不易流行とは何かを真剣に考える回【見えてくる大切な考え方】

こんにちは!Jimmyです。

今回は、「不易流行」という言葉を考える回にします。

単に「変わらないもの」と「変わるもの」という区別ではなく、

それ以上に、世の中の法則に従った大事な考えが詰まっているからです。

 

江戸時代の俳人、松尾芭蕉が提唱した俳諧の理念ですが、ビジネスシーンなどでも使われています。

そこから見えてくる大切な考え方は、人生における大きな武器になるはずです。

 

なお、今回も今までも同じですが、本ブログの記事は、「幸福感を持って自分の人生を生きるために」という目的においてのみ考えています。

文学的、歴史学的な分析の正しさや、深さを求めるものではありません。

よく使われる「不易流行」とは?

不易流行

提唱者は松尾芭蕉

江戸時代を代表する俳人松尾芭蕉が提唱した俳句の理念の一つです。

去来抄という、芭蕉の弟子が残した記録によると、以下のような説明があります。

「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」

(去来抄)

 

このことから、俳句における不易流行は、以下のような意味として認識されています。

「良い俳句が作りたかったら、まずは普遍的な俳句の基礎をちゃんと学ぼう。でも、時代の変化に沿った新しさも追い求めないと、陳腐でツマラナイ句しか作れなくなるので、気を付けよう」

(日本俳句研究会HPより)

 

変わらないものと変わるもの?

上に紹介した、俳句を作る上でのポイントは、非常にわかりやすく、的を得たものであると感じます。

そのためなのかはわかりませんが、俳句の世界にとどまらず、不易流行という言葉は、様々な場面で使われるようになりました。

 

使われる場所が変わると、解釈や意味合いが簡略化され、少しずつ変わっていくものです。

「不易」を変わらないもの、不変の価値として位置づけ、「流行」を変わるもの、新しいものとする解釈で説明されていることが多いように思います。

 

ビジネスシーンでの不易流行

不易流行という言葉は、ビジネスシーンや経営などにも、たびたび登場するようになりました。

ここでも、変わるもの、変わらないものの観点で考えられていることが多いようです。

 

会社として、組織として守るべきものはしっかりと残し、ブレてはいけない。

一方、変えていくべきものは勇気を持って変えていこう、しっかり見極めよう。

 

そんな意味として解釈されるでしょう。

つまり、時代の流れに合ったやり方を採用していく必要がある一方、理念・使命などの根本となる考え方は変えてはいけないということです。

 

これ自体、大切な考え方ではありますが、

しかし、不易流行の意味するところの本質は、少し違ったところにあるように思います。

不易流行をもう一歩踏み込んで考える:陰陽一体

不易流行

変わらない守るべきものと、新たなものを取り入れて変えていくべきものを見極める。

これだと、正直、それほどありがたい言葉とも思えません。

不易流行の意味する考え方はもう一歩進んでみる必要がありそうです。

 

風雅の誠で根本は一つ?

不易流行は、本来は、単に変えるべきものと変えてはいけないものを見極めましょうという意味ではありません。

芭蕉自身が書き残した記録は実際にはなく、弟子たちの間でも解釈が入り混じって、異なった言い回しをした記録が残っているようですが、

不易も流行も、その根本は一つであって、それが「風雅の誠」であると芭蕉が言っているという部分が重要です。

 

重要でありながら、いまいちピンとこない箇所でもあります。

ただ、不易と流行、2つを分けて考える、見極めようという話ではないことは確かです。

 

真の流行をきわめていくことが、不易につながる、

流行の中から時代を経て残ったものが不易になるから本質的には変わらない、どちらも風雅の誠である、

さらに不易を追求すれば流行に通ずる、などなど様々な説明がありますが、

正直、この部分は、わかったようなわからないような感覚にならないでしょうか?

