もっと必要とされる人、活躍できる人がいる【今の社会でできること】

こんにちは!Jimmyです。

世の中で活躍できる人は、昔よりも格段に増えてよいはずです。

科学や文化が発展すれば、多様性も増します。

 

極端な話、原始時代であれば、男性は狩ができなければ死活問題となっていたでしょう。

文明の発達とともに、生活の質も多様化し、肉体的な力がなくても活躍できる場が増えていきました。

 

そう考えると、今の時代、個性を活かした様々な活躍方法があるのが当然の流れです。

もちろん、事実として、人の活躍の場は大きく広がりました。

一方で、活躍できる人の特徴には、未だに大きな偏りがあるようにも思います。

 

今回は、今の世の中、もっと必要とされる人、活躍できる人がいるということ、

そして、今の時代だからこそできることがあるという趣旨になります。

もっと必要とされる人、活躍できる人がいる

冒頭に述べた通りですが、今の社会であれば、もっと多様な形で活躍できる人がいるのではないかと思います。

しかし、実際は、同じようなタイプの人が活躍している、偏っていると言ってもよいでしょう。

芸術やスポーツ関連のような分野は別ですが、多くの組織では、似たようなパターンがあるのではないでしょうか。

 

日本では、労働人口の約9割が企業勤めです。

企業においては、未だに、画一的な人物像が重宝されているように思います。

 

良い言葉を選ぶとすれば、機を見るに敏、組織内調整能力に長けた人が活躍する印象です。

状況を把握し上手に振る舞える人、顔色を伺うことが得意な人、清濁併せ呑むことができる人。

このような人が、所謂「出世」をしやすくなっています。

 

また、今の世の中、ビジネスという視点でいかに活躍できるかということに重点が置かれます。

巷では、様々なスキルの必要性が説かれていますが、行き着くところは、いかに稼ぐことができるかです。

稼ぐ力を持った人が、活躍する人とほぼ同義となっています。

 

資本主義社会では、当たり前とも言えるのですが、そこには違和感もあります。

豊かな社会、幸福な社会、多様性を受け入れる社会を目指しているはずが、逆行しているからです。

 

上手に立ち回れない、振る舞えない人もいます。

大きな声でアピールすることが苦手な人もいるでしょう。

商売気のない性格の人も珍しくありません。

しかし、それだけで、組織に順応できない、稼げない、つまり活躍できないとみなされてしまいます。

結果的に、貢献しない無価値な存在と判断されるのが恐ろしいところです。

単一的な価値基準のもと評価され、活躍できなければ精神的にも苦しくなります。

 

権謀術数に長けたというより、そういうことが好きな人もいるでしょう。

また、多くの人は、何とか流れに乗り、置いていかれないように振る舞うことができます。

しかし、ついていけない人にとっては、非常に苦しい現実が広がっています。

 

社会は豊かになったはずが、精神疾患者数は増え続けています。

本来いるべき場所、活躍するべき場所を間違えたと言うべきか、その選択肢が少ないと言うべきか。

いずれにせよ、幸福感を持てない人が多く、実際にその社会的配置を残念に思うことがよくあります。

 

稼げないから、上手に立ち回れないから、不本意な立場に追いやられれている人、

うまく適合できていないと悩む人もいるようです。

活躍の場を失っている人の事例は少なくありません。

 

活躍の場を広げるためには何ができるでしょうか。

一筋縄にはいきませんが、できることはあるように思います。

必要とされるお金・事業・思想という考え方

キリスト教思想家として知られる、内村鑑三(1861-1930)の講義の内容をまとめた「後世への最大遺物」という本があります。

その中で、内村鑑三は、後世へ残すべきものとして、3つ挙げています。

それが、お金と事業と思想です。

 

まずは、お金です。

もはや説明は不要かと思いますが、生活をするにも、社会の役に立つにも、お金を残すことは重要です。

ただし、そこはキリスト教思想家です。

お金を稼ぐことを手放しに賞賛しているわけではありません。

世の中のために役立つからこそ必要であるとしています。

ビジネスで稼ぎ、残したお金で孤児院を建てるような事例が紹介されていますが、それでこそ残す意味があるということです。

一方、才能がなければ、お金を残すことは難しいということもきっぱりと述べられています。

 

