トリレンマとは何か?様々な取捨選択の必要性から人生を考える

こんにちは!Jimmyです。

世の中には、様々なトリレンマがあります。

トリレンマとは、3つの選択肢があって、その全てを満たすことはできないということです。

最近では、政治経済のトリレンマが注目されており、世の中の仕組みとされています。

今回は、様々なトリレンマを紹介して、最後に人生のトリレンマについて考えてみようと思います。

このような枠組みに当てはめて考えてみるとわかりやすくなります。

人生のトリレンマを考えるのが主題でしたが、切っても切り離せない、経済や金融の仕組みにも繋がる話です。

あわせて紹介してしまおうという趣旨です。

国際金融のトリレンマ

トリレンマといえば、経済学者のロバート・マンデル氏によって提唱された金融のトリレンマがもっとも知られているのではないかと思います。

「国家独自の金融政策」、「自由な資本移動」、「安定した為替相場」という3つの要素を同時に実現することはできない、同時に実現できるのは2つまでという理論です。

1980年代以降に定着しています。

 

国際金融のトリレンマ

金融のトリレンマ

 

日本やアメリカは、金融政策の自律性と自由な資本移動は可能になっていますが、為替は変動しているため、安定した為替相場は諦めなければなりません。

金利を自国の状況にあわせて独自に設定し、資本移動に規制を設けなければ、金利の状況によって、資金は自由に流出または流入し、為替レートは当然変動するということです。

 

EU加盟国は、独自の金融政策ができない代わりに、自由な資本移動と域内の統一した通貨という意味で、安定した為替相場を手にしていると言えます。

統一通貨を採用しているため、金利の上下調整は、各国が独自に行うことはできません。

 

中国は、(近年緩和傾向にありますが)自由な資本移動を制限している一方、安定した為替相場と金融政策の独自性を確保している国と言えます。

資本の移動について、規制を設けて厳しく管理しているため、自由に資金を国外に持ち出したり、国外から自由に流入させたりすることができません。

そのため、為替相場を政府の意思によって、ある程度管理することができています。

 

このように、同時に実現できるものは2つまでであり、どれか1つは犠牲にしなければならないというのが、国際金融におけるトリレンマです。

政治・経済のトリレンマ

アメリカのトランプ大統領(当時)のアメリカ・ファーストの政策、イギリスのEU離脱など、最近では自国優先に走る動きが顕著になっています。

それに拍車をかけるように、コロナ問題によって、一層自国を優先した政策が目立つようになりました。

 

そこで、改めて注目されているのが、国際政治経済のトリレンマです。

グローバル化(人、資本の自由な移動)、国家主権(国家の独立した政策決定)、民主主義というの要素を同時に実現することはできない、同時に実現できるのは2つまでという理論です。

政治経済学者で、グローバリゼーション・パラドクスの著者である、ダニ・ロドリック氏が提唱した理論です。

 

国際政治経済のトリレンマ

政治経済のトリレンマ

 

ちなみにロドリック氏自身は、現状を行き過ぎたグローバル化の状態と認識しています。

つまり、グローバル化を諦めて、「民主主義」と「国家主権」を重視すべきと主張しているということです。

極端に鎖国するという主張ではありませんが、世界中を一つの共通ルールによって運営するには各国の状況が違い過ぎるため、近い将来という意味では現実的ではない、弊害の方が大きいという視点に立っています。

 

日本をはじめとする、先進国の多くは、極端な2択という図式にはなっていませんが、今後いずれかに動いていく可能性はあると思われます。

 

EU加盟国は、EUとしての利益、規制に縛られ、国家としての意思決定が犠牲になることもあるため、グローバル化と民主主義に若干偏っているイメージです。

 

EUを離脱したイギリスについて言えば、EU離脱によって、グローバル化とは逆の流れに進み、国家主権と民主主義の方向に進んだという見方になるでしょう。

アメリカの自国優先政策を見ていても、グローバル化という視点から見れば逆走していると言えます。

いずれも、自国の利益を追求するには、グローバル化とは逆の方向に政策を取ることになります。

 

また、グローバル化と国家主権に偏れば、各種規制、政策は国際基準を元に迫られることになるため、民主的な意思決定からは遠ざかることになります。

 

コロナ問題を見れば、国際協調というよりは自国優先がかなり顕著になっているように見えますが、このまま一層、反グローバル化の波が進む可能性はあります。

歴史は繰り返すと言われていますが、一旦閉じた世界へと向かい、また何十年、もしくは百年後くらいに、強力なグローバル化が進むという流れになるかもしれません。

反グローバル化、自国優先の考えが進めば、経済的な不安定さや状況変化も懸念されますが、何より安全保障の問題が特に気になるところではあります。

QCD(クオリティー、コスト、デリバリー)