 

不易流行と陰陽一体

そんな中、たまたま別の目的で易経について学んでいた時、

『リーダーのための「易経」の読み方』(竹村亞希子氏著)という本に出会いました。

そこにバシッと次のように書いてあったのです。

芭蕉が言う不易流行は、「陰陽一体」を表していると。

 

陰と陽

この考え方が私には一番しっくりきます。

陰陽の考え方を取り入れると、断然わかりやすくなります。

 

世界の物事は陰と陽の2つの極にわけられます。

陰と陽は表裏一体で、互いに影響しながら変化していきます。

 

陽が極まれば陰に転じ、陰が極まれば陽に転じる。

月の満ち欠けのようなものです。

 

拡大があれば縮小もある。

昼があるから夜もある。

どちらがいいとか、優れているというものではありません。

 

物事の流れ、時流というのはすべて一定ではなく、変化しています。

 

不易と流行も、その流れで考えれば、

流行が極まれば、やがて変わらない法則、定番である不易となり、

定番が極まれば、徐々に廃れていき、なくなり、やがてそれを新しいと見る視点が生まれ、新たな流行となる。

 

まさに本質的なところでは雅の誠を追求しつつ、陰陽の移り変わりの中で、基本、定番と流行が行き来しているようなイメージです。

 

思い出すのは、幼少期によく行っていた駄菓子屋です。(ギリギリそんな風景もあった時代の生まれです。)

昔の風景として思い出しますが、今の時代の子供が見れば、完全に新しいシステムに見えるのではないかと思います。

 

まず、入っても「いらっしゃい」とも言われない、というより店内に誰もいないことは当たり前。

蛍光灯などほとんどなく、薄暗く、そもそも営業しているのかもわからない。

もちろん、店内にカメラもない。

店の奥が自宅の居間になっていて、なにか食べているか、寝ているか、耳をすませばテレビの音が聞こえる。

相当に大きな声で呼ぶと、ようやくめんどくさそうに店のおやじが現れる。(気の良さそうなおじちゃん、おばちゃんの場合ももちろんあり。)

 

この省エネ、省コストシステムに対応できる今どきの子供はなかなかいないはずです。

 

昔はおそらく、どこにでもあった風景で定番だったと思いますが、

時間とともになくなっていき、店員、カメラ、サービス精神、バーコード会計のシステマチックな売り場が当たり前となり、

気づけば、わずかに残ったそのような駄菓子屋システムが新しく見えるという変化。

 

さすがに、防犯要素は取り入れないと今の時代に対応はできませんが、

省エネ、省コストという意味では、今新たに注目されている無人店舗も、そのような陰陽の変化の中の一部と捉えられるかもしれません。

 

不易流行の学び1

  • 不易も流行も表裏一体で別物ではない。
  • 陰が極まれば陽に転ずる。常に流れの中で位置付けは変化。
  • 何事も安住してはダメ。好調を極めたときには、すでに後退がはじまっている。
  • 逆に、今は受け入れられなくても、明日は評価されるかもしれない。
  • 優劣ではなく、時流が合っているかどうかを見ることが大切。

 

易経における不易

不易とは芭蕉が生み出した言葉ではなく、もとは、易の概念で語られている言葉です。

前出の『リーダーのための「易経」の読み方』によると、易経は、「変化の書」であると言われています。

変化を表す「易」には三つの意味があり、三義と呼ばれています。

 

変易

森羅万象すべてのものが、常に変化しているということ。

不易

変化には必ず一定不変の法則があるということ。

易簡

それらの変化の法則を理解すれば、様々な物事の変化を察知することができるということ。

 

こうしてみると、不易は、変わらないもの自体を示すのではなく、不変の法則があるということを示しているに過ぎません。

変化はある、その法則が不変、つまり、四季の変化の法則や、日が昇って、沈んでという変化の法則と考えればわかりやすいでしょう。

 

さらに、地球にいる私たちから見た太陽の動きの法則は不変(不易)であっても、時間ごとに見れば、刻々と動いている、変わっている(変易)とも言えます。

 

ある視点で見れば流行、別の視点で見れば不易と捉えることもできるということです。

 

関係性によって位置づけが変わってくるのも陰陽の特徴です。

夫婦という関係では男が陽、女が陰とされますが、

子供がいたとすれば、母親は陽となり、子供は陰となります。

 

今、私たちが不変だと思っている価値観、当たり前も、地球の歴史の長いスパンで見れば、変化し続けている中の一つの流行に過ぎないとも言えます。

気の遠くなるような時間で見れば、地球が誕生した頃は、四季などなかったでしょう。

そういったスパンで見れば、資本主義や、現在のグローバル・スタンダード、揺るがぬ経営理念なども、変化の中にある一部なのです。

 

