人間の煩悩 佐藤愛子著【レビュー・不思議と心が軽くなるオススメ本】

こんにちは!Jimmyです。

今回は、読むと、不思議と心が軽くなる作家・佐藤愛子さんの本「人間の煩悩」を紹介します。

窮屈な社会で狭い視野、固定観念にとらわれている人生観から少し離れて、人間の本質を考えさせてくれるような言葉が詰まっています。

さすが直木賞作家の文章、軽快で読みやすく、あっという間に読むことができます。

私が感じるこの本の魅力は、「痛快さ」と「潔さ」です。

人間の煩悩 著書概要

著者佐藤愛子さん

1923年(大正12年)生まれの小説家です。

直木賞、女流文学賞、紫式部文学賞などを受賞。

人生は波乱万丈で、夫の借金を肩代わり、原稿を書いては借金返済に充てるという日々を体験されています。

周りの人が言うには、選択肢があれば、わざわざ苦労する方を選ぶような人生とのことです。

竹を割ったような性格や、歯に衣着せぬ発言、苦労を苦労とも思わない考え方などが作品にも表れており人気の一因となっています。

 

こんな人におすすめ!

  • 堅苦しい生き方に少し疲れている人。
  • 固定観念や常識にがんじがらめだと感じる人。
  • 一息ついて心を軽くしたい人。
  • こんな生き方もあるんだという生き方を知りたい人。
  • コロナ禍で心が過敏になっている人。

 

何についての本か?

人間の煩悩というタイトルになっていますが、一言で言うと、悩みや苦労との向き合い方、考え方が示されています。

人とは少し違う人生観を持った著者の視点により、自身のエピソードや周りで起こった出来事などからの考察が描かれています。

 

煩悩に振り回され、悩みながら生きている人が多い中で、それらをもろともせず強く生きる著者の、独自の鋭い目線での見方、考え方を垣間見ることができます。

本書は、これまでの著者のエッセイや小説から、「これはいい」と思える文章を編集者が抜粋して一つにまとめられたものであるようです。

著者と著者の周りに集まる個性的な人たちの間でなされた会話や体験などを中心に、以下の分類に分けられています。

 

第一章 人間とは
第二章 人生とは 
第三章 男と女とは
第四章 子供とは
第五章 あの世とは
第六章 長寿とは  

 

読む人の人生のステージによって、関心や読みたいテーマ、悩みの種類も変わってくると思います。

どのテーマでも、著者独自の視点で、一般的な常識とは少し異なった考え方やエピソードが盛り込まれています。

私の場合は、特に第一章、第二章に惹きつけられました。

【レビュー】心が軽くなり元気になる本

大正生まれの著者が、波乱万丈な人生を、正直に、そして強く生きる中で出てきた言葉は、痛快であり、潔くもあり、読んでいると心が軽くなるような感覚になります。

なんとなく普段から感じていながらも、まとまらない、常識的視点や社会の流れにいるとなかなか言葉に出せないことまで、ストレートに言葉にされているところが魅力です。

 

よく、度胸のある人、何事にも動じない人に対して肝が座っていると言う言い方をしますが、著者はまさにその典型的な人であると思います。

肝が座っているとは、覚悟ができているということです。

何を大切にして何を捨てるかをはっきりと決めていて、迷いのない自分の人生を生きていることがよくわかります

 

苦労が多いように見える人生ですが、何を隠そう、著者は一度も、苦しい人生であるとも、自分が不幸であるとも思ったことがないというのですから、言葉に力があるわけだと感心します。

そんな人生を歩んでいる人の言葉は、学ぶべきことや考えさせられることを豊富に含んでいるのです。

 

ほんの一部ですが、私の好きな部分を紹介します。

以下本書より引用します。

損をするまいとして八方に知恵を廻らせ、汲々として生きることは私の性に合わないのである(第一、廻らす知恵がない)。私は私の性分に従って生きてきた。その性分が私の価値観を作った。私が無考えに行動して、失敗したり損を重ねて苦労を招いていることを心配する人たちに答えるとしたら、
「しょうがないのよ、こういう人間なんだから」
というしかない。

(中略)

どっちがエライか、エラクナイか、などの問題ではない。賢いか、賢くないか、それもどうだっていい。要するに満足できればいいのじゃないか?

凸凹だらけの私の人生に、どれほどの血が滲んでいようと、私は私の人生に満足である。

(本書第二章 人生とは より引用)

 

その他にも、痛快で潔い言葉が次々と出てきます。

読んでいると、自分の人生と比較してみたりしますが、自分の軟弱さや、目の前に立ちはだかる問題も含めて、一旦受け止めて、堂々と清々しく生きていこうという思いが強くなりました。

 

私のオススメは、特に第一章「人間とは」と第二章の「人生とは」ですが、やはりこのあたりの見解は、長く人生を生きてきた方の意見は参考になります。

実際に、90年以上も様々な経験をされ、仲間や身近な人たちの人生や死に接してきた中での考え方です。

成功者や過去の偉人の本を読むことはあっても、なかなか90歳を超えた人の人生観を学べることは稀ですから、それだけでも貴重な気がするのです。

実は2回買った本

マイブームというものは誰にでもあると思います。

マイブームに関係するワードが目に入ると、無意識的に注目してしまうものです。

私もここ数年、資本主義、アウトプット、信念、生き方などなど、様々な注目ワードがあったわけですが、そこに反応したのが、「煩悩」という言葉でした。

 

著者の佐藤愛子さんのことは、それまで知らなかったのですが、タイトルが気になり初めて買って読んでみたのでした。

それから数ヶ月後だったと思いますが、当時海外勤務中であったため、書店でゆっくり、日本の書籍を手にとって読むこと、選ぶことはできませんでした。

 

会社の福利厚生で用意されていた、日本書籍の注文サービスをネットで見ながら、まとめて購入しようとしていたとき、またまた「煩悩」というワードに反応してしまいました。

表紙の写真がなかったので気づかず、面白そうだと思って購入カゴにほいっと入れたのでした。

届いて、実物の表紙を見てようやく、「ん?なんかこれ読んだことある」と気づいたのでした。

 

そういうわけで、タイトルに反応して2回も購入したという、私にとって何かしら縁を感じる本です。

2冊のうち1冊は知人に渡し、1冊は帰国時に船便で送って家に置いてあります。

今だからこそ読むべき本

損した得した、将来どうなるのか、生活は大丈夫なのか、補償はどうなっているのか、

コロナ禍にある状態で、過敏に反応する人が多くなっている現在こそ、読んでみると心に感じるものがあるのではないかと思います。

 

そうでなくても、うまくやる、気に入られる、模範的な社員になるために策を廻らせ、統一的な価値体系の中に生きていると、どうしても気づかないうちに視野は狭くなりがちです。

時に、人間として大切な感情を忘れてしまうものです。

 

日本でも、年々精神疾患を患う人が増えている背景には、損得勘定に過敏に反応しすぎて、不寛容で余裕のなくなった社会が影響しているように思えてなりません。

 

そんな現代社会に生きる私たちにとって、生きる方向性を考え、痛快な言葉で大切なことを思い起こさせてくれるきっかけとなる本であると思います。

 


 

以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

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