こんにちは!Jimmyです。
「どんな人間になりたいか」
「どんな人間でありたいか」
このような問にどう答えますか?
色々想像は広がると思いますが、多くの人は、仕事で活躍する自分を思い浮かべると思います。
もう少し突っ込めば、「デキる人風ビジネスパーソン」で、裕福な自分像を描く人も多いかもしれません。
今回は、そのような思考に一石を投じます。
なりたい自分像なのですから、何よりもまずは、人格について考えるべきでしょう。
「デキる人志向」だけだと、中身のない空虚な人になりかねません。
実際に、そのような人が多いように感じます。
その弊害は、自分ばかりか他者のエネルギーも奪うことになります。
自分の目指す姿を考えている人に向けて、中身のないデキる人志向から離れてみることをお勧めします。
なぜ「デキる社員風」をイメージしてしまうのか
将来のことを考えるときがあると思います。
就活の時、転職の時、年末、誕生日などの節目の時、行き詰まった時、
まとまって考えることがあるのはこういった時ではないでしょうか。
そういった時に決まって考えることは、どのような仕事をしていてどれくらいの収入状況であるかです。
どんな人間になりたいか、どう生きていきたいかというより、
どう生活を安定させるか、どうキャリアアップするかということです。
そして、多くの人が、同じような「デキる社員風」のイメージを持つのではないかと思います。
サラリーマンが多いため、当たり前かもしれませんが、
ついでに言えば、都会のビルの間をコーヒー片手に通り抜け、ランチミーティングに勤しんだりする姿もあるかもしれません。
最近で言えば、スーツではなくても、AIを駆使したテック企業などでスマートに働く姿でしょうか。
目指す姿がそこなのか?
おせっかいですが、このような疑問を持つべきではないかと思います。
なぜ、目指すべき理想の姿に、仕事と収入、それにつられて、デキるビジネスパーソン風を思い浮かべるのか。
それはイメージ戦略によって出来上がった像をそのまま取り入れているからに他なりません。
外資系、IT企業やコンサルタントファームのイメージが強いのです。
日本人にとって憧れとなりやすい、優秀な人間像を流しているのです。
「どうぞかっこいいと思ってください!」という意図に、快く応じている人が多いのです。
ただ、そんな幻想イメージだけを追いかける必要がどこにあるでしょうか。
形だけを見て取り入れる悪い癖
特に私たちの世代(30代から40代くらい)ではかなりイメージが強いかもしれませんが、
今の世代でも大きく影響を受けているのが、外資系コンサル会社や欧米ビジネススクール発信の考え方です。
問題解決アプローチや、バリュー、イシュー、クリティカル。
そのようなことを考えて効率を上げて、成果を上げている集団があることも事実のようです。
外資系コンサルなどは、そのようなノウハウが蓄積され、社員にも浸透しているのでしょう。
色々と本も出ていたりするため、さぞかし意味のある、どこでも通用する内容なのかと思うかもしれません。
個別の契約は知りませんが、日本を代表する企業が、そのようなコンサル会社に年間いくら払っているでしょうか。
1社数千万円から数億円、場合によっては数十億円を費やしているケースも珍しくありません。
考え方やフレームワークは、理論的で素晴らしいのかもしれませんが、
形だけ真似して、もしくは形だけ導入させて、そこにいる人たちの思考が変わらないなら意味がないことを示しているように思います。
少なからず、人は形から入って、重要な本質を見ない傾向があります。
なりたい自分像を考えるのに、デキる社員といった見栄えのところにこだわって、肝心な中身が伴わないのです。
世界を席巻する優良企業は何が違うのか?
