土光敏夫氏から学ぶべきこと【今こそ知っておくべきリーダー】

こんにちは!Jimmyです。

今回はリーダーシリーズ、今の時代にこそ知っておくべきすごいリーダー、土光敏夫氏です。

おそらく30代以下の世代には、あまり馴染みがない存在ではないかと思います。

私も何かの本で読むまで、全く知らずにいました。

 

土光敏夫氏は、40年ほど前まで第一線で活躍されていました。

現代の人としては若干昔、歴史上の人物としては若干早すぎるということもあって、現役世代にあまり知られていないのかもしれません。

もっと広く知られ、学ばれるべき存在ではないかと考え、直接知らない世代の視点で紹介したいと思います。

土光敏夫氏とはどんな人?

土光敏夫(どこうとしお)1896-1988

石川島播磨重工業(現IHI)社長、東芝社長、経団連会長、第2次臨時行政調査会長等歴任。

 

主な経歴は上記の通りですが、もともとは、技術職のサラリーマンとして、当時の石川島造船所に勤務していました。

そこで頭角を現し、関連会社の社長、そして本社の経営再建を任される存在に。

その手腕を買われ、東芝の再建、さらには経団連会長、臨調会長と歴任。

臨調会長は、80歳を超えての就任。

質素な生活がテレビで取り上げられ、「メザシの土光さん」と呼ばれ、話題になりました。

 

経営者時代は、従業員から「オヤジ」と呼ばれ慕われ、

ソニーの創業者である井深大氏はじめ、多くの経済人、財界人からも人格者として尊敬を集め、大きな影響を与えました。

一部字面だけ見ればヤバい上司の典型?

当時は、社員クチコミサイトなどもないため、書籍で読むくらいしか情報はありませんが、

人格者として近代最も尊敬を集めた経営者の一人であることは間違いないでしょう。

 

しかし、エピソードを字面だけで見ていると、今の時代なら、一歩間違えばパワハラ問題などと言われてもおかしくない人なのだろうと想像できる箇所も少なくありません。

さらに、冷静に考えれば、このような人が上司だったら嫌だろうなと思うような言動もみつかりました。

 

具体的には以下のような言動、考え方です。

 

社員は3倍働け!重役は10倍働け!

労働時間のことを言っているのではなく、よく考えろ、頭を使えという意味の言葉だと思いますが、

とにかくよく働けという人だったようです。

 

もちろん本人は、それ以上に働くと言って、猛烈に働いてきた人なのですが、

現代で言うライフワークバランスなど全く無視の考え方と言えるでしょう。

現代ではなかなか通じない考え方にも映ります。

 

社長なのに、朝7時には出社

早起きの土光氏は、毎朝7時くらいには出社していたという話があります。

日本人は、今も昔も上司にはとことん気を使うものです。

トップが朝早くに出社してしまえば、下の人間も、始業時刻ギリギリに出社などできなくなります。

時間外労働を減らそうという流れからすれば、社員にとってはたまったものではありません。

これについても、今の時代ではあまりいい影響は及ぼさないかもしれません。

 

机をバシバシ叩いて大声・罵声

政財界の重鎮たちのコメントなどを見ていても、土光氏は、机をよく叩きながら話し、声も大きかったようです。

当時の福田赳夫副総理も、土光氏があまりにもすごい剣幕で話すため、土光さんではなく「怒号さん」だとコメントしたそうです。

 

当の本人は、真剣に話していると机を叩く癖があって、怒っているわけではないと説明したようです。

修羅場をくぐってきたであろう重鎮でもそのような印象を持つわけですから、すごい迫力だったのだと思います。

 

モーレツに突き進むため、それを他者にも求めます。

進捗が思わしくないような部下、職員に対しては容赦なく厳しい罵声が飛んでいたようです。

それに耐えられず、辞めていった人もいたというエピソードもありました。

今でいう精神疾患を患った人もいたのかもしれません。


 

簡単に、一部の言動だけを抜粋しましたが、

今の時代で考えれば、「ヤバい上司」の典型にも見えます。

 

これだけを見れば、いくら当時の社会背景を考えても、業績を立て直したとしても、それほど尊敬される存在にはなりえないはずです。

 

