毎年楽しみ高校野球
こんにちは!Jimmyです。
昔から野球が好きで、春と夏、甲子園の季節になると、高校野球を見るのが楽しみです。
白球を追いかけ、必死にプレイする高校生の姿を見ていると感動を覚えます。
甲子園まで何度か足を運んで観戦したことがあります。
また、自分の学校の野球部を応援するために試合会場まで足を運んだこともありました。
私の出身地である愛知県は激戦区で、過去甲子園で優勝を経験している強豪校がいくつもあります。
最近の愛知県ビッグ3といえば、中京大中京、東邦、愛工大名電です。
高校野球にあまり興味がない人でも名前くらいは聞いたことがあるかもしれません。
愛工大名電はイチローの出身校です。
高校生の頃、自校の野球部が快進撃を続け、愛知県大会でベスト4まで勝ち残りました。
この時、他の3校が上に挙げたビッグ3だったのですが、普段机を並べている仲間がすごい学校と対戦するのかと思うと誇らしく感じたのを覚えています。
そんなわけで、高校を卒業してから随分と経ちましたが、高校野球の季節になると、ワクワクする思いが蘇ってきます。
スポーツ強豪校で鍛えられること
甲子園に行くような学校の野球部は、相当鍛えられています。
プロのスカウトが注目するような体格や才能に恵まれた子もいますが、一人では甲子園には行けませんので、チーム一丸となって練習してきたのでしょう。
会社員時代、甲子園に出場したことのある後輩に、当時の高校生活について聞いたことがあります。
やはり野球一色でした。
甲子園に出場したことから、勉強はあまりせずに推薦で大学に進学できたそうです。
私は都市銀行に勤めていましたが、日本の企業では、このように体育会系でバリバリにやっていたタイプが好んで採用されます。(もちろん競技は野球に限りません)

理由は大きく分けて3つあると思っています。
1つは、よく言われることですが、体力と根性があって、辛い業務からも逃げないということです。
2つ目は、与えられた任務を愚直に取り組むことではないかと思います。
誤解を恐れずに言うと、軍隊方式です。
上から命令されたことは、理由なんて考えなくていいからとにかくやることです。
言い訳や矛盾を指摘するようなことは許されない環境です。
「欲しがりません、勝つまでは」の世界です。
それには体育会でバリバリにやってきた人がうってつけなのです。
野球の強豪校であれば、甲子園出場を目標にするでしょう。
甲子園という1つの目標に向かって、チームが一つになり努力します。
途中、苦しいことや、野球以外のことに心を奪われそうになることもあるかもしれませんが、甲子園に向かってそれらを犠牲にして練習に励みます。
3つ目は人間性です。
よく高校野球は教育の一環であると言われます。(高校野球がよく話題になるので、ここでも野球を例にしましたが、他のスポーツでも同様です。)
つまり、強くある前に、正しい人間を目指す人間づくりの場であるとする指導者の方は多いと思います。
そのような信念で監督さんはじめ指導者の方が指導されているからこそ、甲子園での球児に私たちは感動するのです。
相手や仲間への敬意、グラウンドでのキビキビした動き、受け答え、これらを見ていると、本当に気持ちがいいです。
よく教育されているのだと感心します。
気力体力、一つの目標に向かって集団で努力すること、正しい人間になるよう指導を徹底されていること。
この3点が高校あるいは大学で強豪スポーツ校を経験した人に概ね共通して言えることではないでしょうか。
大好きな高校野球を見ながら感じた一抹の不安
私に感動をもたらしてくれる甲子園球児ですが、近年勝手ながら一抹の不安を感じていました。
この子たちは社会に出た後どのような大人になるのだろうか、と考えた時でした。
一部は当然、プロの道に進むことになるでしょう。
しかし、甲子園に出場するようなスーパープレイヤーであってもほとんどは、競技とは関係の無い仕事に就き生活をすることになります。
先ほど書いたように、企業でも、スポーツ強豪校で体育会系の精神を持った人間は引く手数多です。(当然景気動向にも左右されますが)
大企業の幹部は、やはり集団競技のスポーツ出身者が多いと言われます。
私が目にしてきた数々の大企業の幹部クラスの人たちも、そうであったと記憶しています。

