中途採用比率の公表義務化で変わること、若手や転職者にとって何が追い風?

こんにちは!Jimmyです。

2021年4月から大企業に対して、中途採用比率の公表が義務付けられることになっています。

企業の中でもあまり認知度が高くないようですが、この法改正によってどんな変化が考えられるのか、

若手社員や転職希望者にとってはメリットが大きいと言えます。

今回は、現状の弊害と、法改正によるメリットを中心に紹介します。

中途採用比率の公表義務化

労働施策総合推進法改正により、2021年年4月から、従業員301人以上の「大企業」に対して、正社員に占める中途採用の割合の公表を義務付けられることになります。

この法改正の背景としては、厚生労働省の発表した資料によると、概ね二つ示されています。

 

法改正の目的

✔️高年齢者の雇用・就業機会の確保

✔️中途採用に関する環境整備

 

人生100年時代となり、65歳以上であってもまだまだ働ける力と意欲がある人が今後ますます増えていくことが見込まれます。

 

厚労省の資料には書いてありませんが、もう少しストレートに言えば、

働ける人には働いてもらって、厚生年金や国民年金を負担してもらいたい

そのために中途で採用する企業の環境を改善する必要があるという政府の認識でしょう。

そのような人たちの、就業する機会を確保するために、企業に中途採用比率を意識させようということです。

 

もう一つは、高齢者だけに限らず、中途採用に対するニーズが高まっていることがあります。

転職という行為が以前よりも当たり前となっていること、

就職氷河期世代が就業する機会を確保すること、

複雑化する世の中にあり、労働市場から高度な技術や専門性、経験を有する人材を確保するニーズが高まっているという背景があります。

 

つまり、公表することで、大企業の中途採用比率を高めること、人材の流動性を高めることを企図していることがわかります。

世間の目に晒されることで、中途採用比率が低い大企業も、自発的に中途採用を意識するようになるであろうことを狙っているということです。

全体としての中途採用比率だけではなく、年齢構成別の比率などの公表も促しているようです。

新卒比率が高すぎることの弊害の現状

新卒一括採用という仕組みは、全世界で見ても非常に珍しい日本独特のシステムであると言えます。

政府の意図とは別に、日本が長く続けてきた新卒一括採用と、新卒採用社員の比率が高いことによる弊害について以下に示します。

 

大企業ほど新卒重視

まず、大企業ほど新卒を重視しており、流動性が低くなっているという現状があります。

業種や個社毎の特徴にもよりますが、全体的に中小企業に比べると中途採用比率が低いと言えます。

 

厚労省の資料によると、従業員300人未満の中小企業の中途採用比率は7割以上であるのに対して、従業員5000人を超える大企業では4割に満たないという結果があります。

 

大企業の中でも、ほとんどを中途採用で構成されている会社もありますが、金融、インフラ系などでは新卒比率が90%を超える企業も多く、中には100%という会社もあります。

 

ほぼ中途採用の門戸を閉ざしている企業も大企業では少なくありません。

私の印象になりますが、大企業ほど新卒採用した人材を重宝し、中途に厳しい(門戸、待遇ともに)会社が多く見受けられます。

 

思考の硬直化と多様性の欠如

大企業を中心とした中途採用比率が低い企業、人材の流動性が低い企業は、基盤が安定しているという見方もできますが、今の時代ではデメリットも大きくなっています。

どうしても新卒から、つまり真っ白な状態から企業文化を経験することになるので、その企業に染まりやすいと言えます。

周りも同じような環境で同じような教育とキャリアステップを経ているため、考え方や価値観も似たようなものになっていきます。

 

企業独特の文化を当たり前として考え、疑問を持つ余地が少なくなります。

そして、大多数がよしとしている企業の価値観に反するような言動をする人、少しでもズレているような人に対しては徹底的に矯正するか排除するようになります。

 

全体としては、時代の流れに合わせて、ダイバーシティー(多様性)推進と公言しながら、

実際は排他的で硬直的な価値体系から抜け出せない大企業は少なくないように思います。

 

年功序列体制と年次という軸

最大のデメリットは、年功序列体制と年次という軸に縛られることです。

新卒採用社員が多く、組織の価値観や人材が硬直化すると、年次という軸で上下関係を定めるのが都合良くなります。

 

そうなると、役職は勝ち取ったものではなく与えられたものになり、「名ばかりリーダー・管理職」が発生します。

名ばかりリーダーは、役職が上がるほど働かなくなる人、楽をしたい人であることが多いのが特徴です。

そのような人が管理職になれば、非効率な組織となります。

事実、先進国の中で日本の労働生産性が数十年連続で最低なのは、日本のこのような組織体制が影響していると言わざるを得ません。

 

若手のやる気も自主性も発揮されることは少なくなるでしょう。

日本企業の若手社員で、キャリアの目標がない社員が約7割もいて、

仕事に高いモチベーションと貢献意欲がある人はわずか7%という調査結果もあるほどです。

 

世界と比べて突出して生産性が低く、モチベーションも低い状況を鑑みれば、日本独特の組織体制に問題があると考えるのが自然の流れでしょう。

公表義務化でどう変わるのか?

