社内政治や見せ方だけにこだわる仕事の大きな弊害

こんにちは!Jimmyです。

複雑に人の立場や思惑が交錯する世の中、仕事をすると様々な問題にぶつかります。

そんな中、社内政治や、いかに上手に見せ方を工夫し、人を動かすかといったテクニックが注目されることがあります。

文字通り、本物の政治の世界では、当たり前のように繰り広げられている光景です。

職場を見渡せば、このようなことに長けた人は、少なからずいるものです。

 

しかし、社内政治や見せ方だけにこだわる仕事では、弊害も大きくなります。

そのような組織は疲弊し、信頼関係も、豊かな発想力も生まれにくくなります。

今回は、社内政治が必要とされる理由にも言及しながら、弊害を示していきます。

目指すべき方向性を考えるきっかけになればと思います。

社内政治が必要と言われる理由

社内政治や、上手な見せ方と聞くと、ほとんどの人が、あまり良い印象は持たないと思われます。

一方で、組織で活動する以上、やむを得ない、必要だと考えている人も多いのではないでしょうか。

実際、至るところで当たり前に見られる光景です。

社内政治が必要だとされる端的な理由は、「きれい事だけではやっていけない社会だから」ということになります。

もう少し詳しく、3つに分けて説明します。

 

複雑に関係する利害

複雑な社会に生きていれば、様々な立場の人と関わります。

正論だけでは、動いてくれないこともあります。

それぞれが、自分一人の意思で動けるわけでもありません。

誰もが、複雑な利害関係に囲まれています。

 

そこで、「調整」が必要になるということです。

いかに、正当性を付与できるか、気持ちよく動いてもらえるか、動かざるを得ない状況に持っていくか。

権威や他者の威光、人脈、都合の良いデータなどを駆使して人を動かしていくことで、スムーズに進むこともあるでしょう。

 

人を動かす要諦は損得

多くの人が動く原理は、正義や公平ではなく、損得であるということも、社内政治や見せ方重視に走る理由の一つでしょう。

政治家の中でも、特に人心掌握が得意だった人の代表格と言えば、田中角栄元総理でしょう。

当時、田中角栄氏が学んだ、裏社会の大御所の言葉があります。

 

この人に尽くせば自分に華を持たせてくれる、自分は得をする、そう思う。これが人間心理だ。人を動かす要諦は損得だ。義理も人情も忠誠も、とどのつまりは損得につながっている。これは是非ではなく、人間とはそうしたものであるということだ。

向谷匡史著 『田中角栄の流儀』より引用

 

社内政治や見せ方は、孫子の兵法や、戦国時代の権謀術数に例えられることもあります。

それらも、要は利害得失に基づいて、手段を選ばず合従連衡を繰り返すことです。

 

悪意の存在

仕事をする上で、自分は正しくあろうと心がけていても、他者の悪意に接する機会はあるものです。

つまり、自分を陥れようとする人の存在です。

そのような目的をもった人に対して、正義、誠実さ、あるいは正論だけで対抗するのは難しいこともあるでしょう。

悪意の存在も、かわし手としての政治能力、上手な振る舞い方が必要とされる理由の一つです。

社内政治や見せ方重視の弊害

先に、社内政治を支持する、あるいは致し方ないとする見方を示しました。

それを踏まえて、ここからは弊害を示します。

 

実態から離れる無意味な作業と疲弊

ある目的を達成しようとしたとき、社内政治や見せ方を重視すると、仕事が増え、さらに実態から離れます。

Aという企画を通すために、正攻法であれば、しっかり企画書を作り込み、関係部署に必要性を説明することになります。

敢えて示すまでもない、当然のことです。

 

一方、社内政治を駆使すると、影響のある上席者を味方につけたり、事前にキーマンに根回しをして周りから固めたりといった行動が増えます。

常日頃から、キーマンとなる人物と飲みに行って、個人的な関係を築いておくということもあるでしょう。

これだけでも、正攻法と比べると、かなりの手間を要します。

それでも、明確且つ有意義な目的があれば、それをやる意味はあるかもしれません。

 

しかし、見せ方にこだわりすぎると、多くの場合、意味のない目的のために奔走するということが増えます。

Aという企画を実現させるためではなく、いつの間にか、いかにアピールするかが目的になってしまうことはよくあります。

社内政治や見せ方というのは、読み合いであり、先回りであり、根回しです。

 

