人生に疲れたら立ち止まって読んでみよう
こんにちは!Jimmyです。
日々慌ただしく過ごす毎日でも、時には人生について考えることもあるでしょう。
忙しく働いているのに、仕事もそれなりに順調なのに、なぜか幸福感を得られないこともあるのではないでしょうか。
ふと人生について、根本的な疑問が浮かんだ時、指針となるのは、先人の知恵であり、成功者の事例であり、徳を積んだ人の言葉です。
少し人生に疲れたと感じた人のために紹介したい本があります。
今回は、過去にほとんど例をみない、大変な修行を満行されたご住職である塩沼亮潤大阿闍梨の著書を紹介します。
書かれている内容は、人生で大切な考え方についてですが、一言で言えば当たり前のことになります。
当たり前ですが、大変重要なことです。
そして当たり前だからこそ、普段私たちは考えることもなく、疎かにしがちになります。
昔から、親や先生からも日常的に大切にしなさいと教えられてきたことばかりです。
当たり前のことを言われても、聞き流してしまうのが人の性です。
そんなことは知っている、わかっていると思ってなかなか心に響かないのです。
そこで、今回ご紹介する塩沼大阿闍梨なのですが、
とんでもない過酷な修行をされたすごいお坊さんなのです。
過酷な修行に加え、当たり前のことを日常の行として長年積み上げられてきたからこそ導ける言葉があります。
並大抵ではない修行を満行された人が悟った人生の境地とは何なのか、それが俗に言う「当たり前のこと」を大切にすることであったということです。
一読してみると、きっと感じるものがあるはずです。
著書の紹介
著書: 人生でいちばん大切な三つのことば
著者: 塩沼亮潤
著者紹介、塩沼亮潤大阿闍梨のすごさ
まずは、著者が経験(満行)されたすごい修行を紹介します。
過去1300年で2人しか達成したことがないと言われている、大峯千日回峰行という修行です。
(ちなみに、「千日回峰行」の修行という意味では、他にも満行された方はおられます。大峯山における千日回峰行満行が1300年に2人だけということです。)
大峯千日回峰行とは、奈良県吉野にある大峯山にて合計1000日間で、地球1周分の距離を歩く修行です。
高低差1300メートル以上の山道48キロを16時間もかけて往復します。これを4ヶ月間連続で1日も休むことなく行います。
これが1タームです。
山頂には雪が降ることもあれば、山をくだると三十度を超える暑さということもあるそうです。
もちろん、高性能の登山靴は履かずに草鞋(わらじ)です。
身支度は当然自分で準備する必要があります。
さらに修行の後半になると、「四無行」と呼ばれる最も過酷な修行が待っています。
9日間、食べない、飲まない、寝ない、横にならない状態で、ただひたすらお経を唱えます。
まさに極限状態です。
通常人間は3日ほど水分を断てば死に至ります。
どれほど過酷な修行なのか想像もできません。
そして過去に達成者がほとんどいないというのも頷けます。
この修行をしている人は、常に短刀を身につけており、修行が満行できない場合、断念する場合は自害するという昔からの掟がある厳しいものです。
ちなみに大阿闍梨(だいあじゃり)とは、この修行を満行した人に与えられる称号です。
著書の概要
そんな塩沼亮潤大阿闍梨が、千日回峰行での極限状態でどんな心境になったのか、そしてどんな悟りを得たのか、人生を生きる上での大事な考え方が書かれています。
冒頭にも書いた通り、おっしゃっていることを簡潔に述べれば、日常生活において、昔から言われてきた、人として当たり前のことを大事にするということに尽きます。
それは3つの言葉に集約されています。
ありがとうという「感謝」、すみませんという「反省」、はいという「敬意」です。
本当に簡単な言葉で表されています。
千日回峰行の中で、極限状態になった時に、どんな心境になったかを、以下のように語られています。
なんでもない当たり前のことが涙が出るほどありがたく、三度三度の食事をとることも涙があふれ、いま生きていることに感謝がつきません。
そこから少しづつ人生でいちばん大切なことが感じられるようになってくる。
それが、上に述べた、感謝、反省、敬意という言葉です。
著者が極限状態で感じた大切なことは意外にも、私たちが小さい時からよく言われている人として大切なことに相違ありません。
そんな当たり前の中に、人生の大切な要素があり、
幸福を感じることができる人間になるために必要な感覚があるということがわかります。
感想、大事にしたい学び
一度は聞いたことのあるような言葉が多いのですが、その大切さを考えることに、本書の意味があると思います。
