あの天才がなぜ転落 伝説の12人に学ぶ「失敗の本質」【感想・レビュー】

こんにちは!Jimmyです。

今回は、大成功を収めた人が人生を転落させた事例を見ることで、失敗の本質について学べる一冊の本を紹介します。

成功を収める形は人それぞれですが、

失敗をするときは、似たような形になることが少なくありません。

そういった意味で、先人の失敗から学ぶことは、実は大変意義があります。

本書の概要

著書紹介

著書名

あの天才がなぜ転落 伝説の12人に学ぶ「失敗の本質」

著者

玉手義朗 (発行:日経BP社)

 

こんな人におすすめ

  • 人生の成功を求めて挑戦している人
  • 失敗事例を学びたい人
  • 攻め続けた人生を送った人について学びたい人
  • 幸せな人生とは何かを考えている人

 

本書の構成

本書は大成功と大失敗を経験した、実在した12名の人生物語です。

大きく4つのチャプターに分かれており、全12章により構成されています。

 

大成功を収めたり、巨万の富を築いたりした物語とともに、そこからの転落の過程を学ぶことができます。

つまり、成功者の失敗の本質が本書のテーマになっています。

 

本書の構成は以下のようになっています。()内に簡単な人物紹介や、物語の主題を記載します。

 

Chapter1 転落した天才に学ぶ「競争戦略」

1、ニコラ・テスラ
(エジソンに勝利した天才科学者)

2、ホレス・ウェルズ
(特許戦略を誤った麻酔発見者)

Chapter2 転落した天才に学ぶ「マネジメントの法則」

3、ジョン・アウグスト・サッター
(黄金が湧き出た農場で起きた農場主の悲劇)

4、金子直吉
(日本一の巨大商社を作った経営者)

5、坪内寿夫
(松下幸之助と並んで称された再建の神様)

6、山城屋和助
(日本官民汚職の原点、政商の原点)

Chapter3 転落した天才に学ぶ「マネーのトリセツ」

7、ジョン・ロー
(史上最大のバブルを仕掛けたフランス中央銀行総裁)

8、岩本栄之助
(相場の罠に落ちた大阪の大商人)

9、渡辺治右衛門
(金融ビジネスで散った大富豪)

10、松本重太郎
(西の渋沢栄一と呼ばれた銀行家)

Chapter4 転落した天才に学ぶ「幸せの本質」

11、薩摩治郎八
(家業を捨て日仏文化交流に捧げた人生)

12、ポール・ゴーギャン
(元エリート証券マンの天才画家)

 

ここだけは押さえておきたいポイント

お勧めする理由

色々な角度から失敗(財産を失う)の過程を学ぶことができます。

大別されている通り、戦略の失敗、マネジメントの失敗、お金や相場などマネーの取り扱いによる失敗、最後は異色になっていますが、自分の信念を貫いた結果の失敗(財産の喪失)という視点で描かれています。

 

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉があるように、先人の失敗には、学ぶべき要素がつまっています。

成功者の華麗な人生を学ぶことも有効ですが、先人の失敗に学び、自らはそれを繰り返さないようにするということは成功を学ぶこと以上に重要です。

 

成功を目指して挑戦していくのであれば、まずは失敗の本質を学んでおくべきでしょう。

 

大成功を収めるような人でも失敗するときは普通の人

大成功を収めたような人のサクセスストーリーなどを見ると、能力と幸運に恵まれ、とても真似できないような遠い存在のように思えてくることがあります。

機を逸せず、類稀なる手腕を発揮して、瞬く間に成功を手にする様子などを見ると、とても凡人ができることには思えません。

 

本書では、物語の主人公達がどのように成功を収めたかについても記されていますが、

ご多分に漏れず能力の高さに驚かされます。

 

一方で、失敗の過程とその要因を解説されると、そのような大成功を収めたような人でも、普通の人間であることがよくわかります。

 

普通の人と同じような考え方をしたり、自分にストップをかけられなかったり、自分が能力を発揮できる範囲を超えるところまで手を出したり、人間の本質や弱さを垣間見ることができます。

同時に、現代の私たち個人や組織にも通ずることばかりであることに気づきます。

 

だからこそ、読んで意味があるものとなります。

 

本当に「失敗」と呼べる人生なのかという問いかけが込められている

本書は、失敗の本質をテーマに書かれているわけですが、

本書における「失敗」の一義的な定義は、地位、財産、名声を失うことです。

世間的にも、このことを失敗と呼んでいますので、違和感はないかと思います。

 

一方で、本書では、この12人の「人生」は本当に失敗だったのかという問いかけが発せられているように思います。

著者のあとがきでは、12人の人たちが残した功績、現代にも受け継がれている組織や技術、芸術といった大きなプラスの遺産も残していることに触れられています。

人生の最後で財産などは失ったものの、その人たちの人生は決して敗者の人生ではなかったと述べられています。

 

少なくとも、本書で紹介されている12人のうち、多くは悪人ではなく、果敢に挑戦した人、世の中のためにという意識で努力してきた人、信念を貫いた人であることがわかります。

 

人と違った生き方をした、12人の成功までの過程と、絶頂期、転落期、そして亡くなった後に残された影響。

これらを総合して考えてみると、失敗の本質だけではなく、人生をどう生きるかという問いかけにもたどり着くように思います。

そのような意味からも、非常に学びの要素が濃い内容であると言えます。

 

1つだけ内容紹介(エジソンに勝利した天才ニコラ・テスラ)

ニコラ・テスラの成功と転落

最後に、12人の人生のうち、1人を紹介します。

天才科学者ニコラ・テスラ(1856〜1943年)についてです。

テスラ・モーターズの名前の由来となっている人なので、知っている人も多いと思います。

 

