こんにちは!Jimmyです。
今回は「問いを立てる力」こそが人生の充実度を左右するという趣旨です。
変化がかつてないほど速く、激しく、正解がない時代となりました。
そのような時代に自ら問いを立てることができないと、大いに迷い、最悪の場合どこにもたどり着きません。
つまり、自分が何者なのかわからなくなり、人生で達成感や幸福感を得ることができなくなるということです。
簡単なことではありませんが、問いを立て、実践、検証していくことで、確固たる自己はもたらされます。
問い続けて得られる確固たる自分こそ幸福の礎
本ブログでは、ことあるごとに、信念を持つことの大切さや、そのための考え方についての記事を書いてきました。
幸福感を持った自分の人生を生きるためには、自己確立、信念は欠かせないからです。
ここで、強調しておきたいことは、自己確立、信念は一日にしてならずということです。
自分を知るにも、これからのあり方を考えるのにも、まずは過去を振り返ることが大変重要です。
そこに自分の大事な思想があり、価値観、信念につながるヒントが眠っているからです。
しかし、とことん振り返って、自信を持って「これだ!」と見つけたつもりでも、その後簡単に揺らいでしまうことがあります。
それは、実践や検証を繰り返していないことに大きな原因があります。
当然ですが、過去を振り返って、これが自分の信念だと考えて、それで満足して終わりではありません。
それを指針に行動できてこそ意味があります。
実践していると、「実は自分の大事な部分ではない、むしろこっちの方が大事なのでは?」といった新たな問が生まれます。
繰り返し実践し、問い続け、検証していく中で「これは違う!」と思うこともあるでしょう。
反対に、行動するごとに確信に変わり、自分が持つべき強烈な指針となるものも出てくるはずです。
問いを立てることの繰り返しです。
科学の発展に見る「問」の重要性
科学も100%の正解はない!?
文系人間の私は、あまり科学の分野が得意ではありません。
それでも、時々意識的に科学関係の本を読んでみると、違う視点での発見があることも珍しくありません。
最近読んだ「若い読者に贈る美しい生物学講義」(更科功氏著)という本に、以下のようなことが書いてあり目を引きました。
色々なことが、完璧に証明されているように思っていましたが、完璧なものはないそうです。
科学では、まず仮説が立てられ、その仮説を検証するという方法が採られます。
観察や実験を通して、その仮説が支持されれば「良い仮説」となり、反対に支持されなければ「悪い仮説」となる。
そして、何度も検証され、支持された仮説が、「理論」や「法則」と呼ばれるものになっていくとのことでした。
仮説と検証の繰り返し
そのような理論や法則と呼ばれるものでも、100%正しいとは言えないというのは意外でした。
印象的なのは次の言葉です。
新しい事柄を知るためには、100パーセントの正しさは諦めなくてはならない。これは仕方のないことなのだ。それでも、私たちは知識を広げてきた。真理には到達できなくても、少しでも、そこに迫ろうとして。
(『若い読者に贈る美しい生物学講義』より引用)
現代の私たちの生活は、科学の功績なしには語れません。
その科学も、完璧な正解がない中で、証拠を見つけ出しては推測し、仮説を作り、検証する中で少しずつ発展していったということです。
当たり前のように使用している理論も法則も、そのような正解のない挑戦の結果だということがわかります。
自己確立も、まさに同じようなプロセスではないかと思い、ひそかに感銘を受けたのでした。
正解のない時代は迷う、だから自ら問いを立てる
人生迷子が大量発生
冒頭にも、正解がない時代と書きました。
昔は正解とされてきたことも、簡単に否定されます。
そのような中、前を向いて生きていくためには、どうしても個人としての強い指針(信念)が不可欠です。
時代が変わって、今までの正解がなくなり、新たな概念が舞い込んできます。
組織によっては、その価値観を強制するようなこともあるかもしれません。
とにかく歯を食いしばって、言われたことを真面目に、こつこつ、文句も言わずに働くことが素晴らしいはずだったのに。
そうすれば何の心配もない老後が待っているはずだったのに。
気づけば、「終身雇用は終わりだ」、「個人個人が人生をデザインする時代だ」という流れになっていた。
いつの間にか、ダイバーシティ、クリエイティビティ、クリティカルシンキングなどの横文字が踊っている社会になってしまった。