敢えて集団スポーツ、体育会系の欠点を挙げるとすれば、
指示された目標にひたむきに取り組むことは得意だが、
・上に対して反対意見を提示したり矛盾点を指摘したりすることが少ない
・アピールが得意、取り入るのがうまい
・価値観の違う仲間を受け入れない
今テレビの前で感動を与えてくれる爽やかな高校生が、いつの日か、私が見てきた企業の幹部のような企業人になっていくことを考えると少し複雑な思いになるのでした。
変化している強豪校の教育
そんな中、こんな話を聞きました。
最近は、強豪校であっても、多くの学校は、昔のような部活動ではないということです。
驚異的な練習量、鬼のような監督、辛抱我慢が強い学校の典型例だと思っていましたが、そうではない学校も躍進を見せています。
世の中は変わっていくものなのだなと感じながら聞いていました。
その後、何気なく見ていると、自分でも気づくことがあります。
野球に限らず他のスポーツでも言えることですが、最近は、監督のコメントや、選手への接し方が変わってきているのを感じます。
昔は、鬼のような監督のもとで、長時間ひたすら練習、なぜか水は飲むなと言われるなど、辛いことや理不尽なことが当たり前で、選手はそれに耐えることが大事でした。
野球であれば、甲子園で勝つためには「監督が7割」と言われたほどです。
監督(指導者)が与える、プレイヤーはそれにいかについていくかが成功のカギとされてきました。
「やる気のない奴は去れ!」の時代です。
私の会社員時代に見てきた強豪校出身の人はまさにこの時代を生きてきた人たちです。
根性論を語らせれば右に出るものはいないのではないかと思います。
テレビ中継を見ていても、よくミスをした選手に鬼の形相で檄を飛ばす監督の姿がありました。
テレビで映っていないところでは体罰も間違いなく激しかったはずです。
私も弱小チームながら、少年時代はスポーツ経験はありますが、特に小中学生のころは、基本的に指導者から怒られるのが嫌で、そればかりを気にしていたため、楽しかった記憶は皆無です。
しかし、最近では、選手が伸び伸びとやっている姿も目立ちます。
実際、気になって調べてみたところ、多くの強豪校では、科学的なトレーニングを取り入れたり、練習時間に頼らない合理的な方法を取り入れたりしています。
メンタルトレーニングを取り入れるような学校もあるようです。
先般偶然お会いした方は、ラグビーの強豪校出身で、今は精力的にマインドセットの重要性を広める活動をされています。
某強豪社会人チームのコーチもされているようでした。
自主性を尊重した監督
公立高校でも活躍する学校が目立ちます。
練習時間や器具は有名私立に比べ劣ってしまいますが、練習方法を工夫して、自分たちで考えながら取り組んでいます。

2019年、春の選抜に出場した公立の進学校、富岡西高校は良い例です。
優勝した東邦高校と一回戦でぶつかり敗れましたが3-1と健闘を見せました。
彼らの野球はなんと監督からのサインが一切無い、「ノーサイン」野球だったのです。
「選手の自主性を育てる」というモットーを掲げ、数年前から取り組んでいるようです。
試合後の監督インタビューでは、「大事な時にサインを出せずにもどかしくなかったか?」という質問に対し、
ここでこういうことやるのか、すごい発想やなって感じるほうが大きいと思いますよ。そんなん、いままでの試合でも随所に見てきました。社会に出た時、ものすごい生きるんじゃないかと思います。選手たちは自由な発想で考えてやっているので、野球が楽しくて仕方ないんじゃないですか
優勝した東邦高校を見ても、監督のインタビューで昔との変化に気づきました。
選手をやる気にさせる言葉が詰まっていました。
試合前に、ドラフト上位候補、エースで主力の石川昴弥選手に対して、「今日は一人で投げて、打ってきてくれ」と伝えたそうです。
選手との信頼関係があることは当然のことながら、言われた本人としたら、嬉しいのではないかと思いますし気合いも入ると思います。
昔であれば、あくまで「チームのための自分」という立ち位置を忘れないように指導するところでしょうが、監督自ら石川君がスターであることを認めています。
私は毎試合、石川君の様子を見てきましたが、浮ついた感じは一切ありませんでした。
非常に人間性の優れている選手という印象を受けました。
(※その後、2019年ドラフト1位で中日ドラゴンズに入団、活躍を期待しています)
プレイ以外の受け答えや、動作も実に素晴らしいものがありました。
監督から信頼され、任されているということが、自分で考えて動くことに繋がるのではないかと想像します。
その結果、人間性の成長に繋がったのだと思いますし、試合でも溌剌とした普段通りのプレイができたのではないかと思います。
現代に必要な社会人
選手の自主性を重んじる動きがもっと盛り上がっていくことを期待しています。
古くからの伝統的な体育会系の人は、気持ちのいい人も多いですが、根性論を振りかざす人や、多様性を受け入れられない人が多く、会社の弊害にもなりかねません。
せっかく学生時代に培った力を、大きな企業で組織の一部としてうまく順応することにだけ使われるのはもったいないと思います。
辛いことを乗り越えてきたことも素晴らしい経験ですが、様々な局面で自ら考え行動したことが、今の時代においては、より価値のある経験なのだと思います。
将来、どんな職業であれ、彼等が自分で選択し、価値を見出し活躍し、次世代を索引する人になってくれることを願います。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
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