クロアチアで生まれたテスラは、聡明で、数学的な能力に優れ、大変な読書家でもありました。

幼い頃から水車に興味を示し、その頃から、いつかアメリカへ行ってナイアガラの滝を利用して力をつくるということを空想していたようです。

 

オーストリアの大学在学中に、交流モーター開発に取り組み始めます。

当時は直流が主流であり、交流は実用が難しいとされていました。

 

エジソンですら、交流電流をあきらめ、直流電流の使用を前提として白熱電球を発明したほどです。

 

直流は、電圧を上げ下げする変圧器の開発が難しいという欠点がありました。

送電を低電圧で行う必要あったため非常に送電効率が悪かったのです。

さらに、数キロ程度の距離までしか送電できないため、電球などを普及させるためには、たくさんの発電所が必要になるという弱点もありました。

 

テスラは、エジソンでも無理だと諦めていた、交流電流を実用化するためのアイデアを思いつきます。

そして、そのアイデアをエジソンに見てもらおうとエジソンの会社に入社します。

ところが、エジゾンからは無視されてしまいます。

まさか、片田舎から出てきた若者に、自分でもできなかった交流電流の実用化ができるとは思わなかったのでしょう。

 

エジソンに失望したテスラは、自分で会社を設立します。

資金がないことからすぐに暗礁に乗り上げますが、著名な発明家で資金力のあるジョージ・ウェスティングハウスが資金提供と資金計画や事業の進め方などにおける協力を申し出ます。

 

そこからは怒涛の勢いで開発を続け、発電機や変圧器など交流システム全体を開発し、エジソンに戦いを挑んだのでした。

交流システムの技術的優位性が認められ、1893年に行われたシカゴ万博の電流システムの入札で、交流システムが採用されたのが決定打となり、エジソンとの競争に勝利します。

 

電力が広く使われるようになるためには不可欠の技術であり、人類の進歩への貢献は計り知れません。

 

栄光を手にしたテスラですが、休む間もなく、今度は高周波電流を使った無線通信技術の開発に取りかかります。

そこで開発されたのが、「テスラコイル」と呼ばれた高周波高電圧の電流を自在に発生させるコイルです。

 

無線通信技術の最先端を走っていたテスラに大投資家のJ・P・モルガンが出資を決めます。

この頃から、テスラの暴走が始まります。

 

「無線通信」から、さらに進んだ「無線送電」にゴールを切り替えてしまいます。

「世界システム」と名付けられた無線技術です。

 

莫大な資金と設備、時間を要する世界システムの開発に没頭する間に、イタリアのマルコーニという通信技師が無線通信を成功させます。

 

これを機に、J・P・モルガンはテスラに疑念を抱くようになり、資金の引き上げを決めてしまいます。

 

資金を引き上げられては開発も続けられません。

必死に、「開発に投資してくれませんか?」と壮大な計画を他の投資家たちに語って支援を求めますが、現実味を理解してもらえず、資金繰りに行き詰まり、開発は中止、施設も閉鎖されることになりました。

 

世界システムが日の目を見ることなく事実上失敗したことで、多額の借金を抱えることになったテスラは、長年住み慣れていたニューヨークの高級ホテルを追われます。

それ以降もテスラの開発は迷走を続け、「マッドサイエンティスト」(常軌を逸した科学者)のレッテルを貼られてしまいます。

 

そして質素なホテルで、友人の少なかったテスラは、失意と孤独の中で生涯を閉じたのでした。

 

失敗の本質:事業家ではなく科学者だったテスラ

不得意分野を任せられるパートナーの不在

資金面を任せられるパートナーがいなかったことが、大きな原因です。

J・P・モルガンは資金は出すが、細かい資金計画や事業内容には口を出さないタイプでした。

 

もし初期のパートナーであるウェスティングハウスのような、財務面を任せられるパートナーがいれば、このような失敗はなかったかもしれません。

 

科学者としては天才的であったテスラも、企業の生命線とも言える資金調達、財務面は天才ではありませんでした。

投資家を説得するための資金計画を作成することはできませんでした。

 

マネジメントの父、P・F・ドラッガーが指摘する通り、ワンマンではなくマネジメントチームを持つことが重要であり、得意ではないことはパートナーを探して任せる。

自分は得意とする分野に集中できるようにするべきであったと考えられます。

 

イノベーションは小さく始めるという鉄則

ドラッガーは壮大すぎる構想もよくないとしています。

世界システムなどは壮大すぎたと言えます。

莫大な資金と人手を要したため、軌道修正をすることが困難になったのです。

 

イノベーションは最初から成功を連発し、正しい方向に進めるということはないとドラッガーは指摘しています。

つまり、都度修正変更が必要ということです。

それができるのは時間、人、お金を最小限に抑えられる時期だけです。

 

小さな成功を繰り返すことがイノベーションを成功させる上で必要であるという教訓であると言えるでしょう。

もし当初の目標通り、無線通信に絞っていれば、マルコーニよりも早く成功していた可能性が高いとされています。

 

このように、事業家として最終的には失敗したテスラですが、今もなお、人々からの尊敬を集めており、テスラ・モーターズの創業者は、ニコラ・テスラにちなんでこの名をつけたことは有名です。


 

本記事では、ニコラ・テスラのケースを紹介しました。

その他の11人についても、壮大な人生における成功と失敗の過程から多くを学ぶことができます。

興味のある方は是非読んでみてください。

失敗に学ぶ価値はあります。

 

書籍はこちら

あの天才がなぜ転落

以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。

以下の書籍紹介、リーダー論などについても参考にしてみてください。

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