今一番ホットな社会人の学び直しなら思想・道徳
こんにちは!Jimmyです。
学び直し、リカレント教育が注目されています。
今回は、現代社会人の学び直しとして、何が最も必要か、そして有効かについて書いていきます。
結論は、思想や道徳です。
わざわざ大学に入り直す必要もありません。
それでありながら、今の世の中に最も必要であり有効であると言えます。
学び直すということは、今の時代の変化の速さや、複雑化した世の中に合った考え方であると思います。
学生の頃は、それほど必要性を感じていなかった学びについて、社会を経験したことで必要性を認識することも少なくありません。
社会を経験したことで、より学びに対する意欲が高まることもあるでしょう。
北欧などでは、社会を経験してから、また大学に入って学び直すことが一般的なこととして認識されています。
日本では、大学に入り直して学ぶということは、一般的であるとは認識されていません。
一方、大学に入らなくても学べることはたくさんあります。
その中でも、道徳と思想については、今の時代だからこそ注目すべき分野であると言えます。
実際に、欧米などのエリート層が、東洋の思想や考え方を取りれていることはよく知られています。
その理由を含めて解説していきます。
閉塞感に溢れ不安になるのはスキル不足が原因なのか?
今忙しく働いていながらも、将来に不安を感じたり、今所属している組織に閉塞感が漂っていたり、疲弊していたりするケースも少なくありません。
そのような背景もあり、学び直すことに活路を見出す人もいるのかもしれません。
日本を覆う不安、閉塞感、疲労感。
原因にはもちろん、経済が上向かないこともありますが、果たしてそれだけでしょうか。
私が思うに、お金を稼ぐこと(儲けることから、生活費を得ることも含む)が考え方の中心にあり、それがほぼ唯一の行動指針となってしまっていることが原因です。
経済状況が悪い中、必死にお金を求めてさまよっていれば誰でも疲れます。
今の時代、そのような考えのもとで色々と試行錯誤を重ね、スキルをつけても状況は打開できません。
打開できないどころか、日本人はさらに不寛容になり、金銭的にも精神的にも追い詰められていくことが想像できます。
理由は簡単で、経済成長の鈍化は、資本主義世界が進展すれば当然の流れであるからです。
右肩上がりの成長をもう期待することはできません。
スキルを求めて学び直したところで、お金を求めて行動することを唯一の行動指針とするままでは幸福感は得られないでしょう。
ある意味考え方をガラッと変えることが求められています。
ただし、難しいことではなく、多くの人の中に既にあるものを呼び覚まし鍛えるだけです。
それが道徳心であり、道徳心を培うのに思想が重要になります。
さらに朗報があるとすれば、大事なのは私たち日本人に馴染みが深い、東洋の思想と道徳心であるということです。
MBAやアナリストの数よりも不足している道徳者
MBAブームに資格ブーム
大学(院)で人気のコースといえば、MBA(経営学修士)でしょう。
2000年代から、今にいたるまで、MBAの人気は圧倒的に高く、多くの人が学んでいます。
社会人になってから取得する人も全世界で見ても少なくありません。
経営戦略論から、マネジメント論、マーケティング、リーダーシップまで幅広く学び、実社会でも役立っているという見方ができます。
大学に入り直すことはしないまでも、自分がこれまで学んでこなかった分野の資格を取ろうと勉強する人も増えています。
そのような背景もあって、MBA取得者は今では珍しくはありません。
その他の資格も同様で、金融関係や、お金に関する資格取得者(〇〇プランナーや▲▲アナリストなど)も増えているようです。
そもそも、資格を取ることに夢中になる人が増えているとも言えます。
まさに空前の資格ブームです。
資格を持っている人を探せば、一昔前よりも希少性がなくなっていることに気づくでしょう。
道徳者が減っているという現実
一方、数が減り続けているのが、道徳や思想を学び身につけている人です。
道徳の授業などは小学校からあります。
義務教育過程においても、大事なこととして子供に教えています。
中学生の道徳の教科書を見てみましたが、たしかに重要なことが書いてあります。
ただし、考えるテーマとしては、「いじめ」問題が中心になるでしょう。
道徳・思想も、他の分野に違わず、実践が必要です。
知っているだけでは意味がありません。
そういう意味では、子供の世界で実践して考えるとなると、やはりいじめ問題が中心になるのです。
そのため、大人になって考えると、また違った視点と角度で考えることができます。
社会を経験したからこそ考えられることがあり、新たな気づきや学びは比較にならないほど増えます。
つまり、社会に出たからこそ、学んで意義のある思想や道徳と言えるでしょう。
しかし、大人になってから学ばれていないという現実があります。
義務教育までで終わり!