当然、作業量や関係人物は増えます。

調整から後処理までを考えるとさらに大変です。

本来の目的とは関係ないところで、余計な作業をするようになります。

ここが重要ですが、正確には「させるようになる」ことが多いでしょう。

部下や後輩に、社内政治のための作業をさせるのです。

 

ここで言いたいことは、影響力が大きい人が、社内政治や見せ方にこだわるほど、周りは疲弊するということです。

 

冒頭のツイートには、現代ビジネスの記事を添付していますが、これは、首相が見せ方にこだわった例です。

バイデン大統領との会談という大きなイベントを前に、「見せ場を作りたい」と実務担当に強烈に要請したようです。

つまりパフォーマンス目的です。

 

具体的には、二人っきりでの会談の実現、桜の鑑賞会、食事会、迎賓館での宿泊など。

コロナ問題がある中、基本的には全て断られたようですが、それでも交渉させ、何とかねじ込んだのが、20分ほどの1対1対談だったそうです。(記事によると、通訳も入れるため実質10分)

食事会の要素を入れるために、なぜか、席にはハンバーガーが置かれていたということです。

大変滑稽な光景です。

 

国の首脳同士のイベントです。

この規模になると、交渉(所謂どのボタンを押すか)や関係人物も複雑になり、困難を極めるはずです。

この交渉に関係した人の数、徒労感は相当なものであったことでしょう。

権力者の懐に入るのが上手く、首相とも良好な関係を築いている秋葉剛男外務事務次官でさえ、周辺に「今回ばかりはほとほと疲れた。余計なロジの調整でこんなに手間取ったのは初めてだ」とぼやいた。

(現代ビジネス記事より引用)

 

ロジ周りのプロでさえ、このように嘆くのですから、よほどのことだったのでしょう。

これほどの規模ではないにせよ、同じような無意味な作業と徒労感は、多くの組織に存在するのではないでしょうか。

 

心理的安全とは真逆に向かう

信頼関係構築という面でも、社内政治は問題です。

本当の信頼関係はできないということを指摘します。

 

社内政治をするということは、先程も触れましたが、利害得失に基づいて、手段を選ばず合従連衡を繰り返すことです。

権謀術数に長けた人が味方にいれば、心強いかもしれませんが、敵になったらどうでしょう。

信頼できるでしょうか。

そして、敵となっても正々堂々とできる関係性を、その人と築くことが可能に思えるでしょうか。

おそらく、それは不可能でしょう。

 

私自身、長い間経験してきたことですが、そのような人と接していると、人格の土台がわかりません。

一人の人間として、真に信頼することはできません。

まさに、立場が重なれば同じ方向を向く、局地的な合従連衡に過ぎません。

 

1兆ドルコーチとして、Googleはじめ多くのIT幹部を導いたビル・キャンベル氏も、政治的な駆け引きに警鐘を鳴らしました。

Googleでは、そのような社内政治は無いと言われています。

 

ちなみに、Googleが、高いチーム力を発揮できる大きな要因の一つに心理的安全が挙げられます。

心理的安全とは、チームの中の誰がどのような発言をしても、拒絶されたり、罰せられたりする心配のない状態を言います。

馴れ合いの関係とは違う、緊張感はありながらも、いつでも正直で忌憚のない意見をぶつけ合える関係です。

土台に、個人個人の人格への承認があります。

高度な信頼関係の上でこそ成り立つチーム状態です。

 

この状態は、社内政治が横行する組織とは真逆であると言えます。

権謀術数のせめぎ合いの中にいあるか、心理的安全の中にいるか、この違いは、個人としての方向性にも大きな影響を与えることでしょう。

 

まとめ 個人にも組織にもマイナス

社内政治、見せ方を重視する人たちは、利益や組織のためには仕方ない、結局は組織のためになっていると言います。

果たしてそうでしょうか。

会社のためにとは言っても、それこそ正当化の一部であり、結果的には多くの無駄な作業や徒労感、疑心暗鬼を生むことになります。

そこに、満足感ややりがいが生まれるでしょうか。

 

権謀術数を駆使する人を、できる人、すごい人だと思うことはあっても、そうなりたいと思えるでしょうか。

土台となる人格がなければ、正しい方向へは進みません。

多くの場合、社内政治や見せ方だけにこだわりすぎると、人格の衰退を招きます。

人としての土台を欠いた組織に、幸福感はないように思います。

 

経済情勢が思わしくない昨今、チームとして生き生きしている組織はどのような運営がなされているでしょうか。

社内政治や、上手な見せ方を賞賛する声も、未だに少なくありませんが、よく注意して見る必要があります。

以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

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