上の段で示した通り、現状の組織の弊害を考えれば、中途採用比率を上げていくことは、望ましい結果をもたらす可能性が高いと思います。

以下に、今後どう変わるのか、それぞれの目線で考えていきます。

メリットとデメリットで表記しようかと考えましたが、人の考え方によってはどちらにもなりうる表裏一体のものであることから、事項だけを列挙することにしています。

 

新卒者の視点

  • 多様性が受け入れられる企業を選ぶ基準ができる
  • 硬直的な価値体系になりにくい
  • 転職を前提とした生き方を検討しやすい
  • 新卒採用枠の削減

 

中途採用比率を大企業が全て公表することになれば、比較をすることがより容易になります。

中途採用比率が低い企業よりも高い企業の方が、多様性を受け入れる土壌ができている可能性は高いと言えます。

 

硬直的な価値観を嫌い、変化や多様性を受け入れる企業を選びたい人にとっても、伝統的な年功主義の社風を選びたい人にとっても一つの大きな目安となるでしょう。

 

また、中途採用比率を公表させることの政府の意図と時代の流れから考えれば、

中途採用比率を増やす方向へと動いていく企業が多くなっていくはずです。

新卒で入った会社にずっと勤めるという運命共同体のような覚悟で臨む必要はなくなります。

 

一方、低成長が続く世界にあって、企業が中途採用比率を上げようとすれば、自然と新卒採用の枠を削減する流れにも繋がる可能性は高いと言えるでしょう。

 

転職者の視点

  • 転職市場がより活発になる
  • 比率を見れば、多様性の推進度合いがわかる
  • 活躍の場と可能性が広がる(中途採用者の冷遇が減る)

 

中途採用比率を高めようとする企業が増えることが予想されるため、転職市場は大きくなるでしょう。

転職する窓口と機会が増える一方、これまで転職に消極的であった人たちの意識変化が進めば競争は激化することになるかもしれません。

 

そうなれば、管理職などにおいても、より適切な人が採用されるようになって、名ばかりリーダーは少なくなることが予想されます。

転職組からすれば、中途採用比率が高い企業を優先的に選んでいくことになるでしょう。

採用枠があったとしても、中途比率が一桁台の会社に入れば、まず企業文化に染まるところから始める必要があるでしょう。

 

しかも、そのような会社の場合、よほどのご縁でもない限りは、同世代の新卒入社組よりも待遇が良いということはないと思われます。

全体的に中途採用比率が底上げされていけば、欧米並みとは言わなくても、ある程度中途組と新卒組の待遇差別はなくなることが期待されます。

 

ベテラン社員の視点

  • 転職窓口が増える
  • 60歳以降における雇用機会の増加
  • 早期退職促進の可能性
  • 能力主義による淘汰

 

労働統計によると、2019年の転職率は、45歳〜54歳で3.6%、55歳〜64歳で4.4%、65歳以上で2.4%となっています。(24歳以下の転職率は12.3%)

かなり低い数値ですが、中途採用が促進されれば、シニア層においても転職の機会は増えていくことでしょう。

もう一花咲かせたいと情熱のある人にとっては間口が広がる可能性が高いと思われます。

 

高齢者の雇用機会も増えることが予想される一方、人員余剰に悩む企業は、生え抜き社員であっても生産性の上がらない人については早期退職を促すという流れが加速することも考えられます。

これはベテラン層に限った話ではありませんが、従業員数が増えて一人当たりの賃金が減るということも考えられます。

中途採用比率を上げることを考えれば、新卒採用を絞るか、早期退職によってベテラン層を減らすか、一人当たりの給料を減らすか、もしくは会社が成長するかしかありません。

結果的に、能力主義が少し加速するのではないかと思います。

まとめ

大企業が中途採用比率を公表する義務が発生するのが2021年4月からです。

政府の法改正の意図としては、年配の人でも働ける人は働いてもらい、年金負担を減らすための環境整備という側面と、時代の変化に合わせて、人材の流動性を高めて企業の効率性を促進させたいという側面があります。

そのため、中途採用比率を高めていくことを企業に対して促進していく方向になるでしょう。

全体としては、伝統的な日本企業の組織的弊害を打開するのに追い風になると思います。

多様性のない、硬直的で生産性の上がらない組織体制が、人材の流動性が高まることで徐々に改善していくことが期待されます。

就職活動や転職活動をする人にとっては、中途採用比率を比べることは企業の多様性を見るための一次的な指標となるでしょう。

一方で、企業が中途採用比率を高めようとすることで、新卒採用の枠が削減されたり、ベテラン社員の早期退職が促されることも予想されます。

一つの企業の中で文化に染まり、処世術を駆使するだけでは厳しい時代になるように思います。

 

以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

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