どんな人間になりたいのか、どう生きていくかはもっと自由に柔軟に考えてよいはずです。
そんな人が、サラリーマンという立場になっても、結果的にかっこよく、理想的に行動できているということではないかと思います。
例えばGoogleのような、社員のレベルが高いと言われている会社を考えればわかりますが、
社員一人一人の目的意識が高く、会社とは独立したところでも個人の使命感で動いているということが重要です。
(もちろん、それらをまとめるリーダー層の資質の高さもあるでしょう)
自分の役割を考え、社会を変えたいと言う使命感と情熱を基本的に備えている人、自分の信念や生きがいを持っている人。
そんな人が集まっているから、Googleはあのような自由な体制が成り立つのだと思います。
自分の信念のない人はそもそも採用されないと思いますが、もしそこにいたとしても効率が上がることはないのです。
信念のない人、何となくかっこよくありたい、自由な感じで働きたいと言う人は、
「自由=サボる、楽をする」と言う発想になりやすいと言えます。
だから、多くの日本企業が真似をしたら、まず機能しないでしょう。
結局自分の特性だとか、あるべき姿を考えずに、何となくかっこよさそうな方に流れていくのです。
その結果、本質的な自分の中の問題を考えずに、
「イシューから入ろう」とか、「論理的で冷静沈着な人であれ」という言葉だけが踊るようになります。
効率的に動いて無駄をなくす、目標や求められることを理解しようと考える力は備わっているのかもしれません。
そして、そのような人が集まると、偏った金儲け主義に走ったりするわけです。
そういう人が発する言葉には、胡散臭さを感じます。
だからなのかはわかりませんが、事実、コンサルタントなどは胡散臭いとよく言われます。
デキる社員風の代表格で、憧れの的になりやすいコンサルタントなどは同時に、胡散臭い代表格にもなってしまうのです。
信念もないまま「デキる社員風」に憧れている人こそ危険です。
倫理観のない、危うい社員になって、横暴になるか、人格が衰退していくか、権力の虜になるか、
または指針をなくして彷徨うことになるからです。
どんな人間になりたいかは自分の正義を見つけること
どんな人間になりたいのか?
もう一度考えてみます。
よくある回答を見てみます。
「影響力のある人間、社会貢献できる人間!」
・・・それは当たり前で、ほとんどの人がそう思っています。
「人と関わる自分でいたい!」
・・・それも当たり前で、人が関係しない仕事はありません。
「成長できる、お金持ちになる!」
・・・またまた当たり前で、金銭欲も承認欲求も誰もが持っています。
表面的なことではなく、どう具体的にインパクトを与えるのか、自分の特性や使命について考える必要があります。
ポイントがあるとすれば正義のあり方です。
自分の正義を認識して貫くことを意識したいものです。
できる社員像に重ねる自分は、見栄えの部分です。
影響力だとか、成長だとかお金だとか、誰にでも共通する当たり前の部分です。
そうではない、もっと自分の人間像に即した、個性的な人格は他にあるはずです。
何をするかという意味で、職業や収入も大事ですが、どういう人格であるかを考えることも重要です。
それをしないまま、キャリアプランだけをあれこれ考えては悩んでいる人がいますが、そのままキャリアの奴隷になる危険性が高いでしょう。
つまり組織に隷属するか、さもなければ金銭や権力に隷属することになるでしょう。
自分の人格をどう評価するか、家族、友人、周りの人からどのように思われている存在なのか、
そのためには何をすればよいのか、自分の使命とは何なのか、そこをよく考えてみることが必要です。
そうすれば、今自分のある資源をどう使うべきか、どこを伸ばしていくべきかが見えやすくなります。
「できる風」から離れて、より具体的な社会貢献のイメージや、人格を想像できるはずです。
このことは、学生の頃からでも、社会に出てからでも絶えず続けていくことが必要です。
高い能力の背景には個々の正義と信念あり
先ほどGoogleの例で考えてみましたが、
個人的な信念や使命感を持っている人たちが集まるからこそ、機能すると言いました。
もう少し付け加えるとすると、高い能力の背景には信念があるということです。
Googleなどの最先端の好条件の企業に採用される人は、スキルも高いことが当然求められるでしょう。
