「自分の市場価値」という危険な考え方に警鐘を鳴らす

自分をどこかに売り飛ばしたいのか?

こんにちは!Jimmyです。

「自分の市場価値を高めたい」と言う人をよく見かけます。

「マーケットにおける自分のバリューを最大化したい」とわざわざカタカナ語を使って言っている人もいます。

 

どちらも同じ意味だと思いますが、大変違和感を覚える言葉です。

欧米系の外資系コンサル会社や金融会社が使っている言葉を人材会社も便乗して使うようになり、今では転職サイトなどでよく見かけるキャッチフレーズとなりました。

 

市場の価値とはすなわち、モノが取引される際の価格です。

 

転職する際の給与や役職の目安になる、その人の仕事から生み出される価値のことなのかもしれませんが、

人身売買じゃないんだから、自分に価格をつけなくても、と思ってしまいます。

 

本来、人は、市場価値などという物差しで測れないような複雑な構造を持っています。

 

保持している資格、業界の経験、実績は確かに重要です。

”自分の市場価値”と呼ばれているものは、それらに伴って上下するのでしょうが、それだけで人の価値は決まりません。

 

モノは、原価から、売り値、産地、材料、特徴、性能まで詳細まではっきりしています。

多くは汎用化されており、大量に流通しているため価格をつけやすくなっています。

 

人間は当然ながら汎用化された人などいません。

欧米企業の影響で、日本でも、人を”人材というモノの市場”として捉え、そこに価値をつけるような考え方が当たり前になった結果、人を人とも思わない会社が増えています。

その結果、自分の価値を高めることに注力した人が、喜んでそのような会社に飛び込み、ロボット(モノ)のように働いているという皮肉な現状が広がっています。

 

差別化のつもりが大衆化路線まっしぐら

自分の市場の価値を高めるということを最大の目標として、日々、資格の勉強に勤しみ、常に転職というキャリアアップを考えている人が大変多いという現状があります。

資格や経験という武器を持ち、多くの人と差別化ができれば、より好待遇で企業に雇い入れられるのかもしれません。

 

しかし、自分の市場価値を高める目的でやっていることは、むしろ大衆化路線を一直線に走っているのと変わりません。

なぜなら、他の人でもやろうと思えばできることばかりを目指しているからです。

 

資格なら、極論を言えば努力すれば誰でも取れます。

同じ”証券アナリスト”という資格であれば、それを持っているという意味では全く同じなのです。

 

また、ある業界での役職経験という意味においては、経験年数や、所属していた会社などで判断されます。

言ってみれば、他にも探せば同じ人はいるということです。

 

市場の価値というくくりで考えるなら、”代わりはいくらでもいる人材”の完成です。

もちろん、希少性や難易度によって人材の寡多は違うのでしょうが、結局は、大衆化された物差しの上に自分から乗っていくようなものです。

自分の市場価値という概念の危険性

自分の市場価値を高めることばかりを考えていると、大切なことを見落としがちになります。

以下にその危険性を記載していきます。

 

視野の狭い判断基準

市場価値を高める一般的な方法は、資格取得などのスキルアップと経験値を積むことです。

逆にいうと、その辺りでしか市場価値を測れないということです。

 

本来、それ以外にも、会社で仕事をこなすためには必要な要素はたくさんありますが、それらは、会社によって、さらに状況によって求められる内容が異なるため、一概に価値として表すことができません。

そのため、資格を持っていることそれ自体に価値を見出すようになります。

また、業界の経験など自分の経験値自体が、自分に価値を与えていると考えることが多くなります。

 

その結果、経験や資格、業務スキルだけを重要視するようになり、その他の要素がごっそり抜け落ちてしまいます。

ただの資格ホルダーであったり、名ばかり管理職であったりしても、自分でそれに気づきません。

狭い判断軸でしか考えられなくなっていると言えます。

 

自分像の放棄

先ほど記載した通り、差別化のつもりで、市場価値を高めるためのスキルアップをしている人は、えてして大衆化の波に飲まれます。

資格があれば、自分の価値が上がる、キャリアを積めば自分の価値が上がると思っているため、それ自体が目標となり、自分の理想とする人間像を持つまでに至りません。

 

スキルやキャリアが自分像を形成すると考えている人もいるかもしれませんが、人間の核となる部分は、スキルや経験そのものではありません。

 

その人が持つ物の見方、経験から考え抜かれた価値観、つまり考え方自体が核であり、成果物の品質に大きな影響を与えると考えるべきです。

成果物以上に、周りに与える影響や、社会に与える影響も大きいと言えます。

これらは、自分の生き方を大局的に見つめながら、自分と向きあい続けていないと確固たる方向性を見出すことができません。

 

人生設計が、資格(スキル)とキャリアアッププランしかない人は、確固たる信念がないブレやすい人間になりやすいのです。

 

打算的な人間関係

人間を市場価値で考えるような人の多くは、仕事を成果を出すための手段と考えます。

それ自体を否定するつもりはありませんが、全体的に無機質な印象な人が多いというのが実感です。

 

人間関係は、利用する価値があるかないか、成果を出すにあたって、単純に自分個人にとって損か得かという判断基準が根付いており、人間関係の構築はそれに基づいて行われます。

 

プレイヤーのうちはまだそれでもいい部分はあるかもしれませんが、上に立つような人がこの考え方でいると、部下は疲弊します。

 

この人についていきたいと思われるような上司にはなり得ないでしょう。

人格者としてのリーダー資質を持つ人は、このタイプにはほとんど存在しません。

 

求められる能力+持っているアイデンティティで勝負

自分の市場価値という概念は要らない

会社などの組織に所属する以上は、組織が求めるスキルや目標があるのは当然です。

方針に従って動くことも必要です。

これを任務を遂行すると呼ぶことにします。

 

大事なのは、任務を遂行するのは、資格やスキルではないということです。

資格やスキル、経験を活かして、人を動かしていく必要があります。

 

会社の状況や相手方によっても、進め方は異なります。

簡単にはいかない局面も多く出てくることでしょう。

そんなときに、考え方がブレていては、うまくいくものもいかなくなります。

 

資格や経歴などではない、自分の人生の価値観そのものをぶつけていけばよいのですが、

そのためには自分の市場価値などという考え方をやめて、自分がどう生きるか、どういう形で社会に貢献していくのかという問いに常に向かい続けることが必要です。

 

それがあってこその、知識・スキルです。

 

最後に、重要なこと

今の職場や転職・就職希望先の人が、

「マーケットのバリュー⤴︎」などと、「したり顔」で話しているのをみて、かっこいいなと思ってはいけません。

 

相談に乗ってもらったところで、「君の言っていることはノーバリューだよね。」と言われて圧倒されてはいけません。

 

まずは、その人の人間性をできる限り観察してみてください。

「弱い犬ほどよく吠える」という諺があります。

「能ある鷹は爪を隠す」もまた然りです。

 

話をしていると、難しい言葉を使う割には、薄っぺらい発言が多いことに気づくはずです。

私の経験上(当然私の好き嫌いの向きもありますが、、)”マーケットのバリュー系の人”で、本当に価値のある仕事をしている人は大変少ないです。

 

やはり、自分の信念や考え方に裏付けされた価値観に基づいて、何かを成し遂げようとする人と、自分の市場価値を高めることばかりを考えている人とでは、輝きが違います。

 

前者には、考えていなくても、自然と価値がついてくるものなのだと成功者を見るたびに思います。

自分の市場価値という概念にとらわれている自分を解放してみてはいかがでしょうか。

 

以上、ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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