多くの人が、既に当たり前のように認識していることですが、品質、コスト、時間についても、同じくトリレンマの関係にあると言えます。

どれか一つの要素が変化すれば、他の要素に影響を与えます。

例えば、時間(納期)を短くして品質が一定であれば、価格は上がる、価格を下げて、納期が一定であれば、品質が下がるといった関係です。

QCDのトリレンマ

 

生産のトリレンマ

ブロックチェーンのトリレンマ

近年注目を集めている仮想通貨(暗号資産)に使用されている技術であるブロックチェーンにも、次のようなトリレンマの関係があると言われているようです。

Decentralization(分散化)、Security(安全性)、Scalability(拡張性・処理速度)の3つを同時に満たすことはできないとされています。

 

分散化と安全性を重視すれば、処理速度は遅くなる、安全性と処理速度を重視すれば、ノード(処理を実行するコンピューター)が少なくなり分散化はできなくなる、分散化と処理速度を重視すれば、安全性が損なわれるという関係です。

一方、このトリレンマはクリアできると考えている人も多く、実際に多くの事業者が解決策を模索しているようです。

 

ブロックチェーンのトリレンマ

ブロックチェーンのトリレンマ

 

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暗号資産(仮想通貨)、デジタル通貨、リブラの違いと現状、課題を整理

 

人生の取捨選択もトリレンマ?

アメリカ・ファースト、イギリスのEU離脱、中国(習近平)、ロシア(プーチン)の強権化、そしてコロナ問題に端を発した自国優先政策という動きを見ていると、国際政治経済のトリレンマの理論を思い出しました。

少し前までは、当たり前のようにグローバル化の時代だと言われていました。

ところが、国家主権と民主主義を強くすれば、グローバル化は同時に実現できないという法則を考えれば、何かを選んで、何かを諦めなければならないという原理原則を改めて認識させられます。

実際には、これらのバランスを取りながら、少しずつ世界は動いていくことになるのだろうと思いますが、いくつかのトリレンマの関係を見ていると、人生についても、多くの取捨選択が必要であることに思い至りました。

 

人生の豊かさもトリレンマの関係?

敢えてトリレンマで考える必要性もないのですが、自分の生き方や、価値観、バランスを考えるのに役立つかと思い、勝手に人生のトリレンマを考えてみました。

私自身、多くの偉人や成功者の人生から学んでいる中で、度々注目して考えるのが、その人の人生における優先順位、そして何を得て何を失ったのか(犠牲にしたのか)ということです。

 

人生、もしくは幸福度や満足度と言ってもいいかもしれません、

次の要素の豊かさを同時に満たすことができるのか、そこにはトリレンマの関係が存在しているように思えます。

経済的豊かさ(お金)、人格的豊かさ(道徳心)、選択の豊かさ(自由)

 

人生のトリレンマ

人生のトリレンマ

 

どれも人生を豊かにするためには重要なものばかりですが、同時に3つを満たすことは不可能ではないかと考えます。

政治経済のトリレンマなどと同様に、バランスの問題にはなりますが、2つを重視すれば、もう1つを高い水準で手に入れることを諦めなければならないという法則になるように思うのです。

 

道徳心と自由を重視すれば、経済的な豊かさを実現することはできないでしょう。

お金と道徳心を重視すれば、影響力のある人格者として、行動も言動も自由に振る舞うことはできないでしょう。

お金と自由を重視すれば、道徳的な生き方には行き着かないでしょう。

 

理論的には不可能ではないと思いますが、人間はそれほど完璧な人はいないため、3つの要素はトリレンマの関係にある前提で、自分の進むべき道を考えるべきではないでしょうか。

孔子ですら、70歳を過ぎてからようやく、以下のような境地に至っています。

七十にして、心の欲する所に従えども、矩を越えず。

(解釈)七十歳になって、自分の心の動くままに行動しても、人の道から外れることがなくなった。

(孔子の言葉/論語より)

 

少なくとも、漠然と全てを手に入れたいと考えて、人生を展望すると、進むべき道がわからなくなる可能性が高くなるように思います。

 

最後に 自分の生き方に沿って自ら選ぶことが肝要

このトリレンマにおいて、もう一つ重要なことは、自分で選ばないと2つは得られないということです。

極端な話、仕事もせず、道徳心もなければ、自分の時間はあり、どう振る舞うかも自由ですが、1つしか得られていないわけです。

また、自分で考えずに、与えられた人生を過ごしていると、いずれも低水準で三角形自体が小さくなってしまいます。

これらの要素を一つでも最大化するためには、自分で選んでそれに向かって目標を立てることが必要です。

すなわち、自分はどんな人間として生きていきたいのか、強く認識するということです。

 

以上、少し極端な考え方を紹介しました。

当然、人生には他の要素もあるため、これだけを考えればよいというわけではありませんが、自分の目指すべきところを考える際には、このように単純化して考えてみると、人生設計が進みやすいのではないかと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

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人生設計のための自己認識、1980年代生まれの人の役割について以下の記事も参考にしてみてください。

 

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