こんにちは!Jimmyです。
今は時代の過渡期と言われています。
日本の将来はどうなるのか?
完璧に予測することはできませんが、過去の歴史を振り返ると、面白いことに定期的な価値観の大転換が発生していることがわかります。
今回は、「価値観の大転換40年スパン説」と名付けて、2020年代に大きな変革が起こる可能性を考えます。
今の世の中に蔓延している迷子の世代
私は1984年生まれです。
バブル景気の時の記憶は(残念ながら)ほぼありません。
記憶にある日本はいつも不景気で、人は疲弊しているように見えました。
失われた10年が20年になり、30年になりました。
これだけ低迷が続き、明るいニュースがないと、景気のいい時代を経験してみたいと率直に思います。
もちろん、どんな時代でも生き生きと自己実現できる人はいます。
それでも、今の日本は、多くの人が将来に対する希望を持てずにいるのが現状です。
希望どころか、何のために働いているのか、人生の目的は何なのか、しっかり見据えて動いている人はあまり多くないのではないかと感じます。
以下、「「人の上に立つ」ために本当に必要なこと」という著書より引用します。
われわれはまさしく失われた世代だ。
ただし、”迷子の世代”と呼んだ方がいい。
日々あくせくして働きながら、どこにもたどり着かない。
きょろきょろ周囲を見回しお金を探しているだけだ。
それがわれわれの唯一の基準になっている。
そこには確固たる信念も倫理規範もない。
(「人の上に立つ」ために本当に必要なこと ジョン・C・マクスウェル著より引用)
今の社会の特徴を、端的に表現されていると思います。
日本の経済は、バブル景気とその崩壊に伴い、長いトンネルに入りました。
昔は、日本は経済大国であり、アジアでは間違いなく一番豊かな国でした。
現在でも、日本はアジアでナンバーワンでなければならないと思っている人は多くいます。
しかし、残念ながら、多くの分野で他国に並ばれ、抜かれているのが現状です。
経済規模では、中国にはもう及びません。
規模だけではなく、先端技術でも他国の勢いが上回ります。
IT分野を中心に、急成長を遂げた深センは、中国のシリコンバレーと呼ばれるほど、多くの新たな企業を生み出しています。
”迷子”になっている間に他国に並ばれ、そして追い抜かれていったことは真実です。
日本全体に危機感が無くなり、努力することの意義を見出しにくい。
そんな時代が、何十年も続いているのです。
日本の転換期と価値観の歴史を振り返る
日本の未来を予測するとき、時代の流れを考えるという意味では、過去の歴史から考えるというのが定石です。
過去の歴史と時代の転換点、特にここでは、日本人の価値観を大まかに捉えることで時代の流れを掴んでいきたいと思います。
私は、「価値観の大転換40年スパン説」(勝手に命名)に目をつけました。
おおよそ40年間で、価値観の大きな転換が起こっています。
以下の表にまとめています。
最初の転換点を明治維新としました。
ここを大転換点だと認識しない人はいないでしょう。
この明治維新からの約40年間を、第1ピリオドとします。
①第1ピリオド 近代化・維新から日露戦争
ご存知の通り、1867年に大政奉還が行われ、明治維新へと進みます。
これより少し前には1853年にペリーの来航、1858年に日米修好通商条約締結というイベントが発生しています。
それらが伏線となり、江戸幕府崩壊につながりました。
明治維新以降の日本の共通認識は、欧米列強の脅威です。
列強からの植民地化を防ぐため、西洋文化に習い、近代化を急ぎます。
これは、江戸時代の価値観とは全く違った価値観です。
ちょんまげに袴で刀を差していたお侍さんは、洋服に帽子をかぶり靴を履きます。
そして、西洋のものを次々と取り入れていきました。
軍事、政治、教育体制、すべて欧米から取り入れました。
列強から日本を守るという、時代の最重要命題がありました。
そのため、多くの人が学問を志し、近代化の波に乗ろうと努力しました。
政府は、列強からの防衛線である朝鮮半島を視野に入れていました。
大政奉還からわずか30年足らずで日清戦争を戦います。
当時、大国として、列強からも警戒されていた清に日本が勝利します。
そしてロシアとの日露戦争。
大国相手に自国の戦力の乏しさを十分に認識していた日本は、着地点を最初から決めていました。
早期決着しなければ勝てない、早期に講和に持ち込むことを絶対条件に置いていました。
自国の脆弱さをはっきりと認識した上で、誰もが必死になって考えた末の薄氷の勝利でした。
戦勝国として賠償金を獲得することができなかったという点において、国民の反感を買うことになりましたが、
当時の政府は、日本の力を十分に認識していたため、すぐに折り合いをつけ、講和条約を締結したのでした。