さらには、AIやデジタル化が当たり前の潮流となってきている。
どこに正解が示されているのか、何にしがみつけばよいのかわからず、人生迷子になっている人が大量発生している現状があります。
今いる組織が今後何十年も安泰で、組織独自のお作法も変化せず、その組織にいて心底満足感を感じる。
そうであれば、そこにしがみついていればよいのかもしれませんが、思い通りになる保証はどこにもありません。
私自身、銀行員を12年ほど経験した後に、会社を辞めて痛感しましたが、辞めて個人になると、圧倒的に何もできません。
だから、長いこと所属している組織にしがみつく人が多くなるのはよくわかります。
しかし、時代の変化を考えると、しがみつくだけでは危険過ぎると言えるでしょう。
これから、ますます変化も多様化することが予想されます。
そのような時に、他者に正解を求めている場合ではないことは明らかです。
いかに自分を持つことができるか、それが大前提であり、幸福感はその土台の上にある話です。
これまでの時代とは何もかも違う
正解のある時代とは、変化の少ない時代です。
当然、成長という変化はあるのですが、あらかじめ決められた軸の中での成長です。
いかに品質を改善するか、いかに訪問件数を増やすかといった課題に取り組みます。
環境が大きく変わらなければ、前例や過去の経験がよく活きます。
そのため、覚えること、慣れること、受け入れることが有効であり、ある程度年功序列も機能しました。
経済成長の低迷、終身雇用の崩壊、格差の拡大、業界再編も進んでいます。
さらに、人の価値観も多様化し、ライフスタイル、働き方、人との関わり方、そして企業のあり方にも大きな影響を及ぼしています。
おまけに、気候変動や資源・食料問題、新たな災害の発生などの地球規模での環境変化が、文化・経済の変化に拍車をかけている現状です。
正解などは誰もわからない中で、様々な意見や方針が出ています。
情報に振り回される思いをすることもあるでしょう。
だからこそ、個人としての生き方、働き方、やるべきこと、身につけるべきこと、変えていくべきことなどは、自分自身で問いを立て、強い行動指針を確立していくべきでしょう。
すべてにうまく対処することは難しいとは思いますが、一つでも揺るがない信念があれば、それだけで大きな武器となるはずです。
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シンプル!問の立て方
上述した通り、あらゆる方面にて大きな変化が起きています。
時代の歪とも言うべき弊害も発生しています。
何が正しいのかよくわからないカオスの状態になり、簡単に思考を操作されるような事例も頻繁に耳にするようになりました。
そのような時代に武器となるのが、問いを立てて、自ら考える力です。
その問の立て方は非常にシンプルです。
他人と違っても違和感を大切に
問のはじめは、違和感を考えてみることです。
過去の自分をよく振り返った後で、今の自分を考えると「これが本当の自分なのかな?」と思える点があるはずです。
現在の日常生活にて、何かをしていても、もっとこうすればいいのに、こうすれば面白い、楽しいと感じることもあるでしょう。
不快感とまではいかなくても、ふと感じた違和感、疑問を考え、仮説を持つことです。
人間なら誰にでもあるものです。
すべての常識や過去の出来事に対して、好感と納得感を持って受け止められるはずはないからです。
人それぞれ違うということもありますが、そもそも100%の正解などはないのですから当然です。
他の人が、全く疑問に思う様子がなくても関係ありません。
自分ひとりが疑問に思うことは、おかしいことではありません。
無論、悪いことでもありません。
むしろ、その視点こそ自分を成長させるチャンスです。
無分別に、権威や組織の常識をありがたがっている場合ではありません。
染まる前に自分を確立しよう
一つ例を挙げて考えます。
業績もよく、認知度も高く、商品も高く評価されている、成長真っ只中の組織に所属しているとします。
ところが、今の営業の仕事が好きにはなれません。
そこで、自分を振り返ってみた時、自分はいつも競争に勝利した時に、大きな喜びを感じてきたと分析しました。
そして、自分の幸福のための信念は、競争に身を置き、勝利にこだわること。
事実、今の組織では営業成績でトップに立っていない。だから満足感が低いはずだ。
勝利した時の達成感を自分は求めているのでは?