素晴らしいと感じた本書の学びを振り返ってみて、言葉にしてみると、どれも目新しいことではありませんでした。
- 心の針をマイナスに振れさせない
- 日常の中で人格を磨くこと
- ささいなことにでも感動できるかどうかが成長のカギ
- いつもお天道様が見ているという素朴な信仰心を持つこと
- 感謝の気持を持つこと
逆に言えば、読むことで、当たり前に思えるこれらのことの真の意味、大切な効果を再認識することになるということです。
日常こそが「行」である
修行をされている多くの方が同じように仰るのが、日常を大事にすること、日常が行であるということです。
人に見えないところも含めて、1日1日を精一杯に生きること、日常の当たり前のことを大切にすること。
規則正しい生活、正しい行いをすることが、人生を良い方向に導くと言われます。
毎日やっていることであれば、つい疎かにしがち、他のことを考えながら取り組むことが多いものです。
毎日の当たり前のことだからこそ、毎日同じ調子で続けることが難しいという指摘はまさにその通りかと思います。
挨拶から、動き方、振る舞い方、表情まで、何も考えずに過ごしていることが多いということに気づきます。
でも実は、「はい」の一言、「ありがとう」、「すみません」の一言に態度、感情、敬意が出ます。
いつも同じように誠意を持って続けることを、本書では繰り返し説かれています。
偉いお坊さんでも、苦手な人がいた
どんな人にでも分け隔てなく、同じ気持ちで接すること。
こんなことができるのは、まさに偉いお坊さんくらいかと思っている人が多いのではないでしょうか。
一方で、千日回峰行を満行された著者であっても、昔は苦手な人もいて、その人に対してよくない感情をぬぐい去れなかったことも振り返っておられたのが印象的です。
偉いお坊さんでも、全ての人に敬意を持って接する、同じように振る舞うことがなかなかできなかったということです。
よって、そのような感情があっても普通の人であれば致し方ないことだとも仰っています。
そこで大切なのは、怒りや憎しみが先に立っても、頭のどこかで、いつかは相手を好きになりたいという気持ちを1%でもとどめておくべきというアドバイスです。
少しでもこの気持があれば、徐々に大きくなっていくことも可能です。
これなら、到底不可能なことではなく、1%でよいのならと、何とか思いとどまることができそうです。
苦闘しながら経験を積み重ねていくうちに、人の痛みや苦しみがわかる人間になれるということでしょう。
まとめ
塩沼亮潤大阿闍梨が過酷な修行と鍛錬を通じて得た悟りとは、私たちにとって決して目新しいものではありません。
「当たり前」と言われていることです。
当たり前すぎるが故に、だれもが疎かになりがちで、極めることが難しいことなのかもしれません。
日常こそが行であり、お坊さん、一般人を問わず、日常生活における当たり前のことを当たり前に、毎日情熱を持って同じようにできること、これが目指すべき姿です。
そのような土台があってこそ、真の幸福を見いだすことができるということです。
その指針となるのが、人生で大切なこととして紹介されている、
「感謝」、「反省」、「敬意」なのです。
どれも、親から、先生から、至る所で言われてきたことです。
しかし自分自身を振り返ると、これらの大切なことを忘れるような経験は山ほどしてきました。
ときに怒りの感情に支配され、ときに傲慢に、ときに欲望に溺れ、そして仕事では単純な損得勘定で動くことが習慣化していました。
現代の日本人が、物質的に豊かになっても、また経済的に成功しても、世間的な地位と名声を得ようとも、悩みが尽きず、幸福感を得られない理由を明確に突きつけられているように感じます。
すぐに、偉いお坊さんのような境地にはたどり着けるはずはありません。
何度も読んで、何度も心に誓っても、日常生活では、やはり腹は立ちますし、イライラします、嫌いな人に敬意を払う心境にはなりません。
しかし、本当に大切なこと、そして幸福とは何かということを見つめて日々反省し、1%でもそのような気持ちがあれば、それが少しづつ2%、3%になっていくと塩沼大阿闍梨も仰っています。
本書に書いてあることは、長い人生の指針となる言葉が詰まっています。
疲れた時、方向性を見失った時に読み直して、心の針をプラスに持っていくことが大切だと感じます。
是非参考にしてみてください。
以上、ここまで読んでいただいてありがとうございました。
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