平成の30年間で2倍!増え続ける日本脱出
こんにちは!Jimmyです。
日本を脱出して海外移住する人が増え続けています。
ご存知の通り、日本の人口はピークを超えて、減少局面に入っています。
それにもかかわらず、海外移住する人は年々増え続けている現状があります。
上のグラフ(総務省統計局のデータより作成)の通り、平成の時代を振り返ってみると、海外移住者は右肩上がりに増えていることが一目瞭然です。
ちなみに、海外移住者とは、仕事や学業などで海外に長期滞在している人を含みません。
つまり、永住権を取得して、そこで長期的に生活を営むことを目的とした人のみです。
平成の約30年間で海外移住者は2倍に増えました。
50万人近くもの人が海外に移住しています。
海外各国を見てみれば、決して移住は珍しいことではありません。
中には内戦や宗教上の理由から、命に関わる状況のために止む無く海外に移住する人も少なくありません。
しかし、当然日本はそのような状況にはありません。
私たちが幼い頃から言われてきたことは、「日本は一番住みやすい国」であるということです。
ではなぜ、これほど多くの人が日本から離れ、しかも年々移住者が増え続けているのでしょうか。
明らかに増え続けている海外移住者のペースを見ても、問題が無いとは到底言えません。
増え続けているのには理由があるはずです。
実際に多くの富裕層や若者が日本を離れています。
今回はその理由について見解を書いていきます。
住みにくい、息苦しい国、日本!
日本に住んでいると、息苦しいと感じる人は少なくないようです。
特に海外勤務や留学などを経験して、数年単位で海外に滞在したことのある人からは、よくこのような感想が聞かれます。
世界各国と比較して、日本は便利で安全であることは間違いありません。
それに意を挟む人はほとんどいないはずです。
(今のところは)インフラ、社会保障も整備されており、平和に安心して暮らせる環境は整っていると言えます。
それでも日本から離れる人がこれだけ多くなるのは、インフラや制度以上に、日本で生活することに対して大きなネガティブな原因があると言わざるを得ません。
不寛容、無関心な社会
強い常識的規範を社会全体に求めているのが日本です。
公共の場所で、人の迷惑になるような行動はしてはならないという観念は多くの人が持っています。
日本人は特に、他人に対する気遣いを大事にします。
多くの人が昔から散々言われてきたことでしょう。
これらは、ルールや常識を守ることで、公共の場所でも、お互いが安心して気持ちよく過ごせることが目的のはずです。
しかし、実際はどうでしょうか。
確かに、多くの人が非常に統一された常識的判断基準を持っています。
ところが、本来の目的である、お互いが気持ちよく過ごせるような社会になっているでしょうか。
なっているとは思えません。
幼い子が泣きわめいていると、途端にピリピリした雰囲気になり、迷惑そうな顔をする人が多くなります。
そのイライラの矛先は、泣いている子の親に向けられます。
幼い子を持つ多くの人が、そのような周りからの鋭い視線にどぎまぎした経験を持っています。
子供の例だけではありません。
相手の状況は関係なく、自分はしっかりルールを守っているのだからということで、周りに対しても高い常識的行動を当たり前のこととして求めます。
お金を払っているのだから、それに見合う(もしくはそれ以上の)サービスや恩恵を受けるのが当然の権利だと疑わない人がどれほど多いでしょうか。
今の日本は、社会全体に不寛容が蔓延しています。
他人の幸せに無関心で、お互い様という感覚が欠如しているケースも多いかと思います。
心に余裕が無い状態です。
さらに悪いことに、その影響は子供にも及びます。
子供も不寛容でピリピリした人格形成を余儀なくされます。
所得も比較的高く、生活レベルも高い家庭であっても、子供の問題は絶えません。
荒んでいると言った方がよいケースも多々あります。
学童保育で長年勤務されているある先生は、都心(東京で言えば23区内)の子供ほど問題行動が多く、対応に苦労していると仰っていました。
都心に暮らすことができるのは、基本的には、所得が相対的に高い世帯です。
生活に困らないほどのお金の余裕はあっても、心の余裕は無いのです。
所得が多い分、激務をこなしているのかもしれません。
心の余裕が無いため、その余裕のなさが子供にも伝わります。
学校や保育施設に対して、少しのことでも大クレームになる事例はよく聞きますが、
忘れてはいけないのは、子供もそれを見て育つということです。
