巨大金融企業の不祥事・不正に対してもっと厳しく見るべき理由

こんにちは!Jimmyです。

グローバルな巨大金融企業の不正を報じるニュースがよく飛び交います。

外資系の金融機関の不正となると、制裁金の金額も凄まじい額になり注目を集めます。

 

ポイントは、集団不正が頻発していることです。

何年かに一回は必ず、大きな不正がニュースになっています。

つまり、集団不正だらけということです。

 

信用第一の会社にとって、不正は一つでもあれば、信用を失墜させる大事件のはずです。

しかし、少し時間が経てば、何事もなかったかのように、復活している大手の機関が多いようです。

中小企業や、個人経営店舗であればこうはいきません。

 

今回は、もっと巨大金融機関の不正に対して、厳しい目線を一人一人が持つべきという草の根運動的な主張になります。

エリート、かっこいい、スマート、できる人集団といったイメージではなく、

不正だらけの現状があるなら、それに応じた見方をするべきという思いから、今回記事にしてみました。

不正三昧を制裁金で解決する巨大金融機関

毎年インパクトのあるニュースに事欠きません。

特に一つの企業について言いたいわけではありませんが、JPモルガンチェースのニュースが直近で出ていましたので、代表例として紹介します。

日本の金融機関の不正ももちろんあるのですが、不正の規模と頻度から、欧米巨大金融機関を題材にします。

 

先物相場の不正操作

不正の内容はこういうことです。

貴金属先物や米国債先物で取引成立を意図しない注文を出し、すぐにキャンセルする「スプーフィング(見せ玉)」と呼ばれる行為を手掛け、価格を不正に操作していた。

 

少なくとも8年間で数十万件に及ぶという、まさに組織的な犯罪行為です。

 

日経新聞:JPモルガン、制裁金最大の960億円 貴金属取引で不正

 

お金で解決

制裁金は、日本円にして960億円とかなりの高額です。

これだけの金額を払える企業など限られています。

 

逆に言えば、それによって、訴追も免れたということです。

 

相応の制裁金と、改善策をもってすれば、一定期間訴追されない契約を米司法省と結びました。

問題のトレード業務も、引き続き行うことが許されているようです。

 

トップは責任とらず

トップの声明の趣旨としては、

許されない行為をした社員はすでにクビにしました。これから管理体制を改善します。という内容です。

 

どこか他人事です。

8年間もの長期にわたり、集団不正をしていたのに、トップが知らぬ存ぜぬということはあり得ないだろうと思いますが

実際にトップが責任を取らずに終わることはよくあることです。

 

リーマンショックの時もそうでした。

連鎖倒産、大損害を引き起こした、諸悪の根元である巨大金融機関の幹部が責任を取らないという光景を私たちは見てきました。

だから、企業体質は変わらず、結局不正も繰り返されることになります。

 

繰り返される大がかりな不正

JPモルガンに限ったことではありませんが、このような不正は繰り返されます。

同社の場合は、数年前に、為替相場の不正操作で独禁法違反を指摘され、日本円換算で500億円超の罰金。

また、複数行での金利操作でも罰金を課せられ、大きな金額を払ったばかりです。

 

サブプライムローン問題をきっかけに明るみに出た、巨額の詐欺事件(マドフ事件)への関与責任として、

1700億円超を支払ってから10年経たない間に、次々と不正が発覚していたことになります。

 

リーマンの教訓は何だったのか?

欧米の巨大金融機関にとって、リーマンショックをきっかけに、批判的な見方が強まり、規制も強化されました。

しかし、リーマンショックから10年強。

 

今見ると、多くの機関は、業績も回復し、以前のやりたい放題の利益至上主義が復活しているようです。

 

フィンセン文書が明らかにしている通り、イギリスを中心とした多くの金融機関が、資金洗浄(マネーロンダリング)という犯罪に手を貸す行為を黙認していたこともわかっています。

一般企業で不正が行われるとどうなるか?

企業 不正

グローバルの巨大金融企業における不正の一例を見てきました。

大規模で多方面に影響を及ぼすような不正が、何度も行われていたことがわかると思います。

 

中小企業なら一回の不正・不祥事が命取り

しかし、本来企業の不正は、存続の危機となる一大事です。

当たり前ですが、信用問題になるからです。

 

一回の不正・不祥事であっても、一度なくした信用を取り戻すには果てしない時間がかかるか、もしくは不可能という場合もあるでしょう。

だから、多くの企業では、信用を大事にし、日々努力しているのです。

 

信頼回復できないまま倒産する事例

一度不祥事や不正が発覚して、信用を失うと、倒産に直結するケースが一般企業では当たり前です。

飲食業界

記憶に新しいのは、某焼肉屋チェーン店での食中毒を巡る事件でしょう。

安価にこだわり、衛生管理が疎かになった結果、食中毒による死亡者を出してしまいました。

店舗は全店営業停止となり、翌年には倒産となりました。

 

飲食店であれば、食中毒問題を起こせば、即閉店の危機になります。

食中毒ではなくても、食品偽装、使い回しで問題になった某高級料亭も、やはり閉店となりました。

 

建設業界

公共工事を請け負う某建設会社は、工事の不備や施工上の問題が見つかり起訴されました。

結果、自治体からの指名停止処分を受け、最終的に事業継続が困難となり倒産に追い込まれました。

 