思想・道徳なんて古い!
現実社会とはかけ離れている!
と考えている人が多いのではないでしょうか。
資本主義の世の中で、長い間重要視されてきたのは西洋的な考え方であり、結果主義の世の中でした。
大学でマーケティングや金融工学は学んでも、小学生の時に教えられた道徳や思想は思い返すこともなくなっているのが現代の特徴でしょう。
こうした価値観が広まった結果、思想や道徳といった分野に注目する人は少なくなり、今の閉塞感漂う社会があります。
資格ホルダーや修士・博士課程を経ている人は増えましたが、人格者と呼ばれる人は増えているようには思えません。
事業を軌道に乗せ、お金を稼ぐ術を心得ている人は増えましたが、倫理観のある人は減っているのではないかと考えます。
倫理観など各人を数値化できるものではありませんが、同じように感じている人は少くないはずです。
そのような状況下、欧米式のビジネスの最先端を行く人たちが、東洋の思想や伝統的な考え方を学んでいるという事実があります。
これは、注目すべき事象です。
次に詳しく述べていきます。
思想・道徳に世界のエリートたちが群がる理由
西洋思想、利益主義の限界
特に、近年になって資本主義社会の中でも弊害が目立つようになってきました。
資本主義の発展は、拝金主義と格差の拡大をもたらしました。
その結果、企業の不正や倫理観の欠如といった問題も増えています。
リーマンショックなどの金融危機の原因となったサブプライムローン問題なども、倫理観の欠如に起因しています。
求められるリーダー像の変化
さらに、技術の進化なども相まって、組織を引っ張るということは以前よりも難しくなっています。
まず、組織のリーダーになる人に求められる資質も変わってきています。
人よりも能力が高く、強く厳しいという従来の強権型のリーダー像では通用しなくなってきたという背景があります。
極端に言えば、今までは人格に多少難があっても、MBAを持っていれば活躍できたのです。
しかし、その結果としての拝金主義の蔓延や倫理観の欠如です。
そこで、より倫理観を持った、人格的に立派な、人のやる気や能力を引き出すようなリーダーが必要であると考えられるようになりました。
欧米のビジネススクールでも、そのような視点でリーダーシップ論が語られれることが多くなりました。
幸福感の変化
リーダー職ではない人であっても、置かれている環境は随分と変わりました。
経済成長が続く時代では、言われていることを黙々とやっていれば、賃金も上がり生活は豊かになり、幸福感を感じることができました。
この時代は、多少不都合があっても、理不尽なことがあっても、経済成長と生活の改善がそれらを凌駕して満足感をもたらしていました。
多くの人が希望を持って生きていたことは、過去の証言や映画作品などから見ることができます。
しかし、今は一生懸命にがむしゃらに働いても、幸福感を感じられない時代です。
賃金も上がらず、生活環境も豊かになりません。
自分らしく生きること、お金だけではない精神的な豊かさを求めることが幸福感につながる時代になってきたと言えるでしょう。
蔓延するストレスと精神疾患
閉塞感、疲労感、ストレスが蔓延しており、日本でも欧米でも、アジアでも世界中で精神疾患を患う人が急増しています。
日本だけでも400万人、世界では4億人をを超える人が精神疾患を患っているという調査結果があります。
資本主義経済のもと、欧米式の合理的思考、方法論によってもたらされたものは成長だけではありません。
このような精神疾患や、人間性の喪失をももたらしました。
そこで、注目されているのが東洋の思想や考え方なのです。
今こそ注目すべき日本・東洋の道徳観・思想
マインドフルネスは東洋思想
一番身近な生活で考えるのであれば、マインドフルネスでしょう。