子供の問題行動も多くなるのは当然です。
そんな環境で子育てをしたくないと思う人が増えることも、息苦しい生活に嫌気がさす人が増えるのも不思議ではありません。
働き方が異常
日本人の働き方は本当に異常です。
労働者の中で最も多い、被雇用者として働いている人たちの状況は年々悪化しているように見えます。
経済成長は、最近何十年もの間、低空飛行です。
ほとんど成長していません。
それでも、企業間では、既存のパイを奪い合うため、生き残るための競争が繰り広げられます。
一部の業界を除いて成長余地もない、商品の機能や性能にそこまでの大きな差はない、サービスにおいてもほとんど変わらないという状況です。
そのような状況で、他社にリードするために残された選択肢は、3つです。
新たな市場(ブルーオーシャン)を探り当てるか、徹底的にコストカットするか、人を使い倒すかです。
「簡単に言うな」と言われそうです。
それもそのはず、
ブルーオーシャンを簡単に見つけることができれば苦労はしません。
コストカットは、もはやどこの企業でもやり尽くされています。
そこで、人を使い倒すことになります。
当然人は疲弊します。
働き方改革については、いくらでも解釈の余地があります。
企業側からすれば、すり抜ける余地があるということです。
個別に見れば、社員に残業代を申請させないようにすることなどは、朝飯前なのでしょう。
サービス残業が当たり前の社会です。
成果や責任感につけ込み、勤務時間の正直な申請すら自主的にさせないようにしています。
つまり、記録に残らないようにするのです。
派遣業法の改定により、さらに企業が人を切りやすく、使いやすい状況を作り出しました。
大量生産時代に育まれた日本人サラリーマンの伝統気質も相まって、異常な働き方が蔓延するようになりました。
(詳しくは以下の記事を参考にしてください)
そんな日本企業で働きたくないと考える人が増えています。
日本人特有の残業してしまう特性はこちら
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自分を見失いたくない
長時間労働に代表される異常な働き方、不寛容な社会も相まって、自分の生き方を見失う、「生き方迷子」になってしまう人が増えています。
精神的な疾患を患ってしまう人も少なくありません。
先ほど示した、教育現場の子供の例からもわかるように、余裕の無い親の元で育った子供は、なかなか希望や前向きな人生を想像することはできません。
生き方迷子になっていては幸せな人生は送れません。
日本人の幸福度(2019年)は世界で58位と参加国の中では中間よりも少しいい程度です。
GDPは世界第3位、平均寿命は世界一の国としては驚くほど低いランクです。
収入は日本より少なくても、多少不便でも、自分らしく幸福感を日々感じながら生きていく道を選んだということです。
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税金、経済、諸々の事情
当然、海外移住する人の中には、金銭的な成功者も多くいます。
お金持ちにとって日本は、税金が安いとは言えません。
税金面からくる住みにくさから、海外に移住する人は必ず一定数はいます。
また、金持ちに批判的な日本と、金持ちが(比較的)尊敬される他国という図式も影響しています。
日本ではお金持ちに対して良い感情を持たない人が多いと言えます。
富裕層になったら、平均的な所得の世帯と付き合う機会は少なくなるようです。
富裕層からすれば、何を話しても「上から目線だ」、「調子に乗っている」などと言われてしまうという話はよく聞きます。
そこで感じる面倒臭さや住みにくさもあるのでしょう。
なお、日本より税金が安い国は以前からたくさんあり、また、金持ちに批判的な雰囲気も昔からあまり変わっていませんので、海外移住者が近年急激に増加している要因ということにはならないでしょう。
一方、日本の経済的な発展や将来の社会保障の崩壊などを危惧して、海外に移住してしまおうという人は年々増えているように感じます。
これも先ほどまでに挙げた、不寛容や異常な働き方などの現状と、「どうせ将来も明るくないのであれば」という考えが相まって決断に至ることが想像できます。
中国で暮らした感想と正直な比較
私は、仕事の関係で、7年半の間、中国で生活していました。(長期滞在)
赴任前は、日本人にとっては、日本が一番便利で暮らしやすい国であることに疑いを持ったことはありませんでした。
