時代遅れの大企業で働くデメリットを見極める

日本の大企業で働いた経験から出てきた疑問

こんにちは!Jimmyです。

最近、大企業の不祥事が目立っています。

経済状況もよくない上に、見通しも立ちにくい状況が何十年も続いています。

今までのやり方が、限界にきているのではないかと認識されることも多くなりました。

 

今回は、時代遅れとなった組織の特徴や考え方、そしてそのような組織にいることのデメリットについて、私自身の経験を踏まえて紹介していきます。

 

現在でも、日本を引っ張り、経済を支える大企業が多く存在していることは疑いようのない事実です。

一方、末端で働いていた立場から見ても、組織運営や考え方が通用しなくなっていると感じる部分が多々あります。

 

企業は、品質向上やコストカット競争をほぼやり尽くしており、人にかかる負担が年々増しています。

そんな中で、働いている従業員が、どれほど幸福感を持っているのか大変疑問でした。

 

今、20代の人なら、これから30年、40年と社会で働くことになるはずです。

自分が所属する組織と、自分の働き方、生き方を考える上で参考になれば幸いです。

デメリット①上下関係、年功序列

上下関係と年功序列による身分制度

日本の企業は年功序列と言われます。

概ね年齢に従って役職が上がっていきます。

 

実力主義を導入しているところもありますが、今でも多くの大企業では実態は年功序列です。

今の時代、実力主義を必要とする風潮にありながら、根強く年功序列の慣習が消えないのは、根底にある上下関係へのこだわりです。

 

私が社会人になったばかりの頃を振り返ると、何よりもまず強烈に違和感を覚えた光景。

それは、職場の人は誰もが、上を気にしすぎていることでした。

 

組織ですから、評価者・被評価者の関係もあります。

つまり給料にも直結します。

 

上司を気にすること自体は当然であり、悪いことではありません。

上司が期待していることを考えて行動することは、部下として必要なことです。

 

ではなぜ強い違和感を感じたのか?

対照的に、後輩や部下に対しては、驚くほど思慮が不足しているからです。

むしろ、人とも思っていないのではないかと思うこともありました。

 

後輩は先輩の言うことを聞いて当然という文化が、不文律として根付いていました。

学生の頃、体育会系の部活に所属していた人からすると、当然の文化なのかもしれません。

 

先輩や上司から話しかけられると、座っていた席を立ち、威勢良く「はい!」と言って話を聞く姿勢になります。

実にきびきびした動きです。

 

一方、後輩から話しかけられても、パソコン画面を見たまま目も合わせようとしません。

人によって差はありますが、概ねこのような人がどの職場にもいます。

 

役職の上下により対応が異なるのは、ある程度仕方ないことだと思います。

命令系統は必要です。

その方が合理的なこともわかりますが、二重人格ではないかと思う人もたくさんいます。

それには、大きな違和感を感じたことを覚えています。

本来あるべき上下関係の域を超えた、身分制度のような組織が現在の大企業組織には多い。

 

日本企業における上下関係の致命的な弱点

問題は、下の人間の意見や考えを、上の人間が聞くということ自体、文化として乏しい状態になっているということです。

上からの指示に従うことがほぼ全てです。

 

それで組織が最高に機能するのなら、百歩譲って良いと思います。

組織として統制が取れるという利点もあります。

 

もっと言えば、大先輩である上司は絶対の存在になります。

大きな組織、つまり大企業における役員と平社員の差ということになれば、それはもう天と地ほどの差があります。

天地の差を前提とすれば、上から下への命令系統は実によく機能します。

 

しかし、実際に能力や知見に天と地の差があることはありません。

役職や年齢が上の人間が、全知全能であることはあり得ません。

いつも役に立つとは限りません。

それどころか、現場の感覚から遠ざかるという決定的な弱点もあるのです。

 

特に、最前線(現場)の状況は日々変化します。

昔は年長者の経験や知見が、意思決定において大いに役立つ時代もあったのかもしれません。

 

しかし、今では弊害になることが多いというのが大企業で実際に働いた正直な感想です。

当然、決定権のある役職まで昇進するのには、非常に長い時間を要します。

自分の成長スピードも限定されるという見方もできるでしょう。

 

何より、現場の若手社員の「考え方」に悪影響を及ぼします。

現場で感じた、変えたほうがよい方針、手法などは、上司に提言しても無駄であると思えば、考えることが減り、モチベーションも低くなる可能性があります。

 

実際、提言したところで、「それは言い訳だ!努力が足りない!成果を出してから言え!」と言われることが多いのです。

 

✅現場の最前線に落ちている改善のヒントを見落とす。

✅コミュニケーションを阻害し、現場のモチベーションも下げる。

 

あわせて読みたい

私が実際に働いて感じた大企業の弱点は、第二次世界大戦時の日本軍組織の弱点そのものです。

何十年も変わらない日本組織の失敗の本質を鋭く指摘する本を紹介しています。

「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本組織の致命的な弱点 

デメリット②現場離れの方針、トップダウン

通情、現場には経営幹部はいません。

日々最前線で働いているのは、中間管理職くらいまででしょう。

役職が上がるにしたがい、よほど意識して行動しない限り、現場感覚はなくなります。

 