このピリオドは、日本を守るための「西洋化」という価値観が日本を覆っています。
西洋化による文明開化を経て、江戸時代の終焉から40年弱で、大国ロシアを打ち破ることに成功したのです。
②第2ピリオド 日露戦争から第二次大戦
日清戦争、日露戦争を経て、日本はアジア勢として唯一、列強と肩を並べる存在になりました。
欧米からは日本に対しての警戒感が強まります。
そんな中、第一次世界大戦にて、日本は連合国側につき、戦勝国となります。
主戦地が遠く離れたヨーロッパにあったことで、日本は被害を受けることなく、戦争需要に沸きます。
その頃から不敗神話、慢心は顕著なものとなりました。
このころの日本は、帝国主義、国家主義の価値観のもと、拡大路線を続けました。
シベリア出兵では、連合国との約束を反故にし、独断で兵力を送り、シベリア鉄道や鉱山資源の支配権を確立しようと画策しました。
そして、徐々に対米英の構図が出来上がっていきます。
第二次世界大戦が始まってからも、日本は相手国の戦力分析を怠りました。
分析はしても、なぜか、戦意を低く見積もるという謎の行動に出ます。
兵力や技術の差に気づけるチャンスはいくらでもあったのですが、それを考慮しませんでした。
太平洋戦争に突入する前のノモンハン事件で、ロシアと戦った際に、武器や兵力の差に気づけるチャンスはありました。
しかし、玉砕戦では日本は無類の力を発揮するという信仰のもと、勝つ見込みのない戦争へと足を踏み入れていきました。
ガダルカナル島の戦いで大敗となりますが、アメリカ軍が機関銃を装備し、近代的な戦いを仕掛けてきたのに対して、
日本軍は明治期(1905年)に開発された38式歩兵銃という単発の銃で戦いました。
完敗は当然の結末ですが、それでも、最後まで改められることはありませんでした。
日露戦争までと明らかに違うところは、自国の力を冷静に分析し、現実的な落としどころを考えていなかった点です。
国民も、「日本は神の国」という教育が施され、根拠はないが負けることはないという信仰めいた考えが主張されていました。
近所のおばさんたちが、竹槍を持って、アメリカ軍の来襲に備える演習をしていたそうです。
歴史の資料集に掲載されているのを見たことがある人もいるかもしれません。
今思うと、にわかには信じられない対応です。
③第3ピリオド 終戦からバブル景気
1945年、ポツダム宣言を受諾し、戦争が終了します。
アメリカによって、日本軍は解体され、国家主義的な考え方はここで終焉を迎えます。
そして、戦後の復興へと向かっていきます。
焼け野原からの再スタートです。
GHQを主体とした改革が行われていきます。
1950年の朝鮮戦争勃発により、日本は戦争特需を享受し、復興の波に乗ります。
そして1950年代後半から70年代にかけて、例を見ないほどの成長を遂げていきます。
高度経済成長期です。
池田勇人内閣の所得倍増計画がスタートし、三種の神器が消費意欲を大いに掻き立てました。
国際的にもIMFやGATT、OECD加盟により、国際的地位の回復も果たしていきます。
このころの日本は、「明日は今日より、もっと良くなる」との共通認識がありました。
サラリーマンという働き方が急激に増えていったのもこの時期です。
サラリーマンは気楽な稼業と言われるほど、モノを作れば売れる時代であり、日本中が活気に満ちていた時代です。
一生懸命働けば、働いただけ成果になり、将来は良くなるという考え方です。
言い換えれば、何も考えなくても、一生懸命言われたことをやっていれば豊かになった時代でもあります。
終身雇用制、年功序列型の賃金、社会保障制度はこの時代の特徴です。
そして、より良い生活を夢見て、豊かさを求めた日本人は、モノやお金へのこだわりを強くしていきました。
④第4ピリオド バブル景気から2020年代
高い成長を続けてきた日本ですが、プラザ合意を経て急激な円高による円高不況を経験します。
これに対応するために、日銀は金融緩和政策に踏みきり、公定歩合を下げ、1987年には過去最低の2.5%とし、為替相場の安定を図りました。
そうして、低金利政策によって余った資金が、株や土地に流れるようになります。
バブル景気の到来です。
実態とかけ離れている点で、本当の好景気とは言えない状況です。
そして、今では誰もが承知している通り、バブルはいつかはじけます。
過熱感への対応に苦慮した結果、日銀は公定歩合の引き上げを実施します。
不動産融資に関する総量規制も影響し、資金の循環が滞るようになりました。
そうなると当然、土地や株を買える人が減り、価格は急落していきます。
こうしてバブルが崩壊しました。
その後は、バブルの後遺症に苦しみながら景気低迷を味わうことになります。
