減点主義の組織だからこそ、加点主義で自分を反省する習慣を!

こんにちは!Jimmyです。

日本は減点主義の組織が多いと言われます。

近年、その弊害がたびたび指摘され、加点主義へと変わるべきだという論調も目立ちます。

 

何より私自身、日本の銀行という減点主義の本丸のような組織にいたこともあり、弊害はよく理解しています。

一方、組織として加点主義に変わることの危うさを感じているのも事実です。

どちらかが絶対に優れているということではなく、バランスの問題です。

 

組織で減点主義が必要、もしくは変えられないのであれば、個人として、加点主義の考え方でバランスを保つ意識付けが必要です。

今回は、組織としての減点主義、個人としての加点主義というバランスの取り方を紹介します。

減点主義と加点主義

減点主義 加点主義

組織で働いていれば、評価上、加点されることも減点されることもあります。

ですから、減点主義が100点スタートでマイナスがあるのみ、加点主義が0点スタートでプラスがあるのみという単純なものではありません。

今回使用する、減点主義、加点主義の定義は以下のようにします。

 

減点主義というのは、加点があったときより、減点があったときのほうが影響が大きいこと。
加点主義というのは、その逆で、減点よりも加点のほうが影響が大きいことです。

 

私はアメリカ企業で働いたことはありませんが、アメリカ企業は基本的に、加点主義であると言われています。

何度も失敗して、減点がいくつかあっても、一つインパクトのある成功をすれば、その加点で取り返せるというイメージなのだそうです。

 

反対に、日本の銀行のような組織では、一つ大きな減点があれば、それまでの小さな加点がパーになるどころか、あるいは挽回不可能になります。

ドラマ「半沢直樹」にて、外部出向を片道切符と表現していましたが、それほど大きな減点を受けることは致命的ということです。

 

減点主義と加点主義のメリット・デメリットを比較すると、以下のようになります。

加点主義が求められることが多いですが、メリットしかないということはあり得ません。

どちらも認識しておくことが必要かと思います。

メリットデメリット
減点主義ミス、違反に対して細心の注意が払われる。

正解のある改善型の目標に有効に作用。

統制をとりやすい。

事なかれ主義の横行。

出る杭は打たれる。足の引っ張り合い。

モチベーションが上がりにくい。etc…

加点主義自由な発想と意欲が湧きやすい。

創造性を発揮しやすい。

モチベーションが上がりやすい。

思いもよらぬ失敗による損害の恐れも。

評価が難しい。

統制が難しい。

 

加点主義が本当によいのか?

減点主義

私が実際に経験したのは、減点主義の本丸、日本の銀行です。

ですから、ここでは日本の銀行とアメリカの銀行を例に出して考えます。

 

特にデメリットを見れば、今の時代、減点主義の弊害も無視できません。

日々、何かにつまずかないか、指摘されないか、足を引っ張られないか。

足元を固めながら、慎重に歩いていくだけでは、創造的な変化は期待できそうにありません。

 

では、アメリカのように加点主義にすれば、万事解決できるのでしょうか。

そこで、アメリカの金融機関を考えてみます。

確かに先進的な発想や金融工学などを取り入れた商品開発などで、世界の金融をリードしてきたことに異論はありません。

日本の金融機関とは大きな差があります。

 

一方、モラルとしては、日本の金融業界よりも危険視すべきところは多くあるように思います。

 

現に、毎年のように、どこかしらの金融機関が法律違反をして、巨額な罰金を支払っては、また復活するという光景が繰り返されています。

実際、「大きすぎてつぶせない問題」(Too big to fail)があります。

巨額の罰金を払って、問題の中心となった一部の社員をクビにして、それですませてしまっています。

 

忘れてはいけないのが、リーマンショックが起きた年の金融危機です。

世界を巻き込んだ未曾有の危機も、モラルの崩壊した金融機関により引き起こされました。

 

加点重視で、減点の感覚が少ないことだけが原因とは思いませんが、モラルの問題には少なからず影響しているはずです。

 

減点主義の日本の金融機関は、たしかに革新的ではなく、よくないところもあるのですが、

加点主義と言われるアメリカの金融機関は、日本以上に、数多くのモラルの問題を抱えているように思います。

減点主義を抜け出せない事情も

減点主義 加点主義

先ほどの例からもわかるとおり、加点主義にも問題が発生する可能性があり、よいことばかりではありません。

その他にも、日本の組織の多くが加点主義には移行しづらい事情があります。

 

本来であれば、イノベーションが必要であるとされるご時世、チャレンジングな組織に変えるメリットは誰もが認識しているはずです。

端的に言って、移行しないのではなく、できない、大変困難であるというのが現状かと思います。

 

加点主義にするということは、アメリカのように、ある程度のマイナスは挽回可能になるということです。

意欲や創造性が高まることは期待されますが、

一方で、減点の効果が薄まれば、必ず、失敗やミスも多くなります。

(そもそも人間ですから、どんな体制でも、必ずミスは起きます)

 

しかし、公共性が高い業界や、大きな企業になるほど、世間の考え方も関係します。

日本でも、大きくて潰せない会社はいくつもあります。

そのような組織に対しては、公共性の観点からも、国民の視点も厳しく保守的になります。

もともと、社会全体に減点主義の考え方が浸透している日本では、会社のサービスを受ける側も減点主義で評価します。

 

たとえば銀行で言えば、顧客、世間からすれば、ミスがないのが当たり前、無難にやるのが当たり前です。

何か画期的なアイデアを出すより、ルールに則って、淡々と業務をこなしてくれることが絶対条件だと考えます。

モラルに関する問題、不祥事などに対しては、さらに厳しい視点で見ることが多いでしょう。

そんな社会の期待に沿うことが「世間の信頼」に繋がります。

 