そこで次に来るのが、事業です。

お金を残す才能がなければ、事業を興してそれを残せばよいとしています。

内村は資産家と事業家を分けて考えていました。

ただ、当然ながら、事業をするにも才能が必要です。

さらに、社会的地位や境遇にも恵まれる必要があるとも指摘しています。

つまり、こちらも、すべての人ができることではないということです。

 

そこで3つ目の「思想」にたどり着きます。

お金を稼ぐ才能もない、事業を興せる才能や社会的地位もない、仲間もいない。

それでも思想は残せると内村は言います。

具体的には、自分の思想を文字として書き残すか、もしくは他者に教えることです。

これは誰にでもできます。

その教えを受け継いだ才能のある人が、素晴らしい事業を興し、よいお金の使い方をしてくれることに繋げるというわけです。

社会に変革を起こすことになる可能性もあるでしょう。

 

事実、思想家たちが残した考え方が、後世になって勉強され、社会を変えていったという事例は少なくありません。

新約聖書は、ユダヤの名もない漁夫たちが残したものであり、

フランス革命の基になった思想も、当時は無名の思想家ジョン・ロックによるものでした。

新約聖書にせよ、ジョン・ロックの思想にせよ、今でも多くの人に学ばれています。

残すのではなく、今発信

内村鑑三の講義では、後世に残すべきものというテーマで語られていました。

後世に残すことができれば、それは確かによいことですが、本来、今の自分がいるうちに何とかしたいものです。

残して後世に託すのではなく、今の自分も含めてできることを考えるべきでしょう。

 

そう考えると、今の時代は、思想を発信し、他者と繋がることは、内村鑑三の時代よりもはるかに容易にできることに気づきます。

内村は、本に残すか教えることを勧めていましたが、今の時代であれば費用をかけずに発信し、人と繋がることができます。

後世まで待たずとも、今発信し、他者と繋がり、行動を起こしていくこともできるはずです。

 

ここで言う思想とは、ジョン・ロックのような哲学者レベルの系統立った思想である必要はありません。

今の世の中で考えていること、変えていくべきこと、社会のためになること、些細な気付きなどでもよいでしょう。

 

個人的な感覚にはなりますが、現代組織で活躍する機会が少ない人の中にも、面白い思想を持っている人は多くいます。

上手に世渡りし、立ち回る人や、お金を上手に稼ぐ人よりも、興味深い思想を持っていることもあると思います。

その思想が、誰かの役に立ったり、影響を与えたりすることもできるはずです。

 

先ほども述べましたが、策略家のようなことが上手な人、好きな人もいる反面、まったく肌に合わない人もいます。

そして、大多数の人は、好きではないものの、何とか流れに乗って、体裁を整えている人たちです。

この大部分の層は、新しい考え方に対して、大きく響く可能性も、共感する可能性も秘めています。

 

ますます複雑化する世の中を象徴するかのように、ポスト資本主義をめぐる議論や、環境問題が深刻化しています。

これまでのように、上手に取り繕い、稼ぐことだけが評価される時代も終わりを迎えようとしています。

 

それに伴い、今後は社会運動や、市民レベルの団体、活動なども増えることでしょう。

選挙を見ていても、内容や本気度は別として、以前よりも多様な主張が繰り広げられるようになりました。

 

世界を見ても、BI(ベーシックインカム・最低限の所得保障)を試験的に導入する動きも増えてきました。

こういった試みが、市民を中心に提起され、実現していくことは、日本でも十分考えられます。

当然、難しい問題もありますが、営利活動に向かない人の可能性は大いに広がるでしょう。

より自分らしく、創作活動や情報発信活動に力を入れることができるなどのメリットも考えられます。

 

こういった動きが活発化すれば、次の社会システムに関する議論も、さらに活性化することが期待できます。

世の中に対して、お金で貢献する、事業で貢献するだけでなく、思想で貢献するという方法も視野に入れるべきでしょう。

最後に

多くの組織において、上手に立ち回る人、稼ぐ能力を持っている人が重宝され、活躍している現実があります。

しかし、そういった単一的な価値観だけでは、様々な複雑な問題を解決できないような局面に来ているように思います。

 

本来、多様化した世の中であれば、活躍の仕方も多様にあってよいはずです。

お金を稼いだり、事業を興すには、才能などの要素も必要になりますが、思想については、誰でも発信できます。

大多数は、今の体制に大きな納得感をもっているわけではありません。

変化の時代だからこそ、思想を発信できる人が必要とされる時代なのではないかと思います。

 

以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

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