日本人の働き方は異常、残業が無くならない理由

日本人の異常な働き方の根底:資本主義と組織

こんにちは!Jimmyです。

日本人の働き方は異常だとつくづく感じます。

外国人が、日本人の働き方は異常だと言いますが、日本人から見ても異常です。

 

健康寿命も長く、一人当たりのGDPも決して低くはない国に生きているのに、人生が豊かに感じられない人がたくさんいます。

多くの人が仕事、働き方に問題を抱えているからです。

 

日本人の働き方が異常であるその背景、組織の独特な実態について、実体験を踏まえてお伝えします。

特に、大きな組織、大企業で働いてきた目線で解説していきます。

 

よく海外と比較され、労働時間の長さや有給休暇取得率の低さが指摘され、時に過労死のニュースなども耳にします。

過労死(KAROSHI)、電通での出来事をきっかけに世界でも知られるようになったこの概念ですが、

資本主義社会では日本に限らず見られることです。

 

言ってみれば過労死問題は資本主義の宿命とも言うべき問題で、他の国でも状況は同じはずです。

資本を増やすことに集中する資本家と、労働者との利害は衝突するためです。

 

そして、いつの時代も資本家の方が立場が強いため、労働者は過酷な条件での労働を強いられます。

資本主義が大きく成長した産業革命期以降のヨーロッパでは、大量生産を目標に、工場では劣悪な労働環境での長時間労働が当たり前となりました。

 

この時代、体調を崩し、命を落とす労働者は現在に比べ、はるかに多かったようです。

以下のような状況が重なったためです。

 

・一日14~15時間労働は当たり前。

・機械化が進み、女性や子供も労働に従事。

・劣悪な住環境。産業革命の影響で人口が都市部に集中。

・インフラ整備が追いつかず、コレラなどの疫病、犯罪が多発。

 

働き方の問題は、資本主義の発展とともに、組織が強大化し、どこの国でも見られる問題となりました。

なぜ日本人の働き方だけが異常なのか?

資本主義における「搾取する側とされる側の関係」という立場の強弱の問題が根本にあることを説明しました。

では、なぜ日本は、他の資本主義国からも異常だと言われるのでしょうか。

 

それは、日本独特の働き方に対する考え方や、周りの人間に対する考え方の問題が存在するからです。

 

独特の考え方、働き方を形成したのは日本の教育と、日本の組織文化(終身雇用、年功序列)です。

”出る杭”にならない、平均的で、横並びの人間を育てる教育、終身雇用と年功序列がもたらした極めて非効率な組織体制

この二つが他の資本主義国と異なる日本独特の状況です。

 

詳しい説明については以下のページをご覧ください。

 

これらの独特の問題が大変厄介と言えます。

結果的に日本人がどんな異常な働き方をしているか、実際に現場にいたときの体験をもとに実態を紹介します。

残業する理由 ”現場からの生の声”でわかる異常さ

働き方が異常だという声の中で最も多いのが、

「働きすぎ(残業ありきの働き方)」

「家族よりも会社を優先」

といった内容です。

 

そこで、実際に私が11年半、日系大企業文化に接してきた中で目の当たりにし、実際に聞いた残業をする理由と実態について列挙します。

大きく4つの型に分けました。

職種については、フロント部門からバック部門まで様々な人の実態(生の声)を集めました。

 

1、上司の指示や無駄な作業により残るタイプ

外部要因型

・上司が残業好きで、遅くまで残っているので部下が帰りにくい

無駄な会議や作業が多く、時間を取られる。

・報告等の内部関係書類に時間を奪われる。特に役員対応。

 

とにかく無駄な会議と作業が多く、効率が極めて低いことを嘆く声が多くありました。

 

問題発生時の会議、方針策定のための会議、週次会議、月次会議。

さらに、会議のための会議、その準備会議のための会議、役員報告のための会議、役員会議後の会議。

それに伴う資料作成等の作業が発生することで、さらに時間を浪費。

「上ばかりを見ている」と言われることが多い、典型的な縦長組織の弊害です。

 

特に役員が関係すると、作業量は膨大になります。

図表の見やすさや体裁にこだわり、整った資料を作るのに非常に多くの人と時間が費やされます。

ある意味、外部のお客さんに見せるものよりも気合を入れて内部資料を作っている人も見かけます。

効率的な仕事をして成果を上げることよりも、上に気に入られること、波風立たせず、問題を起こさないことを第一に考える組織の体質が出ています。

 

2、積極的に残業を選択するタイプ

自己要因型(積極系)

・そもそも仕事が好きだからたくさん仕事したい。残業は苦にならない。

残業が好き、静けさの中でまったりダラダラ作業するのが好き。(本部系の人に多い)

・残業している時、自分は頑張っていると感じる、または優越感を覚える。

・残っていれば何かいいことがあるかもしれないと思う。残っていた方が得。

・評価されたい欲求によるアピール。長く働く人=努力する人、貢献している人という思考回路。

・一体感を感じる。
(苦労を共にすることで生まれる一体感、同じ釜の飯的なつながり。そう言う人たちは深夜に退店後、さらに飲みに行くこともある)

 

まさに、特筆すべき日本人の特徴です。

日本人の働き方が異常と捉えられる原因はここにあるかもしれません。

残業を肯定的に捉えているのです。

 

こういう人たちは、誰に圧力をかけられるわけでも、強要されるわけでもなく、進んで残業をするのです。

たとえ仕事がなくてもです。

 

残業することがライフワークになっている状態です。

自己陶酔している人も大変多く見かけました。

好きでやっているため、会社のせいでも何でもないのです。

しかも少数ではありません。

 