ですから、当たり前のことでミスが発生したり問題が発生すれば、批判されることになります。

そして、モラルの問題、不祥事が起きれば、「世間の信頼を失墜させた」として大きく注目されることになります。

 

とにかく、ミスや不祥事が起きないようにという舵取りを優先せざるを得ないということになります。

 

そういうわけで、日本では特に、何かあれば税金が投入されたりする企業はもちろん、国に近い機関、大きな組織ほど、加点主義は導入しづらい現状があります。

金融業界に限らず、自動車業界でも電気業界でも同じです。

一つの会社文化だけで変えられるものではないというジレンマは、しばらく続くのではないかと思います。

組織が減点主義でも個人は加点主義で反省

加点主義

長くなりましたが、日本の組織の多くは、減点主義から抜けられない現状があることがわかりました。

「今年から」とか「来年までには」というレベルで、簡単に変わっていけるものではありません。

一方、そんな組織で働いていれば、モチベーションも上がりにくく、創造性も発揮しにくいというデメリットがあることも先ほど示したとおりです。

 

ここで、提案したい大事なことは、個人としての加点主義です。

組織が減点主義にならざるを得ない以上、個人で振り返る時、反省する時には、加点主義の考え方を身につけることが有効です。

そうやって、バランスを取りながら、自分のしてきたこと、今後やるべきことを考えます。

 

減点主義で考えるとどうしても、できなかったこと、よくなかったこと、改めること、守るべきルール、無難、前例踏襲、過去事例などに目が行くことになります。

 

私個人としては、会社員時代に、自己評価シートやキャリアシートの類を記入したときのことを思い出します。

これが、会社のルールに則った振り返りです。

形式上は、達成したこと、できたことなども書くのですが、実際は違うところで評価されています。

それを考えると、そのシートそのものが無意味に思えてきて、毎回面倒に感じていました。

基本的に、欄いっぱいに文字を埋めるという”お作法”もあり、そのシートを作ることへのモチベーションはゼロでした。

時間を費やして形式を整えるためだけのシートです。

 

そういった、会社が用意したフォーマットとは違うところで、自分の振り返りを実施することが有効です。

そこで、自由に、できたこと、伸ばすべきところに注目します。

個人の中ですから項目は自由です。

数字上の成果でなくてもかまいません。

 

  • もめたけれど、勇気を出して間違っている相手に反対意見を言えた
  • 会社の収益にはならなかったけれど、お客さんを感動させた
  • 危ない経験だったけれど、この業界の深い部分の一端を知ることができた

などなど、これらのことを考えていくと、形式上のシートではわからないような自分の伸ばしていきたいことや、あるべき人物像につながっていくこともあります。

これはモチベーションを上げるためだけでなく、組織に過度に依存しないためにも大切です。

失敗したことでも、行動自体がプラスであると思えば、自信をもって加点すればよいのです。

 

ここは、ダブルスタンダードでかまわないと思います。

そうでなければ、旧来の考え方からは抜け出せません。

 

そうやって自由に考えるからこそ楽しいのですが、一方ではモラルや法令遵守の問題、正すべきところも、当然考える必要があります。

だからこそバランスが大事、組織の減点主義が活きてきます。

 

組織としては減点主義であるため、とにかくミスや違反に対する注意喚起は、くどいほどしてくれます。

そこはしっかり利用し、法令遵守の問題はクリアすることが前提であり大事なポイントです。

 

減点主義のメリットも活かしつつ、個人としての成長曲線は別のところでも考える。

そうすることで、やらされる仕事、強制されるルールではなく、結果的に自分の意志に基づいたストーリーと、モラル意識を持つことができるでしょう。

やる気もまったく違ってきます。

まとめ

減点主義と加点主義、どちらが絶対的によいというわけではありません。

アメリカのような加点主義が必要だとする意見も多くあります。

私自身、日本の減点主義の弊害も身をもって経験してきたつもりですが、それでも、大事なのはバランスであると思います。

 

日本の社会構造上、大きな組織ほど、企業単体で簡単に減点主義から加点主義に急展開できないという背景もあります。

 

そういうわけで、組織が減点主義の傾向が強い前提に立つならば、個人としての振り返りのタイミングで、加点主義の考え方を導入することが有効です。

 

個人として、スキルや実績を振り返り、できたこと、伸ばすべきところ、変革を起こすべきところを自由に考えます。

会社の評価項目とは関係がなくても、あるべき自分像、個人的な使命感に照らし合わせて、プラスに捉えるべきところを見つけていきます。

これはモチベーションを上げるだけでなく、組織に依存しない自分を育てていく上でも大切です。

(個人的な感覚ですが、評価と関係なくても、意外と楽しくできるものです)

 

一方、組織の減点主義的視点により、ルール遵守や基本的な行動指針をしっかりわきまえることも大切です。

減点主義型の組織であれば、普段からそのようなことを気づかせてくれる機会は、事欠かないはずです。

個人としての加点主義、モチベーションを持っているからこそ活きてくる、減点主義の視点です。

 

組織に身を委ねるだけではなく、個人としての視点が、今後益々大事になってくることでしょう。

 

以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

仕事をする上で大切な考え方について、以下の記事も参考にしてみてください。

 

やる気がでない根本的な理由とは?日本人が陥りやすい逃げの思考法

仕事のモチベーションが上がらないのに責任感で乗り切るのは危険な理由

主体性だけは意識しよう!やらされる仕事では絶対本気になれない理由

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