このように問を立てていきます。
そして、吹っ切れたかのように、今までよりもさらに営業に力を入れ、成果を出したとします。
そこで大きな満足感を感じれば、仮説は一つ検証され、信念が強化される経験となるでしょう。
反対に、全く満足感を感じなければ、そこで感じたことをもとに、別の問を立てることも有効です。
そうやって繰り返していくうちに、本当は競争に勝利することが至上の喜びなのではなく、正々堂々と勝負するところにもっと大きな意味を感じることに気づくかもしれません。
その組織は、非常にグレーな営業スタイルも駆使して、業績を伸ばしていました。
早くに気づけば、自分の働き方や、所属する組織を変える選択も取りやすくなるでしょう。
会社の人は「うちはグレーでちょっと危うい」などとは言いません。
利益は企業の存続に必要であり、それが雇用を支えているという言い方をするでしょう。
業績を伸ばすために、時には危ない橋を渡ることで、精神的な成長や、勝負感、圧倒的な雰囲気が身につくという人もいます。
単純な話ですが、ものは言いよう。
自分の軸がはっきりしなければ、簡単に翻意させられるでしょう。
ただ、公明正大という軸で考えるとしたら、取るに足らない主張だと流すことも可能なはずです。
問と検証は一生のスパンで
同じように、人生におけるあらゆることについて、問を立ててみることが有効です。
数日でできるものではありません。
一生をかけて続けていくことであるため、30代で見つけた確固たる行動指針も60代で大きく変わるかもしれません。
それでも、先ほどの科学の例からもわかる通り、何度も実践し検証された問は、真理に近いレベルで強いものとなります。
100%の正解はありません。
これが全てだ、完璧であると盲目になるのは危険ですが、人生の大きな指針となるはずです。
人生に遅すぎるということはありませんが、できるだけ早いうちに気づいて、習慣づけたほうがよいのは確かです。
ビジネスで注目される問を立てる力
本ブログのテーマに沿って、主に信念を見つける目的で、問いを立てることの有効性を示しましたが、人生のあらゆる場面において、問いを立てる力は有効です。
ビジネスでも有効に作用します。
経営やリーダーシップ論でも、問いを立てる力が大きく注目されています。
競争が激化する中、イノベーションを起こすことは、とてつもなくインパクトのあることです。
新しい競争軸を作り出すためには、まさに問から始めなければなりません。
イノベーションは、技術自体は圧倒的な先進性が必要なわけではなく、既存の技術の組み合わせでも可能です。
目の付け所と発想の勝負でもあるのです。
誰も目をつけていない、気づいていない問を見つけて、その解決策を示すことが求められます。
現代アート自体、まさに「問そのもの」です。
問を受け止め、見る側が考えなければ、おそらく目の前にあるものはただの得体のしれない物体でしかないでしょう。
それに携わるアーティストは、問を作る第一人者です。
そういうわけで、ビジネスにアートの考え方やセンスを取り入れようとする動きが大きな流行になっているのでしょう。
こちらも哲学自体、問を立てることから始まります。
価値観が多様化する中で、ビジネスでも様々な判断に悩まされることがあります。
当然、正解のないような難しい判断を迫られるケースもあるでしょう。
個人の立場、会社の立場、顧客の立場、さらに株主や外部環境なども影響して、とにかく複雑です。
そのようなときは、正しさ、倫理観とは何かを考えるのに、過去の哲人たちの思考は大変役に立ちます。
日本では、まだまだ古典のような印象があるかもしれませんが、外国ではビジネスにおいても哲学思考を持っている人は少なくありません。
アート思考とは何か、哲学を簡単に俯瞰したい。
そのような場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
まとめ
今回は、問いを立てる力が今必要である旨解説しました。
正解のない時代、変化の激しい時代だからこそ、自分自身の信念を強くもつ必要があります。
変化の中で、不安に苛まれる人、自分を見失う人、絶望する人が増えています。
世界中で、精神疾患者数は増え続けています。
倫理観が崩壊したような企業の違反事例も目立ちます。
確固たる自分を持つためにも、情報に流されないためにも、そしてビジネスなどの世界で活躍するためにも、問いを立てることから始める必要があります。
正解がないからこそ、何度も実践し検証された問は、自分にとって大きな行動指針となり武器となります。
一生かけて続けていくべきものですが、今の時代だからこそ、早めに習慣づけることが有効ではないでしょうか。
以上、ここまで読んでいただきありがとうございました!
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