更に、自分だけではなく、部下や後輩に対して、同じような価値観を押し付ける人もいるのが現状です。

同じような人が増殖していくわけです。

 

3、ネガティブな理由から残業するタイプ

自己要因型(消極系)

・自分がいない時、トラブルが発生したら余計に面倒。帰るのが不安

・営業成績が思わしくない中、早く帰るともっと面倒なことになる。
(例:会議、説教タイム、現状分析、新たな方針策定等余計な作業が増える)

・顧客がいる昼間は営業活動に専念し、残業覚悟で外出中心の姿勢を示す。

・夜に社内業務をすることで、やるべきことはやっていることを社内で示す。

・残業代が欲しい。(ローン等、残業代を見込んでの各種人生設計)

家庭に居場所がない、またはやることがない。

 

年配の世代に多いのが、残業代欲しさに残るという人、そして家に居場所がないため残るという人です。

無駄な残業なのですが、会社のために懸命に働く社員であるという自己防衛の暗示をかけているためなかなか更正しません。

 

一方、若手で多いのは、早く帰るのが不安になるケースです。

残業をする人を、熱心で仕事のできる人であると肯定する文化のため、そのような思いに陥ってしまいます。

 

帰った後に顧客トラブルなどが発生し、上司から電話がかかってくる。

夜遅くに上司や先輩からこれ見よがしのメールが入っている。

翌日の朝に見て、嫌な気分で一日がスタートするなどということはよくある話です。

それなら、残っていた方がまだ安心ということになります。

 

4、その他の理由

その他

・システムが悪いから作業に時間がかかる。もっとIT投資するべき!(大企業は何でも最新の設備が揃っていると思われがちですが、日本の大企業の多くは、意外とそうでもないのです)

・成果を出すのみ。残業するしないは関係ないのだ。文句は結果を出してから。欲しがりません!勝つまでは!

敢えて詳細を書くことはしませんが、いつぞやの昔を想起させる、時代錯誤な人が現代でも組織に数名はいるものです。


 

理由は上記の通り、人によって様々ですが、言われなくても自ら残業をするという人が大多数になるのです。

そうなれば、横並びの、間違った「和を以て貴し」とする文化により、残業ありきの体制が当たり前になります。

お互いが悪い影響を与え合い、残業することを前提とした動き方になってしまうのです。

働き方改革と一言で言っても本当に様々な考え方の人がいるため、一筋縄にはいかないわけです。

それでも働き続けますか?

いかがでしたか?

実際の声をもとに色々書いてきましたが、特に大組織に入ると、上記のような様々な人がいて、当然その人たちとの関わりの中で仕事をして行く必要があります。

そこで、自分だけが己を貫くというのは、なかなか難しいことであるということは、実際に組織にいた立場としてよくわかります。

(実際私には出来ませんでした。最終的に、辞めるということにしましたが)

 

こういう組織にいても精神的に問題ない人、もし今まで書いてきた状況を無理なく受け入れられる、むしろそれで給料がもらえるのならよいではないかと思う人は、従来型の企業にいても問題ないでしょう。

 

今の時代、これからの時代、大企業でも生き残りが難しいと言われますが、この30年で東証1部上場の大企業の多くが次々に無くなるとは思えません。

波及する影響が大きすぎるため、国も潰さないはずです。

(やりがいは別問題です。つぶれるかつぶれないかでいえば、依然大きい企業のほうがつぶれにくいという意味です)

 

一方、このままではどんどん自分の精神がすり減って、退職する頃には退職金以外何も残らないと危惧する人もいるはずです。

その場合は、一度立ち止まってじっくり考える時間が必要です。

 

考えないと、時間だけが驚くほど速く過ぎ去っていきます。

本当に、あっという間に3年、5年、10年が経過してしまいます。

 

自分の人生です。

自分で達成したいこと、こうありたいと願う自分像ともう一度向き合うべきでしょう。

今の自分の延長線上で達成できるのか、時間をしっかりかけて考えてみるべきです。

流されるのも、諦めるのも、まだまだ早いと思われる人が大変多いように感じます。

一度立ち止まって、進むべき道を考える

じっくり考えてみた結果、「今のままでは、ただ疲弊していくだけだ!」と思う人は、ぜひ回避してください。

大きな組織にいれば、明日組織がなくなるような心配をする必要は、比較的少ないかもしれません。

一方、そこにいて、自分が生きる意味とやりがいを認識できているのか、それができる環境にはあるのかという問いはいつも持っておくべきでしょう

 

自分の行動や考えを改めることで、今の組織で、仕事のやりがいを見つけられることもあるかもしれません。

環境を変える必要性を認識するケースもあるでしょう。

規模や知名度だけでは測れない、魅力のある企業も実は日本にも多く存在します。

また、今の時代、多くの情熱を持った起業家が会社を興し、またそれを支援する(資金の出し手)側の土壌も整備されつつあります。

個人で活躍する人も増えていますし、新しい働き方として認知されてきています。

視野を広げてみれば、様々な選択肢に気づきます。

 

繰り返しますが、多くの日本人の働き方は異常です。

その異常な働き方をリードしているのが、今いる組織や今の自分自身であるかもしれません。

 

周りの輝いている人はどんな人ですか?

こうなりたいと憧れる人はどんな人ですか?

今の組織にそんな人が一人でもいるでしょうか?

 

是非立ち止まって自分の人生を考え、自分で選択して進んでいただきたいと願っています。

以上、ここまで読んでいただいてありがとうございました。

 

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