そのほか、社会的信用が失墜したことで、事業が継続できず、倒産に追い込まれるという事例は毎年発生しています。

なぜ不死鳥のように復活するのか

企業 不正

リーマンショックとその後の事例からもわかるとおり、

欧米の巨大金融機関であれば、度重なる不正や処分などがあっても、時が経てば復活して隆々としているように見えます。

なぜ、それができるのでしょうか。

 

大き過ぎて潰せない共通認識

規制業種でもあり、社会インフラの根幹を担う金融機関は、そう簡単に潰せません。

不正をしたからといって、営業を全面的に停止されては多くの消費者が困ってしまいます。

人々の生活への影響が大きすぎるのです。

 

この共通認識があるため、誰も不正のあった会社をなくすべきとは思わないのです。

 

さらに、財務基盤も強固であることを厳しく求められてきた歴史もあり、鍛えられているのです。

ノウハウも蓄積されており、収益力もあれば、耐久性も備えています。

端的に言って強いのです。

 

大き過ぎて決定的な企業イメージまで響かない

小さい企業や、個人店舗であれば、一つの不祥事や不正が、組織、あるいは社長、お店全体の不正として見られます。

先ほどの飲食チェーンも、食中毒により全ての店舗で営業活動できなくなりました。

特段言及するまでもない、当たり前のことです。

 

しかし、巨大金融機関の場合は少し異なります。

先ほどのJPモルガンチェースのように、トップはどこか他人事です。

 

「自分は全く不正に関与していない、悪い人ではないよ!」ということです。

 

該当する悪事を働いた個人を解雇し、改善策を取るということで落ち着いてしまいます。

よほどトップにも証拠や落ち度があったとしても、トップを交代させることで、組織としては一新されたとみなされるでしょう。

 

組織のブランドそのものに大きな傷がつく前に、一部の個人や集団の責任を前面に出し、あくまで会社は改善策を考えて対処するということで、対応できてしまうのです。

これも巨大すぎて潰せない組織ゆえの特徴です。

 

結局は、それでも人気だから

金融というものは、ある意味虚像です。

今では、マネーゲームとも言われるように、実際のモノが動くわけではありません。

人体に害を与えるわけでも、リコールに発展するわけでもありません。

 

金額だけは突き抜けていますが、どこか実感のわかない不正でもあるのです。

だから、悪事が”かすんでしまう”のかもしれません。

 

何が言いたいかというと、ノウハウ、強い財務基盤、安定している、伝統、ブランドなどの上記の要因とも相まって、

結局、人気のある企業なのです。

 

富裕層や個人が運用商品を相談するにせよ、

企業がM&Aを相談するにせよ、資金調達を相談するにせよ、

投資家が投資先候補として検討するにせよ、

はたまた、若者が就職先として考えるにせよ、

いずれも、”選ばれる存在”として、多くのグローバル巨大金融機関はトップに君臨しているのです。

最後に 正しく評価する目線が必要

リーマンショックは、金融業界の問題が一気に表面化し、多くの人に影響を与えました。

さすがにその頃には、巨大金融機関に対する批判の目が強くなりましたが、

10年ほど経って、あっという間に元に戻ってしまった印象があります。

 

食品偽装や、施工不備のように、明らかに被害がわかる形であれば、人は不正を働いた組織に対して嫌悪感を抱きます。

一方、為替操作をした、デリバティブで不正をした、マネーロンダリングを黙認したと言われても、イメージしにくい部分もあります。

 

それでも、不正の影響が小さいわけでも許されるわけでもありません。

不正によって利益を得たということは、相応の金額が、誰か別の人や組織の損失となっているということです。

 

不当に他者を陥れたのと同じです。

それによって、間接的に人生を狂わされる人も出てくるはずです。

マネーロンダリングを黙認していれば、武器の売買や犯罪活動が活発になり、大切な人の命を奪う危険性が増すかもしれません。

 

食品の衛生管理の不徹底も、手抜き工事も、結局は利益ほしさから来る卑劣な行動ですが、

金融取引の不正などは、そういった卑劣さの最たるものです。

 

端的に言って、多くの人が巨大金融機関に対して、緩めのフィルターを介して見ているように思います。

 

  • 他の一般企業で行われた事例や信用失墜と同じかそれ以上に、厳しく見る必要があるのではないかと思います。
  • 繰り返される集団不正にトップが他人事なのも、もっと批判的に見られるべきでしょう。
  • 前途ある若者であれば、給料だけでなく、不正だらけの組織で働いて幸せなのか、疑問を持つべきでしょう。
  • 預金者、運用者の立場であっても、そういう金融機関との取引を考え直し、誠意ある金融機関を選ぶ目線が求められます。

そうでなければ、いつかお金ができたとしても、とんでもない運用商品を勧められることになるかもしれません。

 

そのような目線を持つ人が増えていけば、巨大金融への人材の集まり方も変わります。

やがて投資的な魅力もなくなっていくはずです。

M&Aなどのノウハウは、欧米系金融機関が大変強い分野ですが、AIや機械学習のマッチング機能の強化によって、専売特許ではなくなることも期待されます。

 

日本人の多くは、外資系金融との関わりは少ないかもしれませんが、今後もそうとは限りません。

日本の金融機関に対しても、同じ目線で見ていく必要があります。

外資系金融ほど、頻繁な集団不正はないようですが、今後はわかりません。

 

実態として見えにくい不正内容ではありますが、一般企業の不正同様、

かなり悪どいことをしていることをもっと認識し、社会の一員としての厳しい目を強化するべきではないでしょうか。

 

以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

 

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