上司や役員の前で緊張する人
こんにちは!Jimmyです。
上司や役員などの役職が上の人を前にすると、緊張をしてうまく話せないという人が若手社員を中心に少なくありません。
今回は、なぜ上司の前で過度に緊張してしまうのか、そしてどう対策をすればよいのかについて、私のサラリーマン時代に感じたことや経験したことを基に紹介します。
実際、上司を前にすると、面接をしているわけではないのですが、何故か緊張して、頭の中が真っ白になり、何を話していいのかわからなくなってしまうという人もいるでしょう。
適度に緊張感を持っていた方が、実は話もうまくいくケースが多いのも事実。
しかし、緊張しすぎると、顔もこわばり、逆に上司から無愛想だとか、態度が悪いかのように見られてしまうこともあります。
円滑なコミュニケーションは、職場の雰囲気づくりや自分の働きやすさにもプラスの作用を及ぼします。
緊張するという人は、早いうちに改善しておくべきでしょう。
一番の解決方法は、自分の言っていることに自信を持つことですが、それにはある程度、「仕事ができる」人間になることが必須です。
仕事の経験やノウハウが豊富な上司を前にして自信を持つことは、一朝一夕でできることではありませんので、今回は、気持ちの持ち方の部分に焦点を当てたいと思います。
ここで言う上司、役員はもちろん普通の上司です。
ひどいハラスメントをしてくるような上司は別の対策を取る必要がありますので対象外とします。
人間としての上下はない 苦手意識の悪循環を断ち切ろう
役職が上の人だとわかると、条件反射的に緊張してしまう人がいます。
苦手意識が緊張を増幅して悪循環になってしまうケースも見受けられます。
まず認識していただきたいのは、「上司も普通の人間」ということです。
目の前にした時に緊張してしまうのは、何も、その上司が人間的に上だからとか優れているからではありません。
誤解を恐れずに言いますが、そんなにすごい人や、頭がとんでもなくキレる人はそうそういません。
よく、あの上司と話していると、何でもこちらの考えが見透かされているように感じるということを聞きます。
しかし、冷静に考えれば、そのような場合、上司ではなくても大体は気づけます。
あなたの横で同期が上司に報告しています。
苦し紛れの言い訳をしているときや、慌てているとき、あなたでもすぐに気づくでしょう。
誰でも気づくことなのです。
逆に、上司の行動の魂胆が見え見えなこともよくあるはずです。
何とか部下を説得しようとして、必死に理由を考えているなと感じることはありませんか?
その仕事における経験は上司の方が長いため、アドバイスをもらったり指導を受けたりして役に立つケースはもちろんあるでしょう。
その点において上司なのです。
しかし、それ以外はあなたと何も変わらない、普通の人間です。
中身は普通のサラリーマンで、普通のすけべおやじです。
役職を聞いて、「偉い人」、「すごい人」というイメージに直結することをまずは見直してみるとよいと思います。
繰り返しますが、役職は偉くても、堂々としていても、厳しい顔をしていても、本当にごく普通の人間です。
もし、あなたが30歳だとすれば、小学生の時、30歳の人を見てすごく大人(場合によってはおじさん、おばさん)に感じた経験はありませんか?
何でも知っていて、過不足なく世の中に対応できる人のようなイメージを持ちませんでしたか?
