究極の非効率?社内メール

こんにちは!Jimmyです。
今回は、社内メールに時間を費やすことで非効率な仕事を余儀なくされている人の現状について書いていきます。
まず、ほんの30年前までは、会社のほとんどの書類は、手書きで行われていたようです。
今でこそ誰もが使うメールですが、効率化どころか、時間を奪う究極の代物になっています。
メールの非効率性に気づき、社内メールを、出来るだけビジネスチャットに切り替えようとする企業も出てきました。
slack、chat work、LINE WORKSなど、ビジネスチャットツールも豊富になっています。
社内メールの呪縛

社外の取引先などに連絡するときは、どうしてもメールを使わなければならないケースも多いでしょう。
しかし、社内であれば、わざわざメールで連絡する必要がないケースも多々あります。
何よりメールには、多くのデメリットがあります。
特に、時間と集中力をメール作成に奪われてしまうというケースが非常に目立ちます。
私自身、銀行員として過ごした12年弱の間、社内メールの煩わしさにはずっと苦しめられてきました。
メールを使わなければ数分で終わることが、何時間、場合によっては一日以上かかってしまうこともあります。
人の心理や関係性、さらには日本人独特の感性から、社内メールは生産性を奪うとんでもないツールになっています。
しかし、それに気づいていながら、一人で抜け出すわけにはいかないのが社内メールの呪縛です。
Electronic Mail 手紙のニュアンスという煩雑さ

電子メールを作った人のネーミング経緯を非難しても仕方ないのですが、メール(mail)とは本来「手紙」の意味です。
手紙であるため、形式張ってしっかり書かなければならないという雰囲気が出てしまっているのかもしれません。
用件を伝えるという本来の目的以外にも、気にしなければならないことが非常に多いのです。
言い換えれば、メール一つ送るのに、大変気を使う必要があるということです。
せめて、名前をつけるときに、「電子の手紙(e-mail)」ではなく、
「電子のメモ帳」、「電子駅の伝言板」、「電子のちり紙」
のような名前にしていてくれたら、こんな面倒なツールにはなっていなかったかもしれません。
以下に、社内メールがどれほど時間を奪っているのかについて記載していきます。
送る相手は、部下や後輩ではなく、先輩、上席者です。
役員宛となると、さらに悲惨になります。
礼節をわきまえた”お手紙”を完成させる必要があります。
社内メールの惨状 10選

