言いたいことは、就活を終えれば自己分析は完了ではないということに尽きます。
就活期間だけでは、自己分析はどうせ終わらないから、ほどほどで終わらせればよいと言いたいのではありません。
就職先が決まってゴールではありません。
むしろ自分探しのスタート地点です。
一息ついて、残りの学生生活を謳歌した後には、再度自己分析の長いプロセスに取りかかることが必要です。
それは自分の人生を歩むために必須なプロセスであり、そこからが本番です。
会社に入った後で、会社の雰囲気や方針に流されるだけの人が大変多いというのが、私が12年間サラリーマンをしてきた実感です。
そこには強い意思も、人格の発展も、倫理規範もありません。
個人にとっても日本にとっても幸せではありません。
どんなに就活で内定を取っても、満足のいく就活ができても、社会に出てこのような状態になれば意味がありません。
社会に出て働けば、就活中、もしくはインターン中よりも、感じること、考えることは100倍濃くなります。
そこで改めて、自分が社会とどう関わりたいのか、自分の信念は何なのかを時間をかけて考え、幼少時代から振り返って見ると不思議と新たな発見がもたらされることも少なくありません。
そのように、自分と向かい合い続けることで、本当の価値観、信念を持った人間が出来上がっていきます。
その意味で、自己分析は就活中に完成できなくても当然なのです。
迷いや焦りを感じることもありますが、それが当たり前という認識を持ち、就活に前向きに取り組んでいってください。
以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。
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