「恩返し」と「恩送り」という考え方が今必要な理由

こんにちは!Jimmyです。

今回は、「恩返し」と「恩送り」という考え方について、今一度見直します。

考え方としては、昔から当たり前に言われていることですが、昔話のようになっている現状もあります。

日常生活に、取り戻すべき感覚があるのではないかと思います。

恩返しと恩送りとは?

人から受けた恩を忘れないこと、いつかその恩に報いること、返すこと、これが恩返しです。

昔から言われてきたことでもあり、「鶴の恩返し」などでも知られています。

鶴は、助けてくれたおじいさんを目当てに訪ねて行きます。

 

一方、あまり聞かないのが「恩送り」という言葉です。

人から受けた恩を、直接その人に返すのではなく、別の人に無償の恩を送るという意味になります。

 

つまり、「恩」という親切な行為の循環が、より作られやすい概念と言えます。

自分が受けた恩を、誰か別の人に送る。

こうして、学校、職場、社会といった集団に、良い人間関係がもたらされることになります。

 

「恩送り」は、最近作られた言葉ではなく、江戸時代頃には使われていたという説もあるようです。

少なくとも、恩が循環する概念としては、「情けは人の為ならず」という言葉で浸透していたと言えるでしょう。

微妙にニュアンスは異なりますが、他人にかけた情けは、巡り巡って返ってくるという意味です。

恩返し、恩送り、いずれも、日本の文化に根付いている大切な考え方です。

今恩返しの意味を考えるべき理由

恩返しというプレッシャー

恩返しが大切であることは、日本人であれば誰でも知っています。

一方で、資本主義の世の中、行為や時間に関して、金銭的な価値で考えられることが多くなっています。

そのため、金銭的な損得勘定が、行動原則と言ってよいほど浸透しています。

 

そうなれば、恩を受けた時に、嬉しさよりも、プレッシャーや負い目を感じてしまうことも増えるでしょう。

相手に対して、何か別の意図がある、何かしらの得を受け取ることを期待しているのではと想像します。

何かを返さなければという義務感も生まれるかもしれません。

 

事実、見返りありきで、戦略的に恩を売るという行為は一般的に見られます。

身構えるという対策も必要になってくるわけです。

何かをしてもらった時に、咄嗟に出てくる言葉が「ありがとう」ではなく「すみません」という人が多いのもわかります。

 

接待のお呼びがかかったのであれば、相手には必ず、別の目的があります。

接待攻勢で負い目を感じないよう、接待の星取表で管理している組織も珍しくはありません。

 

恩とは無縁の契約社会

そこで、今の世の中で普及しているのが、契約という概念です。

お互い、恩ではなく、契約の範囲、仕事の中の義務、組織の役割において行動するという考え方が一般的になっています。

 

部下が、会議のための資料整備や、出張の段取りをしてくれても、当たり前の行為とされます。

部下としても、自分の仕事として割り切っていることでしょう。

 

法律的にも、何かしらのサービスを受けるという行為は、契約行為と解釈されています。

契約を履行されているかどうか、決められた対価を支払ったかという視点で見られることになります。

両者が契約通りに動けば、負い目を感じることもありません。

恩返しという概念が登場する機会を少なくしていると言えます。

 

恩返しは義務的なものでも損得でもない

誰もが認識している通り、本来の恩返しとは、上記のような戦略的な手段でも契約履行でもありません。

上記で見てきた戦略的行為に対するお返しは、恩返しではなく、借りを返す、バランスを取るという言葉が当てはまります。

 

こうしてみると、受けた恩に感謝して、純粋に、相手に対してよくしたいという気持ちになること自体が貴重に思えます。

 

さらに言えば、そのような関係があれば、極力大切にしたいものです。

親子の関係などは典型ですが、利害関係のない、昔からの友人も尊いと言えます。

 

簡単ではありませんが、仕事関係においても、そういった関係構築は不可能ではないはずです。

できるかぎり、信頼を築き、大切にすることで、人間関係も精神も安定してくるように思います。

純粋に恩返しできたときの気持ちは、義務感や損得を通り越して、爽やかな満足感があることでしょう。

今恩送りが必要な理由

親切の循環で幸福感アップ

恩を受けた時に身構えてしまう。

利己心、損得の上に成り立つ貸し借りの色合いが濃くなる。

そのような現代社会の特徴について述べてきました。

 

そこで、恩返しという考え方だけではなく、今の時代、恩送りの考え方が、一層重要になるように思います。

誰かから受けた恩を、他の人に送るという考え方は、ギブアンドテイクのような前提がありません。

恩を受けた時の、過度な負い目をなくす効果も期待できます。

 

何より、無償の親切を受けて、素直に喜べない、感謝できない社会は、幸福感に繋がるはずもありません。

恩を受けたから返すという意識ではなく、誰かに恩を送ろう、親切にしようという心構えでスタートできます。

恩、親切、善行の循環が浸透すれば、「すみません」よりも「ありがとう」が多くなることでしょう。

より多くの人が、「恩送り」という言葉を共通的に意識することができれば、幸福感もアップするはずです。

 

世界で行われるPay it forward

資本主義の世の中、日本だけでなく世界中で同じような問題が起きていると考えられます。

英語圏では、「恩送り」と同じ意味で、「Pay it forward」(先に払う)という言葉が使われているそうです。

世界共通の傾向と見ることもできるでしょう。

 

人間ですから、100%まっさらな善意で恩を送ろうとすることはできないかもしれません。

金銭的、物質的な見返りを期待しないとしても、自分が得られるであろう高尚な満足感は想像しているはずです。

その部分を見て、結局は偽善ではないかと考えることもできますが、ここでは深く掘り下げません。

それでも、恩送りという考え方は、今の資本主義社会にもたらす効果は、大いに期待できると思います。

 

行き過ぎた自己責任論、不寛容、無関心な社会を改善するために必要な考え方です。

まずは、自ら爽やかに動いてみることが重要かと思います。

その先に、恩送りの循環が広がる世界があるはずです。

 

以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

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