①メールは要件だけだと失礼?
できれば用件だけを、さらっと書きたいのですが、それを失礼だととらえる人がいます。
人によっては、社内なのに、わざわざ部署名、役職、宛名から書いて、枕詞に始まり、結びの言葉も添えなければ、、
と気を使わなければならない人は、どの組織にも一定数は必ずいます。
②顔が見えないため言葉選びが難しい
日本語は、表現方法が豊富です。
相手の反応を見ながら、言葉を選ぶということは誰もが行っています。
メールの場合、言葉の選び方次第で、失礼だととらえられる可能性が、面と向かって話すよりもはるかに高くなります。
社会人で数年生活すれば、明らかにおかしな言葉遣いは、ほぼ全員無くなるものですが、メールの世界ではハードルが跳ね上がります。
文字として見た時、(読み返し吟味したうえで)過剰に反応する人がいるからです。
面と向かって注意してくれればまだよいのですが、細かい人に限って注意もメールでしてくるため余計に面倒です。
またそれに対して、返信しなければなりません。
そのような人が相手であれば、メール作成も慎重にならざるを得ません。
③送る相手の役職によって100倍違う
送る相手が、後輩や部下の場合は簡単です。
そのような場合、メールは便利なものです。
しかし、上司、特に役員クラスへのメールになると、気の使い方とかける時間、文字数が100倍違います。
大げさではありません。
一度書いたメールの確認時間や、推敲の時間を含めれば、時間は100倍では収まらないでしょう。
役員への報告メールに丸1日以上費やす人もいます。
やっとの思いで作った渾身のメールを送った矢先、返ってきた一行の予想外の質問メールに、またあたふたするという目も当てられない光景を何度も見てきました。
④「電子」メールなのに紙の無駄?
とんでもなく長い文を書く人がいます。
多くの人が、そんなメールをパソコンの画面上で追うと目が疲れてしまうため、印刷して読みます。
書いた本人も、印刷してから確認をしています。
中には、印刷して読まれることを前提に、印刷した後の見易さを確かめる人もいます。
紙で書くよりも、紙を消費しています。
⑤メールではなく、もはやアート
メール(手紙)ではなく、もはやアートレベルまで作り込む人がいます。
文章の右端はきっちり揃えて、フォントは大きめに変更。
エクセルやパワーポイントなどで、図や表、グラフを作成し、見やすく表示。
上から重要度の高い順に書いていき、「もしお時間あればご覧ください」程度の内容は、セクションを入れて初期表示を省略します。
本当に伝えることは何なのか、もはや見失ってしまいそうです。
⑥同じ部署なのにメールで説教
朝出社すると、同じ部署の人から、説教メールが入っていることがあります。
席に座ったままでも聞こえるのだから、直接言ってくれれば、会話ができてすぐに終わるのですが、メールとなると面倒です。
一行、「申し訳ありません。以後気をつけます。」だけだと、また気に障りそうです。
反論しようものなら、余計に角が立つため、表現方法をついつい吟味してしまいます。
このような場合も、多くの無駄な時間を費やすことになります。
⑦証拠としての社内メール
記録に残るのがメールです。
社内メールは、個人間、部門間の争いやトラブルの時、証拠としての機能を発揮します。
印籠のように、昔のメールを、証拠として転送されてくることもあります。
書くときは、後々のことも考えて、断定などの表現方法には、神経を使って書く必要があります。
特に、責任や成果の所在に関係するような発言には大変気を使います。
メールの内容で揚げ足を取られることは、実によくあります。
⑧アピールとしての社内メール
部門としての好事例など、報告してアピールしたい内容をメールで上席者に送ることがあります。
これも簡単に書けばよいのですが、表現方法や見易さを重視して、どんどん凝っていく人がいます。
文案は多くの場合、下の人間に作らせますので、余計な作業時間となってしまいます。
⑨宛先の順番
多くの関係者に送る場合、宛先の順番を気にしなければなりません。
役職はどちらが上か、同じ場合は、どちらが年次が上かをいちいち確認しなければなりません。
これを気にする人は、意外と多いのです。
こんなことでヘソを曲げられても面倒です。
⑩CC地獄
用件を伝える直接の宛先ではないものの、内容を共有しておきたい人をCCに入れます。
共有されるべき人がCCに入っていないと、後で文句が飛んでくる場合があります。
メールのやり取りが進むに連れて、CCがどんどん増えていくケースがあります。
メールで共有されていないことが失礼だと言ってくる人もいるため、とにかくCCに多くの人を入れる人は多いのではないでしょうか。
そうなると、よくあるパターンが「CCから失礼します」という横やりです。
こうなると、収拾するのが大変になります。
これがサラリーマンの社内メール!
私がサラリーマン時代に見てきた、社内メールの例(イメージ)を掲載します。
ご自身の職場と比べてみてください。
①部下宛
ポイント
・用件のみ
・改行なし
・フォント変更なし
・読み直さないため誤字発生(至急→支給)
②先輩社員宛
△△課長
お疲れ様でございます。先般の●△の件は大変ありがとうございました。
来週、例の件で、A社とのミーティングを開催予定です。
先に先方より質問をいただいております。
お手数ですが、以下の点につきご教授いただけませんでしょうか。
①ーーーーーーーーーーーー
②・・・・・・・・・・・・・・・・・・
③¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥
今後の予定としましては、ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
お忙しいところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願い致します。
△▲部
×●
内線番号
ポイント
・用件は真ん中の三行だけ
・本文に部署名、名前を記載
・枕詞と結びの言葉
・まどろっこしい表現
・自分の部署、名前、内線番号を添える
③役員宛
△△常務
先月の〇〇○について、報告申し上げます。
要点

1、主な成果
先月は、ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
ーーーーーーーーーーー。
2、課題
現状、ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
ーーーーーーー。

3、今後の方針
今後は、〇〇により¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥
¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥
¥¥¥¥。
▶︎(ご参考:昨年同月)
▶︎(ご参考:〇□)
斯かる環境下、〇〇の推進は非常に困難ではありますが、△△
という施策により、改善する見込みです。
今後ともご指導、ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。
〇〇部
△△
ポイント
・改行箇所は右端をきっちりと揃える
・エクセルやパワーポイントで作成した図や表を挿入
・フォントを変更し、色や強調などを使う
・囲み線を使用して見やすくする
・時間があったらご覧いただく箇所はセクションで初期表示を省略
・”やっている感”を出す努力
・推敲を繰り返し、送る前は、印刷して確認
おそらく、流し読みされるか、ほとんど読まれずに終わることでしょう。
以上、今回は、非効率を生む社内メールの惨状をご紹介しました。
ご自身の状況を振り返ってみて、メールに費やす時間が多い場合は、時間のかけ方を考え直した方がよいかもしれません。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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