創業時から、世界中から技術力でトップを誇る人をスカウトしていたのは有名な話です。
スカウトされる人になるためには、
つまりトップクラスのスキル、技術力を身につけるためには、それこそ使命感なり、大きな信念、志が不可欠です。
学生の頃から深く考え、自分のブレない軸を形成し、自分を磨いてきたからこそのスキルというべきでしょう。
一つ例をあげます。
最近日本語版で発売された、『マインドハッキング』という本があります。
Googleの社員ではありませんが、著者は、1989年生まれのデータ技術のスペシャリストです。
本書は、自身が関わった組織での情報操作を告発した内容になっています。
Facebookの個人データを取得、そしてプロファイリングによる情報操作の狙い撃ち。
これにより、多くの人々のマインドを意図的に変えてしまった。
そして、その結果としてのトランプ大統領誕生と、Brexit(少なくとも大きな影響を与えた)ということです。
この告発は世界に衝撃を与えました。
法的にも倫理的にも罪の意識を持ち、自らが所属する(していた)組織のことを告発するに至ったようです。
一方、マインドハッキングの事実以上に私が気になったのは、この著者が有能なエンジニアや政治家、投資家など、若くして色々な人を巻き込んで、影響を与えていることです。
当時、20代前半で会える相手、抱えるプロジェクトとしては驚異的なのです。
結局、著者を中心に立ち上げた組織は、よくない方向へ向かってしまったのですが、
これほどの技術力と影響力を持つ20代の若者とはどんな人物なのか気になります。
(だから本を読んでみたのですが)
昔からコンピューターに興味があったことは確かなようですが、
選挙などのデータ分析のスペシャリストになった背景には、政治への強い関心と使命感があったことがわかっています。
選挙ではデータ戦がいかに必要か、そして選挙の先にある政治というものがいかに重要であるか。
そのことを少年時代の経験(※)から信念として強く持ち、それがあってこそ、データ分析にのめり込んでいった、
そして、関連する心理学的思考なども学びながら、一目置かれるようなスキルを手に入れていたということです。
著者が言うには、データ分析の技術で社会(政治)に貢献することを志していたことがわかっています。
過激派対策など、オンライン上の脅威から民主主義体制を守る一助になるという目的意識があったようです。
単にコンピューターが好きで、いじっていたというレベルでは、到達できなかったレベルであると言えます。
生きていく道にしても、必要なスキルにしても、信念ありき、自分の使命感ありきで考えることがいかに大切であるかがわかります。
まとめ
どんな人間になりたいか、
この問いに対して、デキるビジネスパーソン風のイメージを持って、こうなりたいと憧れるのはよしましょうというのが今回の趣旨です。
中身が伴わないからです。
なんとなく見た目も、働いている内容もクールに聞こえる。
効率的に時間を使い、価値を世の中に送り続けているといった言葉が飛び交っていますが、そんなイメージの世界に惑わされる必要はありません。
本当に、価値を導き出すのであれば、本人の人格、信念からくる情熱と使命感がなければ不可能でしょう。
信念あってこその正しい努力とスキルです。
羨望の眼差しを集めている、最先端企業の社員の多くは、高いスキルを持っていますが、
それは、自分の正義に基づき、信念、使命感を見つけて、努力してきた結果です。
その表面的なかっこよさに憧れているだけの人が、Googleのような働き方を許されても、成果などでないでしょう。
自分にとっての正義とはどんなものか、
自分の人格としては、周りからどう思われて、どのように振る舞う自分があるべき姿なのか、
そのために何をすればよいのか、どんなスキルを伸ばしていくべきか、
そのような順序で考えると道が開けやすくなります。
自分の今のキャリアと生活維持という目線で考えると、なかなか見出せないと思います。
是非、デキる社員像から離れて、どんな人間になりたいのか、思いっきり考えてみることをお勧めします。
以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。
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