欧米においても、マインドフルネスや禅の考え方が流行しているようです。
日本だけではなく、世界の多くのビジネスマンは疲れています。
欧米の軍隊などで活躍した人が、「精神集中」や「動じない心」を手に入れるための本を出版していたので読んでみたところ、日本でも古くから実践されている呼吸法や瞑想の類からヒントを得ていることがわかりました。
東洋の思想や考え方は、非常にわかりにくい部分もありますが、精神性を重視しているため、ストレスに立ち向かうための根本的な方法として、欧米でも注目されるようになったと考えられます。
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ビジネスの最先端を行く人が東洋思想を学ぶ
世界のビジネスの先端にいるような人たちが、東洋思想を積極的に学んで取り入れる傾向が強くなっているようです。
先ほどの禅の精神もその一つです。
儒教や仏教を中心とした考え方、思想が注目されています。
スティーブ・ジョブズが禅に傾倒していたというのは有名な話です。
人としてのあり方を考える時には、今でも東洋思想の考え方が役に立ちます。
例えば、論語にこのような一節があります。
子曰、導之以政、斉之以刑、民免而無恥、導之以徳、斉之以礼、有恥且格。
子曰く、之を導くに政を以ってし、之を斉える(ととのえる)に刑を以ってすれば、民免れて恥なし。これを導くに徳を以ってし、これを斉えるに礼を以ってすれば、恥有りて且つ格し(かつただし)。
人を導くのに、政策や刑罰をもってすれば、人は法の穴をみつけようとする。
しかし、徳と礼をもってすれば、人はその身を正すようになるという意味です。
これに代表される通り、テクニックではない、根本的に大事なこと、人としてのあり方などを東洋思想から学ぶことができます。
先ほどのマインドフルネスなどの視点とあわせて考えると、
より精神性の強い考え方によって、人間の人格や道徳心へと入り込んでいく思想が、現代の閉塞感を切り抜ける方法として注目されているのではないかと思います。
東洋思想といえば諸子百家
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まとめ
現代組織運営においては、欧米式の考え方が基本になっていることが多いと思われます。
もちろん優れている部分が大きいからこそ取り入れられたのですが、一方で、弊害が出てきていることも事実です。
そこで、道徳や思想という日本でも古くから大事にされている考え方が、欧米でも注目されるようになりました。
閉塞感を打開し、幸福感を持って生きるための方法として取り入れられています。
私たち日本人でも、欧米式の考え方が主流となっているため、本来の日本や東洋の思想・考え方を忘れてしまっている人も少なくありません。
最近の数十年は、軽視されてきたと言っても過言ではありません。
時代の変化の中で、再び注目され、必要とされる時代が来たように思います。
日本人にとっては決して難しい考え方ではありません。
昔から親や先生から言われていることの中には、まさに東洋思想と道徳観がそのまま反映されています。
これから学ぶことを考えるのであれば、日本人であれば仏教思想が最も親しみやすいでしょう。
昔、国語の授業でも習った論語をはじめとした中国の四書(大学・中庸・論語・孟子)から学ぶのもおすすめです。
今必要な学びは、道徳と思想です。
世界の先端を行くリーダーも東洋思想を学び取り入れています。
学び直しを考えている人は、是非道徳と思想の分野から始めてみてはいかがでしょうか。
以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。
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