金融機関の不良債権問題は深刻になり、貸し渋りが発生、企業の資金繰りも悪化させ、景気をさらに悪化させていきました。
「リストラ」が多くの企業で行われ、先行き不透明感が強まり、個人消費は落ち込みました。
長いデフレからは、今も脱却できていません。
この時代は、まさに私が幼少期から現代に至るまでそのものです。
子供の頃は、サラリーマン=疲れている人というイメージを持っていました。
満員電車や、疲弊しきったサラリーマンの映像がよくテレビで流れていました。
自虐的なサラリーマン川柳は、もはや毎年の恒例となりました。
これでは、将来に明るい希望を持てる若者が少なくなるのも、ある意味致し方ないと思います。
高度経済成長期とは全く異なった価値観が生まれています。
物欲は低下し、無気力に見える人が増加しました。
冒頭で書いた通り、迷子の世代と呼ぶのがピッタリでしょう。
何を目標に生きているのか、意義が見出しづらい世の中です。
経済規模では中国に抜かれ、最新技術でも後手に回っています。
グローバル競争で苦戦を強いられています。
かつての世界2位の経済大国日本はもうありません。
貧困率の増加に伴い、恋愛や結婚にも消極的な若者が増えています。
一方、貧富の格差は拡大する一方で、社会全体がギスギスしている印象を持ちます。
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⑤第5ピリオド 2020年代以降
間も無く第4ピリオドである1980年代後半から40年が経ちます。
40年スパンの法則から考えると、もうすぐ大きな価値観の転換点がやってくるのではないかと考えています。
過去の歴史からも分かる通り、変化の前兆はしっかりとあります。
第1ピリオド、明治維新の前兆は、外国船の到来と列強の脅威です。
第2ピリオド、帝国主義への前兆は、日露戦争の勝利(天佑)による不敗神話の蔓延です。
第3ピリオド、戦後復興については、前兆とは言えないのですが、終戦というはっきりした事象があります。
そして第4ピリオド、直近の不景気40年の前兆はバブル景気と崩壊です。
そうしてみると、次のピリオドに向けて、現代の価値観を打ち破る要因となり得る事象は多く存在しています。
世界を見渡せば、あちこちで頻発するテロ、経済格差、ひいては、大国における絶対的権力者の登場。
これらは、今までの自由至上主義的なグローバル競争と市場経済、資本主義の終焉を予感させます。
国内を見渡しても、今までの教育体制(明治時代からの体制の踏襲)では限界に達していることが明らかであり、2020年から教育改革が始まりました。
大学の入試のあり方も大きく変わっていきます。
これは、大きな転換点として捉えるべき動きです。
過去の歴史を遡ってみることで、40年スパンの法則を考えて見ましたが、間も無く大きな変化が起きてもおかしくないと思えるのです。
そしてその後は大きな価値観の変化が伴うことになるでしょう。
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変化の時代に準備しておくこと
勝手に価値観の40年スパン説を展開してきました。
これらは、すべて、日本だけではなく外国との関わりの中で考えていくことが必要なのは明らかです。
先ほど述べたとおり、世界中でテロが頻発しており、格差も広がっています。
世界の大富豪であるごく一部の人間だけが、世界中の富の半分以上を占めているのはどうにもおかしな状況だと思います。
反発が収まることはまずないでしょうし、どこかで是正されることは必然であると考えた方がよいでしょう。
開かれた自由競争の時代、資本主義の世界が間もなく終わるという予兆なのかもしれません。
安い労働力と規模の経済の追求は、限界に達しつつあるように見えます。
人間のコミュニティのあり方が見直されるようになるかもしれません。
より密接な地域社会、コミュニティが重要になってくるかもしれません。
もちろんAIの発達が与える影響も無視できないと思います。
国家が発行する通貨は今ほど重要な意味を持つのでしょうか?
あくまで予測することしかできませんが、2020年代はすでに始まりました。
いつ、どんな大転換が起きてもおかしくない時が来ていると、認識を持っておくべきかと思います。
構造の変化は、価値観の変化を必ず伴います。
そのため、流されているだけでは、ついていけなくなる可能性が高いと思われます。
つまり、周りと一緒のことをしていれば大丈夫だろうという考えはよろしくありません。
主体的に情報を取り、自ら考えることが、次の時代に向けて準備する上で最も重要です。
以上、ここまで読んでいただいてありがとうございました。
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