その点からも、現場とマネジメント双方で意見交換を行われることが望ましいのですが、あまり見ない光景と言えます。

 

上の人間は、下の人間の言うことを”真正面から”受け止めようとはしません。

下の人間は、上の人間に意見具申をすることをためらうようになります。

そして、多くの場合、”考えなく”なります。

 

戦略や方針や希望について考えることを停止します。

上の人の意向をいかに忖度するかが、重要なミッションになりかわります。

今の大組織は、このような状況が多いのではないでしょうか。。

 

大企業の多くは、組織づくり、組織の環境づくりにおいて、最前線の人が参画することはまずありません。

そして経営戦略は、本部の重役の間で決められます。

そしてトップダウンで御触れが出されます。

 

方針や、時にはスローガンとして示されることがありますが、上と下の感覚が違いすぎているため、形だけのものとなります。

生きたスローガンにはなり得ません。

もし、上の人が現場まで降りてきて、方針の背景や大切さを説いて回るのであれば、理解することができるかもしれません。

あるいは、より高尚な視点に立って考えることができるかもしれません。

 

しかし、往々にして現場では、それを形だけのものとして受け取ります。

トップから現場に来るまでに、間にいる人たちの忖度が入り、形を変えて伝わることもよくあります。

 

最終的に、現場でやることは、「自分が所属している部門の体裁を保つこと」になってしまいます。

本質的なことは問題ではありません。

形が問題になります。

いかに示された方針通りに動いているかを「見せること」が仕事になります。

 

組織が大きいほど、このように役員から平社員までの意識の乖離が発生し、意思疎通が取れない状態になりやすいと言えます。

一方通行の組織です。

 

部門単位のミクロな視点で見れば、所属する部門の先輩後輩の上下関係になります。

言われてやることが当たり前になると、このような弊害が起こります。

 

現場発信、ボトムアップがある程度機能しなければ、変化の多い時代、対応できるはずはありません。

 

こんな話がありました。

 

10年以上前に、ある海外の現地法人の代表者として、現地に赴任していた役員がいます。

年に数回、出張をして現地を訪れることはあっても、基本的に今は日本にいます。

 

赴任していた頃は、現地法人を成長させて軌道に乗せた実績があり、トップからは高く評価されていました。

そのためか、会社のトップは、「その地域のことでわからないことは彼(その役員)に聞け!」と全面の信頼を置いているようです。

 

しかし、その人が現地にいたのは10年以上も前です。

変化の激しい時代、もはや昔話の領域になります。

 

昔の経験から学ぶことも多いことは事実です。

しかし、あまりにも現場から離れている人の意見を尊重し過ぎるのはおかしな話です。

今を知らないわけですから。

 

トップがそんな風に考えているのは危険です。

事実、そのような組織では、現場発信の意見がなかなか通らず、時代錯誤の方針が打ち出され、それに従わざるを得ないという状況が続いています。

 

ポイントは、変化が激しい時代ということです。

5年も経てば、もう全く違う世界になっています。

少し前の時代ならよかったのかもしれませんが、これからは益々通用しなくなるでしょう。

 

✅ボトムアップのない一方通行な組織の弊害は、現場にそぐわない使えない方針を生む。

✅変化の激しい時代だからこそ、双方向の意思疎通が必要。

 

デメリット③縦長組織の弊害と余計な仕事

先ほども書きましたが、現場発信はどうしても必要になります。

そして、柔軟な意思決定ができなければ時代に取り残されることになります。

 

大きな組織になればなるほど、組織が縦長になることはある程度致し方ないことだと思います。

一人の管理職が何百の拠点を管理することはできません。

そのため、担当者から役員クラスまでの報告ラインは、大変多くの登場人物がいます。

 

しかし、そのことと、下からの意見が通じない、風通しが悪いこととは別問題です。

差し迫ったことであれば、直接担当している部署からトップや、それに次ぐ役員にまで話がいってもよいはずです。

(もちろん、より権限の大きい役員が、直接現場の声を聞きにいくことも、何も悪いことはありません)

 

それができないのは、間にいる人がいてヘソを曲げるからです。

「自分を飛ばすなんてとんでもない!」となるわけです。

 

「報告の順序を飛ばすと、情報共有が組織全体になされず、いざという時に組織として動けないからよろしくない!」

もしくは、「上の人間は忙しいのだから、上が本当に聞くべき話かどうかは、間の管理職が判断してから報告に来るべき!」

そのように言われることが多いのですが、果たしてそうでしょうか。

 

前者について言えば、情報共有などは今の時代いかようにでもできます。

メールや記録を残して、いつでも閲覧できるようにすればよいわけです。

件数が多くて、全てを見ていられないのであれば、重要度で区別してもよいでしょう。

 

それを閲覧せずに、直越報告を受けていないから知らぬ、存ぜぬと、ヘソを曲げるのは怠慢であり、自分本位でしかありません。

直接報告に来ないとすれば、多くの場合、部下にとって必要性がないからでしょう。

 

