中国の不動産価格はなぜ今も急落していないのか?

中国経済や不動産市況に関する見方

こんにちは!Jimmyです。

中国の不動産についてどんな印象を持っていますか?

 

ここ10年くらいは、よく日本のニュースでも中国の不動産市況についてとりあげられています。

急激な成長を遂げた中国では、不動産価格が右肩上がりで成長した時期がありました。

 

中国に勤務していた頃、顧客企業の間でも中国の不動産市況は常に注目されていたと感じます。

GDPへの貢献度が大きい上に、不動産価格の下落は消費にも大きく影響します。

 

もともと中国では、土地の所有権は国にあるため、買うというより権利を借りるという方が正しいのですが、2000年代に入ると不動産価格は益々活況を呈していきました。

 

一方、成長率が二桁を割り込んだ頃から、「不動産バブル崩壊」とか「急減速」というセンセーショナルな言葉が飛び交うようになりました。

実際、ここ数年のニュースを見ていると、そういったマイナス面の内容ばかりが目立ちます。

無理な計画が祟り、ゴーストマンションになっている光景がよく報道されていたのを思い出します。

 

しかし、一部の地域の不動産戦略に失敗した自治体をとりあげ、全体が危機にあるように報道されているだけで、真実ではありませんでした。

 

ある学校の一人の生徒の成績が急落しただけで、この学校の学力は急落していると報道するようなものです。

中国の不動産価格は、今までのところ非常に上手にコントロールされており、よほど大きな想定外の事象が発生しない限り、今後も急上昇、急下落をすることなく政府がコントロールしていくだろうと考えています。

上海で実際に見たもの、政府の細かなコントロール体制

私は中国に2011年から7年半赴任していました。

今でもそうですが、当時も、中国の不動産バブル崩壊がもう間近だというニュースが日本ではよく報道されていたのを覚えています。

 

中国で生活してみて、日本で報道される内容には偏りがあって、必ずしも真実を報道しているわけではないことを感じたのは、まさにこの不動産に関するニュースがきっかけでした。

 

事実、不動産バブルの崩壊、価格急落を予想するニュースが報道されていた当時、私がいた上海市では、不動産価格の急激な上昇や投資マネーの膨張を抑えるために、様々な規制をかけて購入や開発を制限しているような状態でした。

 

分譲マンションの販売会場を見学に行くと、購入を検討する人たちで溢れかえっていました。

中国は、日本のバブル崩壊をはじめ、過去の市場の失敗や、恐慌の事例を大変よく研究しています。

 

政策決定も、事実上一党独裁のため迅速です。

例えば、不動産価格に過熱感がある時は、金利を上げるだけではありません(これは経済全体に対しての金融政策)。

 

細かく、購入制限を加えることをしてきます。

例えば、その都市に戸籍がある人且つ、1戸目の購入に限り通常の条件で購入ができるようにします。

 

戸籍で区別することの是非はともかくとして、その方針を強力に推進させる体制が中国にはあります。

銀行の各支店における不動産融資の割合に制限を加えたり、場合によっては、直接「指導」して住宅ローンを抑制したりすることもあります。

また、開発許可や、開発用の土地の供給量もコントロールされており、景気全体の状況を見ながら、小出しにしているのです。

実需のある大都市圏と人口流入

日本でもそうですが、不動産価格が上がっているような地域もあれば下落し続けている地域もあります。

一般的に、中国では都市化が急速に進んでいると言われています。

 

日本では既に都市化率は90%を超えていますが、中国では数年前に50%を超えたところです。

今後も、都市化が進んでいくことが想定され、都市部での不動産価格が急激に下落する可能性は低いと考えられます。

 

そうなれば、住宅開発は当然必要になってきます。

投機的な不動産投資ばかりが注目されていますが、実需もしっかりとあるということです。

 

大都市では、不動産を持っていないと男性は結婚できないと言われています。

これも考え方の是非はともかくとして、決して大げさな表現ではないことは確認済みです。

不動産を持つことに対する意識と意味付けが日本人とは全く違うことに気づきます。

 

また、大都市への人口流入傾向も続いています。

日本でもそうですが、働き口と、より良い生活環境、そしてより良い教育環境を求めて大都市に移住を希望する人がたくさんいます。

 

日本と違うのは、戸籍によって教育を受けられる機関が違うこと、そして地方と都市の教育水準の格差が大変激しいことです。

そして教育水準がそのまま、非常に大きな経済格差となるケースが多くなっています。

日本よりも、都市に住もうとするインセンティブは強いことがわかると思います。

 

つまり、大都市圏への人口流入はこれからも続くことが予想され、実需も確実に存在するため、放っておけば過熱傾向になりやすいと言えます。

 

もちろん、他の要因によって消費が伸び悩むこともあると思いますが、需要が無くなることは想定し難いかと考えます。

調整局面に入ることは当然ありますが、地域や、条件によっても随分変わってくるでしょう。

十把一絡げに、不動産価格の急落が間近だと考えるのは特に中国においては間違った認識を与えてしまう原因になりかねません。

 

以上、ここまで読んでいただいてありがとうございました。

 

他にも中国経済に関連した記事を書いていますので興味のある方はご覧ください。

 

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