実際に30歳になってみてはじめて、まだまだ人生これから学ぶことや研鑽するべきことが多いことに気づくのです。
緊張の原因はいたって簡単
普通な人であることを認識した上であっても、緊張する場面は当然出てきます。
その理由を書いていきます。
①機会・権利の不平等
上司を前にした時に緊張する理由は機会・権利の不平等です。
簡単に言うと、こちらから話せる時間とタイミングは限られており、そこでうまくやらなければならないこと、
そして基本的に部下には拒否権が無く、変な指示を引き出してしまったらそれに従わなければならないという状況が緊張を生みます。
自分の言い方次第で、変な印象を持たれたり、面倒なことや追加作業が発生したりする状況は避けたいところですが、コントロール権は上司が握っています。
変につっこまれたり、追加の作業が増えるリスク、そして悪い印象を持たれた場合、次回以降の報告がさらに面倒になるリスクを部下だけが抱えているわけです。
これが緊張の原因です。
上司は一般的に忙しいとされています。
実際には暇な場合も少なくありませんが、それを正直に発言する人はいないでしょう。
部下を何人も抱えているため、関わる案件も多く、一人の部下に対して時間をいくらでも使えるような状況ではありません。
よって、いつでも話しかけられるという状況にありません。
報告のタイミングを考えたり、時には上司のスケジュールを前もっておさえることも必要になります。
そして、与えられた時間の中で伝えるべきことと、期待している反応を引き出さなければなりません。
また、繰り返しますが上司からの指示は基本的には従うことが求められます。
こちらの言い方や表現の仕方次第で、受け取られ方が変わり、結果、余計な追加作業や確認事項が増える可能性があります。
それを是正するために何か補足しても言い訳と捉えられたら、それ以上発言できません。
しかも、一度悪い印象を持たれると、次回以降がやりにくくなります。
当然評価者としての側面もありますから、評価や待遇面にも影響を及ぼすでしょう。
挙げ句の果てに、機嫌が悪いときに話しかければ、何を話してもマイナスになってしまうということさえあります。
一方、上司は部下の状況に関係なく、いつでも自分が好きなタイミングで話しかけますし、思いつきでも指示を出します。
同僚と仕事の話をしているなか、平然と割って入ってきて自分の要件を話す上司や先輩の姿なら、いくらでも見たことがあるでしょう。
上司は、自分が忙しければ部下の話を拒否します。
部下の提案についても、やりたくないと思えば却下できます。
間違えたことを言っても、後で何事もなかったかのようにさらっと訂正して終わりです。
この非対称性こそが、緊張する場面を作り出しています。
何度でも繰り返しますが、上司はすごい人間でも何でもありません。
「明日10時から30分だけ時間を与える。そこで、あの小学生に、塾に通うよう説得できなければ減給」という状況になれば、小学生相手でも緊張するでしょう。
人ではなく状況が緊張を生み出していることをまずは理解、認識してください。
②身分制度のような縦社会文化

緊張する状況は上記の通りですが、それに追い打ちをかけるのが日本の縦社会文化です。
無条件に、「年次が上であれば偉い」というのが多くの日系企業での共通認識です。
それが染み付いているのです。
共通認識のレベルになっているので、無意識のうちに先輩に対しては気を使いますし、後輩に対してはある程度威圧的でも不思議に思う人はほとんどいません。
上の人間への言葉選びには、本当に気を使います。
日本語は難しいと、私自身よく思いました。
少しの言葉の選択ミスで、気分を害されたり、指摘されたりした経験は私にも何度かあります。
まるで身分制度のように機能しています。
身分が上の者に対しては、発言の内容以前に、失礼が無いようにという意識が必要になり、余計に神経を使うことになります。
後輩に声をかけられれば、席上で
「はあ?なに?」
と言うだけで、体はピクリとも動かさないのに、
上司に呼ばれたら、
「はい!!!」
と勢いよく立ち上がり、メモを手に駆け寄っていく姿はいつ見ても滑稽です。
多くの上司は、部下を身分が下の人間とみなしていますし、部下は上司を身分が上の人間とみなしています。
実際は、身分という概念では考えていないのでしょうが、やっていることは同じです。
この会社内の身分制度が緊張を増幅する効果があることは想像に難くありません。
むしろ、緊張感を見せずに、余裕しゃくしゃくで流れるように話していれば、自分がなめられているのではないかと感じる上司もいるほどです。
伝統的に重要視されている、目上の人に対する礼儀を否定するつもりはありません。
重要なことです。
しかし、現状見られる光景は、そういった道徳観念を超えた、身分制度が一人歩きしているように思えてなりません。
孔子や偉大な思想家が繰り返し説いてきた、年長者を敬うという考え方は、1歳でも年長であれば、
23歳と24歳の関係でも、絶対的な上下関係が存在するというものだったでしょうか。
年長者は後輩に対して、気を使わず、自由に振舞ってよいというものだったでしょうか。