下の人間からすれば、重要な案件や、リスクのある案件は不安です。

早めに報告して共有して、仲間を増やしたいはずです。

 

もしその上司に、どうしても直接報告する必要性があると思えば真っ先に行くはずです。

ラインにいるのだから、そして自分が上司なのだから、先に報告に来るのが当然と思っているから肝心な対応が遅れてしまうのです。

 

これは、現場の担当者からすると、本当にやきもきする作業です。

間に入れたくない上司に事細かく説明した挙句、的外れな指示が出されることはよくあります。

 

多くの場合、今ある情報だけでは、とてもその上に報告できないから、もっと情報をまとめてからよこすように言われます。

 

的外れな作業が増えるだけです。

これこそが、”報告をする上司のため”だけの作業です。

 

これが何段階も続けば対応が遅れに遅れて、余計に厄介なことになります。

間に入る上司が優秀な人間であれば本当に助かりますが、そうでない上司もたくさんいます。

 

結果、何かを決定したり、決裁をとったり、方針を変えたりすることに対して莫大な時間と労力を費やすことになります。

何より精神的によくありません。

縦長組織がそのまま報告ラインとして義務付けられることで、方針決定は遅れ、現場の作業効率も落ちる。

 

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新たな試みで局面を打開する大企業の例

大組織の弱点を認識した企業はすでに動いている

資金力や、社会的信頼性、影響力は大企業の武器であり、長年かけて築いてきた価値です。

これは、他の企業が一朝一夕に真似できるものではありません。

現在でも、強みとして残っています。

 

しかし、これまで述べてきたように、大きい組織ゆえの弊害も発生しやすい状況もあります。

ニュースを見ていると、一部の大企業は新たな試みをして、大組織の弊害を打開しようとしていることがわかります。

 

”考え方”の大きな変革が必要だと認識されている証拠です。

旧態依然とした状態であることにリスクを感じ実際に動いているのです。

 

P&Gの場合

何でも欧米に倣うのが良いとは思えませんが、例えば、アメリカのP&G社などは代表的なグローバル大企業ですが、意思決定に全世界横断的な仕組みを導入しています。

 

ある事業部門が企画を考えた時、素早く関係部門(例えば、財務部やIT部)を招集して会議を行えるようになっているようです。

国を跨いでいても、資料のデータ形式が標準化されているため、素早く各部が同じ目線で会議に参加することができます。

 

重要なのは、それぞれの組織、部門の責任者の了解を取らずに招集をかけることが可能ということです。

 

国や組織の壁を超えた議論が可能になり、判断のスピードも効率もアップします。

何より、企画を考えようという意欲を社員が持つことができます。

 

Googleの場合

Googleでは、TGIF(Thanks God it’s Friday)と呼ばれる集まりを設けました。

毎週金曜日に、社員と経営陣のコミュニケーションを取る機会を設けるというものです。

 

社員から経営陣に直接質問することも可能であり、経営陣から、実施した福利厚生制度などについて社員の生の声を聞くことも可能です。

 

双方のコミュニケーションの場として活用されており、本社CEOも参加するようです。

 

日本企業の一部にも広がる危機感

日系企業でも、意思決定の迅速化を目的としたカンパニー制度を取り入れる企業や、

経営陣とのコミュニケーションの場を設ける試みなどを実施している企業も増え始めています。

このような会社が今後どんな成長を遂げることになるのかわかりませんが、注目すべき取り組みです。

 

さらに言えば、信頼というものが大企業だけの特権でなくなるかもしれません。

現在進行形で新たな信頼の形が築かれようとしています。

 

個人であっても、実績や信頼性を見える化することが一般的になるかもしれません。

わずか先の未来も大きな変化の時代では見通しを立てづらい状況です。

 

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大小問わず、変化の時代に、進んで変化のための施策を打って出る組織もあれば、そうでない組織もあります。

今、自分がいる組織はどのような組織でしょうか。

 

もし、旧態依然とした組織にいるのであれば、

いつか来るかもしれない変革を待つか、

或いはそのまま安泰であることを祈るか、

はたまた新たな可能性へ飛び出すか、

重要な選択について、個人個人が考える時がきていると感じます。

 

経済環境としては、楽な時代とは言えません。

おまけに貧富の差が広がり続けている現状も踏まえて、今後も楽観視できる状態にはありません。

 

激しい企業間の生き残り競争の中、コストカットや、価格競争、品質改善をやり尽くした場合、次に必要なのは、革新的な変化しかありません。

 

それには現場発信、さらには円滑な意思疎通、高いモチベーションが必要です。

旧来型の組織体質では、たとえ大企業であっても苦境に立たされます。

 

残された選択肢は、倫理観の欠如による不正や、人を不当に酷使することに繋がるのではないかと思えてなりません。

 

最後にもう一度、自分がどう動くべきなのか、自身でしっかり考える必要があるのではないでしょうか。

 

以上、ここまで読んでいただいてありがとうございました。

 

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