こんにちは!Jimmyです。
バリ島の大富豪アニキの本を紹介します。
著者 兄貴(丸尾孝俊)
バリ島に住む日本人実業家。1966年、大阪生まれ。通称「兄貴」、「マルさん」。
幼少期に母親と離別し貧困の中育つ。中学卒業後、丁稚として働きに出る。その後数々の仕事を経て20代後半で単身バリ島に渡り事業を開始。
ところが、多くの現地の人にお金を貸している間に、自分も無一文状態に。日本に戻るべきか考えていた矢先、所有する土地(お金を貸した一人が、返済不可能になったため、変わりに土地を受け取っていた)が大化けして大金を得る。
それを機に不動産デベロッパーとして次々に成功をおさめ、事業を拡大。関連会社数十、現地社員数千人規模となる。
成功をおさめた後も、地元の人々に対して、学校、病院、サッカー場などの寄付、インフラ整備、伝統芸能への支援、更に孤児を数十人里親として引き取るなど、困っている人に惜しみなく手を差し伸べている。

こんな人にオススメ
- 人生の意味を考えている人
- 挑戦して成功したい人
- 若い人全て

本書の概要
「このままの自分で一生を終えたくない」、自分を変えるために、そして将来成功をおさめるために、兄貴を訪ねた31歳のごく普通のサラリーマン男性が主人公です。
主人公が、大富豪である兄貴に質問して、兄貴が瞬時に答えるという形式で兄貴の教えが25の項目に渡り記載されています。
仕事への向き合い方から、生き方、根本的な考え方について、兄貴ならではの軽快な口調で語られています。
レビュー
成功のための法則や、仕事術などが書かれた多くの本とは一線を画す内容です。
ビジネスマンはもちろん、10代、20代の若い世代の方を中心に読んでほしいと思った本です。
本書は、仕事に対する向き合い方から、生き方、根本的な考え方に至るまで兄貴の教えが軽快な口調で記されています。
自分に語ってくれているような感覚で読むことができます。
25の項目がありますが、中でも繰り返し兄貴の口から出てくるのが、
「相手を自分ごとのように大切にする心」です。
これが兄貴の考え方、教えたいことの根本にあります。
兄貴の理想とする社会は、昔の、人と人とのつながりが強かった古き良き日本です。
自分の家のことでも、近所の家のことでも、みんなで協力する心を今の日本人は忘れてしまっていると兄貴は指摘します。

欧米化、合理化、グローバル化の中で、昔よりも豊かになった日本ですが、それを突き詰めても幸せにはなれない原因を兄貴はここに見出しています。
兄貴は、生きる目的について、「自分たちが生きる時代を少しよくして次の世代にタスキを渡す」ことが必要としています。
今を生きる者として、次の世代のために渡すタスキとは「日本人の原点を取り戻すこと」であると語っています。
今の豊かで便利な時代があるのは先人たちの努力があってこそ、当たり前ではなく、有り難いことであることを忘れてはならないとも言っています。
思い返せば、このようなことを言っている人は、兄貴だけではありません。
古き良き時代を理想として、今の時代を批判する、昔は良かったと言う人。
周りを探せば、少なからずいるのではないかと思います。
正直、このような言葉には全く響かなかった私です。
古い価値観に固執し、時代の変化についていくのを諦めた人たちだと思っていたのです。
多くの人も同様に思っているはずです。
しかし、兄貴の言葉を読んでいると、不思議と納得させられることが多いのです。
ズバリ、ここが兄貴の言葉のすごいところです。
同じように古き良き時代と言っても、兄貴の考える古き良き時代の慣習と、多くの人が言う古き良き時代はイコールではないということです。
昔の日本を取り戻そうなどと言われても、ピンとこない私でも、兄貴の言葉には響くものがあるのです。
新しい価値観を自分の中に宿すことができたと思っています。
一つ例を挙げます。
古き良き時代の「上下関係」と聞いて、どんな印象を持ちますか?
私なら聞いた瞬間、否定的な思いが脳内に充満します。
行き過ぎた、無意味な上下関係を連想するからです。
以前から、私の周りでも以下のようなことを言う人がいました。
多くの人が同じようなことを言われたことがあるのではないでしょうか。
「昔の若者は、年長者に対してもっと敬意をもっていた。今の人たちは年長者を敬う心が足りない。」
「最近の若い人は目上の人に対する礼儀がなっていない。」
「昔なら先輩にこんな口調で話しかけたら、大変なことになっていた。」
自分の体たらくはさておき、原因をすべて相手に押し付けるような物言いに、辟易とした覚えのある人も多いことでしょう。
兄貴が言う古き良き時代の上下関係の例はこのような意味ではありません。
以下、本書から一部引用します。
先輩は、たとえ、自分でお金をそんなに稼いでいなくってもな、後輩たちのメシをおごる金をケチったりとかはしなかったんや。
昔は、そういうのが日本の伝統であり義務やった。
ようするに、ちょっとでも強いやつとか、ちょっとでもお兄さんなやつはな、後輩の面倒を見るのが当たり前だったんや。
先輩自身が、後輩に対して
”相手を自分ごとのように大切にしていた”
ということです。
もちろん、今の時代、食べるのに困るということは少ないと思われるので、そのまま同じことをすればよいというのではありません。
おごってもらう代わりに、散々と仕事の愚痴を聞かされるのではたまったものではありません。
何よりそれでは先輩が自分本位です。
しかし先輩が、本当に困ったところに来て、自分ごとのように考えてくれたり助けてくれたりしたら、後輩も心底感謝するでしょう。
この関係が人と人との関係を作っていく上で本当に大切なことであると兄貴は言っているわけです。
そして、今の時代に少なくなってしまった光景であると。
ちなみに、こうなれば自然と先輩に対する見方や敬い方も変わってくるはずです。
生意気な私でも、絶対そうなります。
もちろん、相手を自分ごとのように大切にすることは後輩に限ったことではありません。
友人、家族、取引先、近所の子供など自分が関わる人にそのような心を持つことが大切だと兄貴は考えています。

その他、どの教えにも、根本には「相手を自分ごとのように大切にする心」があります。
兄貴は実際に、このことを実践し、多くの人とのご縁を大切にし、関係を作り、そして助け合い、大富豪までに上り詰めることができました。
もちろん大富豪になった後も、その行動原則を変えることなく、今でも精力的に多くの人を助けているようです。
自分の仕事もある中で、毎日のように、日本から兄貴に会いにくる人をもてなして悩みを聞いています。
人生を変えるべく、教えを請いにくる人が大半です。
しかし、兄貴はそれを全て受け入れて、拒否するようなそぶりは全くありません。
現代人として、心に留めておきたい重要な示唆を得ることができました。
若い人を中心に是非一度、読んでみることをオススメします。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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