それなのになぜ、人格も尊敬される大人物なのか、それこそが、土光敏夫氏のすごいところであり、

現代の私たちが学ぶべきポイントであると思います。

土光敏夫氏のここがすごい・名言等

土光敏夫

一言で言うと、歴史上の大人物に共通するリーダーの要諦を地で行く人です。

土光敏夫氏の人格や行動、名言等の代表的なものを一気に振り返ります。

猛烈な人物でありながら、人がついてくる、そして尊敬される人物になり得る要素が詰まっています。

 

リーダー(幹部)は偉い人ではない、つらい人

個人的に、一番印象に残っている言葉です。

リーダー、幹部というのは、偉い人ではないと言い切っています。

多くのリーダーと根本的に違う点であると思います。

 

大きな権限はあるが、それを振り回すのはよくない、むしろ権限はどんどん移譲して任せるべき。

すると、残るのは大きな責任のみとなり、はっきり言って割に合わない仕事である。

 

だからリーダーというのはつらい人である、ということです。

 

本来、幹部やリーダー、ましてや社長、総理大臣などというものになりたい人などいないはず。

周りからの期待と、自らの使命感から引き受けるもの。

自分の欲得のことばかりを考えているようなリーダーは間違っているというのが土光氏の理屈です。

 

こういった思想のもと、戦後の混乱期などは、従業員とその家族を飢えさせてはならないという一心で、資金手当などに自ら奔走していたそうです。

また、任せられるものはどんどん部下に任せて、権限を与え、責任は自分で取るというスタイルを貫きました。

 

無私

多くの経済人、財界人から尊敬される大きな理由の一つは、無私であることです。

自分のためにということは考えず、社会のためにという一段高い視点で物事を考え発言していたことを多くの人が振り返っています。

 

行革担当の時には、ソニーの井深大氏や本田技研工業の本田宗一郎氏からの支援も得ることができたようですが、両氏とも、土光氏の私心のなさ、この人に頼まれたら断れないといったコメントを残しています。

 

井深氏は、最も尊敬する人物について、無条件で土光敏夫氏であると答えています。

私心のない使命感に、大人物が動かされていたことがわかります。

 

派手な生活の人は信用できない

私心のなさも、ここまで来ると本当に驚きなのですが、まさに質素な生活を生涯貫いた人です。

社会的地位を得ても、通勤は電車やバス

ひげそりブラシも50年使用し続けたものを愛用。

家は、横浜、鶴見にある古くからの住居

一汁一菜を基本とした食事、野菜の多くは庭で自家栽培したものを使用。

 

だからといって、お金を貯め込んでいたわけではなく、ほとんどを、土光氏の母親が設立した学校運営のために使っていたということです。

 

東芝社長に着任した際は、

社長室に備え付けられていた、シャワールーム、専用キッチンなどを全て撤去

公私混同した余計なものであるとして、特権を取っ払ったということです。

 

基本は、自分のことは自分でする、出張もカバン持ちをつけず、一人でどんどん出かけていたそうです。

 

要は生活を質素にムダなくやればいいわけで、豪邸に住んで派手な生活をするような人は、あまり信用できない。真に強い人は、一人で何でもやっていけるものですよ。

(清貧と復興 土光敏夫100の言葉 出町譲著)

 

守衛も社長も同じ人間(平等)

「守衛も社長も同じ人間だよ!」という言葉からもわかる通り、

権力や役職を振りかざしたりせず、同じ立場で接することを旨としていたそうです。

 

工場視察に行けば、すぐに現場に直行し、現場の人ともよく話す。

若い人とも積極的に話す。

 

自分が偉いということは微塵も思っていなかったのでしょう。

 

だからこそ、誰に対しても、社員にも総理大臣にも、強くものを言うときは言う、

筋の通った人間性が際立ちます。

 

現場主義

徹底した現場主義で、どんなに社長業が忙しくても、現場視察をおろそかにすることはなかったようです。

70歳になっても、遠隔地への現場視察は夜行で向かい、泊まらずにとんぼ返りが基本。

朝に帰ってそのまま社長業に取り掛かるといった超人的なこともしていたそうです。

 

直接足を運び、自分の言葉で呼びかけるからこそ、それに感銘を覚えた従業員も数多くいたことでしょう。

 

雨の日に工場の庭で演説した際、傘もささずに、濡れながら、必死に従業員に対して語りかける姿に、多くの人が心を打たれたというエピソードもあります。

 