違います。
古今東西、古くから受け継がれてきた大切な思想の教えにそのような概念は一切ありません。
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緊張する人は、少し工夫し、早く慣れることでよい方向に進むことができます。
まずは認識から。
もはやくどいと言われるかもしれませんが、上司も普通の人間であることを疑わないでください。
これができれば随分変わります。
相手を必要以上にすごい人だと思うと緊張は無くなりません。
どんなに準備をしても、どんなに自信を持っていても、ビルゲイツさんや孫正義さんの前でビジネスプランを話してくださいと言われれば緊張しないわけにはいきません。
その上での対策ですが、
一言で言えば自意識過剰にならないことです。
自分も普通の人間です。
思うような結果にならないこと、例えば上司を怒らせてしまうようなことも当然あるという前提でいることが重要です。
あってもよいですし、恥ずべきことではありません。
相手も普通の人間です。
ましてや全知全能などあり得ません。
気分次第で反応も変わりますし、報告中違うことを考えていることもありますし、色眼鏡で人やモノを見てきます。
話していることについて無知なこともありますし、間違ったことを言い出すこともあります。
上司から注意を受けたり怒られたりするとき、つまり自分が望む結果を引き出せないことも当然あります。
そのときは、今回はうまく相手をコントロールできなかったと思ってください。
冷静に要因だけを考え、次はしっかりコントロールして、思い通りの反応を引き出してやるぞ、と思ってください。
必要以上に落ち込むと、冷静な分析ができなくなります。
面倒なことになったら嫌だ、悪い印象を与えてしまったら嫌だと怖がりすぎると、緊張度合いも比例して増幅します。
仮に報告事項が思うように理解されず面倒な追加作業ができてしまったら、ゲームに失敗したくらいの感覚で、同僚に笑い話として話しましょう。
きっと同じような経験を披露してくれるでしょう。
一緒に効果的な攻略法を考えるのもよい方法です。
「あの上司なら、〇△部長の了解を取っていることさえ最初に伝えれば、あとは簡単だよ。」などの有益情報が見つかるかもしれません。

「次はどう攻略しようか」と考え、自意識過剰にならないこと(面倒な結果を極端に恐れないこと)で心持ちも楽になり、緊張は抑えられます。
適度な緊張感をもっていれば、変に固くなることもないですし、逆に軽い印象を与えることもないでしょう。
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緊張せずに話せた元甲子園球児の例

私の会社員時代、後輩で元甲子園球児の男性がいました。
彼が新卒で入社した年に甲子園を沸かせた、花巻東高校の菊池雄星投手(現シアトルマリナーズ)にちなんで、私は雄星くんと呼んでいました。
(もちろん親しみと甲子園球児への敬意を込めてです、東北出身でピッチャーという共通点もあったのでピンときたのでした。)
雄星くんは、素朴で口下手な印象で、職場で上司や先輩と話す時などは緊張している様子がいつも伝わってきました。
話の内容もまとまらず、横で聞いていても、何を言いたいのかわからないことも少なくありませんでした。
話すことはあまり得意ではないのかと思っていました。
ある日の休日、部署内で野球をする機会がありました。
当然の流れで、強豪校のピッチャーだった雄星くんに、みんなのピッチングを見てもらおうということになりました。
そこでの雄星くんは完全な別人でした。
「○○さんのフォームは足を上げた時に右肩が下がっています。投げるときの体重移動で球に力を伝えるのですが、そうなると力の伝わり方が、、、(以下省略)」
詳しい内容は忘れましたが、実に堂々と、しかも理路整然と話し始めたのです。
声の調子も、いつもの上ずったような声ではなく、落ち着いたベテランコーチのようでした。
相手は同じでも、この時の雄星くんにとって職場の先輩、上司は普通の人(普通のおじさん)に過ぎません。
緊張せずに話せばこうも違うのだと感心した出来事でした。
もちろん野球という得意分野で、しかも名門高校出身のピッチャーですから、自信を持っていたことも大きな原因ですが、緊張せず、恐怖心を持たずに臨むことができれば、話し方、相手への伝わり方は大きく違ってくるといういい例だと思います。
今回紹介したことは、特別なスキルでも何でもなく、意識の持ち方一つです。
慣れさえすれば、当たり前のこととして捉えることができるでしょう。
本来の自分でいるだけで、上司への対応は驚くほどスムーズにできるようになります。
是非一度試してみてください。
最後に、今の世の中、年次を軸とした上下関係は無益なことが多いです。
先輩後輩という関係に拘り過ぎるのは時代遅れの兆候すらあります。以下の記事も参考にしてみてください。
以上、ここまで読んでいただいてありがとうございました。
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