海外移住する人は、よほど海外の特定の文化が好きなのか、結婚などの事情でそうするのだろうと思っていました。
ましてや、私たち昭和生まれ世代にとって、中国と言えば当時、発展途上国という印象が当たり前でした。
加えて、食品への不安や日中関係を中心とした政治体制、マナー問題など、日本にいれば中国のマイナスイメージを持つのに事欠きませんでした。
しかし、実際に赴任して生活してみると、印象は全く変わりました。
食品問題、大気汚染などは引き続き心配な点ではありましたが、利便性やインフラといった部分では、日本よりも便利ではないかと思えることも多々ありました。
もちろん、言語は母国語ではない中国語であるため、苦労することはありますが、それでも気持ちは楽です。
それは、周りの人が皆てきとうだから(よい意味でも悪い意味でも)ということもありますし、あまり他人の目を気にしていない(こちらもよい意味でも悪い意味でも)ことが大きな理由です。
オフィス街であっても、日本人のように、気難しい顔をして歩いている人はあまりいません。
人に何か聞いたり聞かれたり、物を買うにも、道を歩くのも、日本のような相互監視による息苦しさは全くありませんでした。
(監視カメラや関連当局の監視という意味では怖さはありましたが、これはまた別の問題)
日本を出て初めて、日本の息苦しさに気づきました。
問題もたくさんある国ではありますが、日本にはない良さもたくさんあります。
東南アジアでもヨーロッパでもアメリカでも、それぞれの良さがあります。
敢えて息苦しい日本でずっと暮らすという選択肢をしないという人がこれだけ多いのも納得できます。
伝統的な日本人の美徳をなくし、日本を息苦しくする企業文化
これまで、海外移住をする人が急激に増えている理由を書いてきました。
✅無関心、不寛容な相互監視社会
✅異常な働き方
✅生き方迷子にならない自分らしい幸福感を求めて
✅税金等の理由
一方で、もちろん日本の良さが全て消滅しているわけではありません。
例えば、スポーツ観戦後にゴミを拾うサポーターの姿や、外国人旅行客に親切な田舎の人たち、
震災などの非常時でも食料配給にしっかり列を作る姿など、これらは度々外国の人たちから称賛されています。
昔から、日本人にあった単純な損得勘定を超えた美しい行い、このような光景は、お国柄に関係なく称賛される行為です。
思いやりに満ちており豊かな心を感じさせます。
しかし、残念ながら、「ビジネス」の場になると、なぜか日本人の美しい心はどこかへ行ってしまいます。
ずる賢さと陰険さに溢れています。
日本の企業で働く外国人の多くは、日本人の働き方や考え方に賛同できません。
親切なはずの日本人はどこにもいません。
ずる賢く、陰険な日本人上司に悩む外国人社員は少なくありません。
私が知り合った日系企業に働く外国人社員の多くは、日本人の上司に対して尊敬や肯定的な感情は持っていません。
日本人は、ビジネスの場では余裕がなくなり、相手が外国人であろうとも、部下であれば日本人と同じような行動を求めてしまうのも特徴です。
日本でサラリーマンという働き方が一般的になったのはここ100年ほどの話です。
長い歴史の中で見れば、ごく最近の話です。
そんな短期間のうちに、あっという間に日本人に染み付いたビジネス時の人格が、働き方を異常にしているだけでなく、不寛容さや、余裕の喪失、迷子の生き方、そして幸福感の喪失を誘発しているように思えてなりません。
会社のために他の大切なことを犠牲にするべきという間違った忠誠心、
利益目的の犯罪すれすれの行為(完全な法律違反も最近では目立ちます)、
善意や弱い立場につけ込んでも良心の呵責すら感じない完全な拝金主義、利己主義、
これらが蔓延しているのが今の日本大企業です。
日本を脱出して海外移住を決める人が年々多くなっているのは、日本の近年の企業文化に端を発しているというのが私の考えです。
このままでは、間違いなく、今後も有望な日本人の流出が増え続けます。
所得を増やし、生活水準を豊かにすることだけを追い求める人生がもてはやされた時代はもう終わりです。
人として、何が本当に豊かなことなのか、どんな生き方が本当に幸せなのか、時間をかけて価値観を少し変えてみることが今の日本人に最も必要なのかもしれません。
以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。
人生の悩みを抱えた人に向けて根本的に自分と向き合うための記事を書いています。
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