トップが現地に行って、直接話す、聞くということは、それだけ意味のある重要なことです。

現場を知るだけでなく、従業員の気持ちも一新する力を持っていることがわかります。

なぜ今の時代に学ぶべきか?土光敏夫氏のリーダーの真髄

土光敏夫

代表的なエピソードや名言を紹介してきました。

これも踏まえて、先程の「一見パワハラ発言」とあわせて考えます。

 

金銭・損得を超えた意欲を呼び覚ますリーダーの価値

私心のない純粋な情熱と使命感がある、

率先垂範し、誰よりも本人が一番苦労している、

特権も自ら取っ払って身を正す、

責任は取るが、しっかり権限も与えて任せる、

現場を大事にし、役職や地位に関係なく、平等に接する。

 

このような人なら、多少罵声が飛ぼうとも、3倍働けと言われようとも、

「よし!やってやろう」と思える人も少なくないのではないかと思います。

事実、当時の社員や、財界人たちは、土光氏に惹きつけられていきました。

 

もちろん、経済全体が上向かない現在、働いたところで生活が豊かになるとは限りませんので、一昔前の人達と単純比較はできないかもしれません。

ただ、機械的な作業であったり、給料や生活のためにという感覚とは違う、一段上の「意欲」を呼び覚まされた人もいることは確かでしょう。

人間が生きる上で大変大事な感覚です。

 

いくら軟弱な若者、人間関係に消極的な若者だと言われる世代であっても、今も昔も人間の本質は変わりません。

リーダー次第で、大きく変わることもできるはずです。

 

不信感に溢れた組織に是正が必要

考えてみれば、今の世の中、組織にせよ、人間関係にせよ、各種契約履行にせよ、サービスの提供にせよ、不信感に溢れた社会であると言えます。

 

  • 相手が信頼できないから、契約で縛ったり、義務、責任の所在、罰則を明確にし、前面に出します。
  • 現場に来ない、会ったこともない役員から働けといわれても、響くはずがありません。
  • 「お客さんのことを考えろ、お客さんのことを知れ!」と言われても、「その前に、お前誰だよ!?」となるわけです。
  • 信頼し合えない関係のまま、真正面から強くぶつかられても受け止められません。

 

だから、労働契約通りに最低限の仕事をして、表面的な人間関係でやり過ごすか、

もしくは、うまく世渡りをして、自分の身を有利な立場に置き、出世ゲームを勝ち抜くか、

こんな感覚になるのではないでしょうか。

 

  • お偉方なんて、どうせ自分だけ得しよう、楽しようと考えている。
  • こき使うだけつかって、自分の利益と立場のことしか考えていない。
  • 何もしないくせに、早く来て、もしくは遅くまでいて余計なことばかり言う
  • 現場のこともわからず、権力をふりかざし、上ばかり見ている、尊敬に値しない人物。

 

こんなふうに思っていれば(思われていれば)、すぐにパワハラだ、責任問題だ、契約違反だと言う言葉が出てくるはずです。

自分を守るものが、契約や法律、言質、証拠になるからです。

 

土光氏と従業員、土光氏と協力者のような信頼関係を築いていく努力がいかに大事であるかがわかります。

 

自分から少しずつ変えていく意識が大事!

そのためには、類まれな人格を持った土光氏のようなリーダーを待っているだけでは、あまりにも受動的と言えるでしょう。

不寛容で殺伐とした、あるいはシステマチック、信頼関係の土台が義務や契約にあるような組織は、そこにいて幸福感を感じることは少ないでしょう。

結局、自分の出世や金銭的な見返りでした考えられなくなります。

 

今は、真のリーダー不在、利己的な思惑と合理主義が進んで、不信感に溢れた社会であると言っても過言ではありません。

だからこそ、土光氏のような、情熱や使命感の持ち方を学び、価値観の一端でも身につけることに意味があるのではないかと思います。

 

そうすることで、自分から燃える、自らが周りに働きかけ、雰囲気を変える存在に。

いずれ、リーダーになったとき、あるいは、より上の役職になったときに、組織の信頼関係と価値観を変える。

そんな人物を目指すにあたり、土光敏夫氏の考え方や言葉は、大いなる学びになるのではないでしょうか。

最後に

今回は、土光敏夫氏から学ぶリーダー像、今の時代だからこそ必要な学びがあるという趣旨で紹介してきました。

他にも、書ききれないほど、多くのエピソードや学びがあります。

興味のある方は、以下の書籍なども参考にしてみてください。

 

参考図書

 

以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。

求められるリーダー像や、持つべき考え方について、以下の記事もぜひご覧ください。

 

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