不易流行の学び2

  • 全てのものは変化していて、変わらないものはない。
  • 不易とみなせるようなことでも、より長いスパンで考えれば流行。
  • 一つの価値観だけを不変なものとして絶対視しない。
  • 新たな価値を育てつつ、定番の衰退にも備える。
  • 変化が前提であれば、柔軟性をもちつつ、受け入れることが必須。

 

不易流行の学び+α

直接不易流行とは関係がなくなりますが、

陰陽の考え方をもとにした大切な考え方に「中庸」があります。

こちらも、よく使われる意味、「何事もほどほど、中間くらいが良い」という解釈ではない、本来の大切な教えが詰まっています。

今を生きる武器としても必要な考え方であると思います。

 

長くなるため、別記事にて用意しています。

興味のある人はプラスアルファとして、こちらの記事も参考にしてみてください。

中庸とは何か?理解するべき最高難易度の徳

 

不易流行の学びを個人に活かす

あれこれ書いてきましたが、

結局自分個人としての人生に活かす考え方が必要です。

 

易経が変化の書であると言われるとおり、不易流行も、つまりは変化について知ることに重点が置かれています。(と解釈します。)

 

捨てる、残す、要る、要らないという取捨選択は、優劣をつけることにつながりますが、

陰陽で考えるとしたら、優劣にはなり得ません。

変化の過程で、今必要なもの、今伸びているもの、今有用とされている考え方という見方ができるはずです。

 

自分の今いる位置を、優劣で判断するのではなく、時流における位置づけで考えます。

今いらないものであっても、明日必要になるかもしれません。

 

自分の能力や特徴を、一部の常識や価値基準、優劣区分だけでくくってしまう、

そしてそれを唯一の価値として、なんとかその正解に近づこうと無理をする、

結果、大勢の中に埋もれてしまい、満足した結果を残せない、

最悪の場合、自己を喪失してしまうという流れも少なくありません。

これは、大変もったいないことです。

 

自分にある無数の特徴、スキル、性格、考え方、

その中で、きっと時流に乗っている、必要とされる、プラスに働くものが一つはあるはずです。

 

価値観も多様化している世の中です。

何が必要とされ、重宝され、認められるか、想像もつかない結果になることは日常茶飯事です。

 

お酒が大好きな人が、お酒を美味しそうに飲んでいる動画が何百万回も再生されたりすることもあるわけですが、

誰もそれだけニーズがあるとは予想していませんでした。

 

時流を見極めるためには、自分自身を持つことが大前提です。

周りの正解に従っているだけでは時流を見極めることも乗ることもできません。

現代社会が作った優劣基準、価値基準ではなく、自分の価値基準を持つことで初めて、時流を意識することができるでしょう。

自分の位置と時流を意識すれば、変化を受け入れることも自然と積極的にできるようになります。

 

不易流行は、優劣基準、単一価値基準からの脱却を促進する考え方でもあるのです。

まとめ

不易流行という言葉は、松尾芭蕉が提唱した俳諧の理念ですが、今でも様々な場面で使われています。

特に、不易を「変わらないもの、変えてはいけないもの」、流行を「新しいもの、変わるもの」として解釈されることが多いかと思います。

そして、「変えるものと変えないものをしっかり見極めよう」

という考え方として、よく使われているようですが、より重要な考え方は別にあります。

 

不易と流行は、陰陽一体、別物ではないと考えます。

陰が極まれば、陽に転ずるように、刻々と変化をしています。

さらに、不易という意味自体、「変わらないもの」ではなく、変化の法則が変わらないことを表しています。

つまり、すべてのものは変化するのが前提の考え方です。

 

残すものと変えるものの取捨選択といった議論ではなく、

時流の中で考えること、優劣の話ではないことに気づくはずです。

 

今回示した不易流行の考え方は、自分らしい人生を考える上でも有効です。

時流の中で考える視点を取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

易経を含めた、中国古典の代表、四書五経についての記事はじめ、歴史から学ぶための記事も用意しています。

こちらも是非ご覧ください。

四書五経とは何なのか?簡単なまとめと現代人が学ぶ意味を考える

教養を身につける本当の意味と方法、社会人になってからでも始めるべき理由

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