歴史を学ぶ本当の意味と3つのメリット

学校教育における「歴史」

こんにちは!Jimmyです。

今回は歴史を学ぶ意味と具体的なメリットを紹介します。

 

日本では、小学校高学年から学校で教えられます。

そして、中学校、多くの人は高校でも歴史を学びます。

実に6年以上にわたり、学ぶ時間があるということです。

 

しかし、海外からは、「日本人は自分の国の歴史のことも話せない」という評価を受けることが多いようです。

 

受験科目でもある歴史は、多くの人が苦労して勉強した科目だと思いますが、なぜこんなことになるのでしょうか。

実際、私も長い間、歴史の授業を受け、大学受験の際には必死に歴史を勉強した記憶があります。

 

では、20歳のとき、どれだけ歴史について知っていたか、

どれだけ歴史から学びを得ていたかを考えてみると、はっきり言ってほとんど役に立つ知識を得ていませんでした。

 

これは今思うと、本当にもったいないことです。

本来歴史は、現代にも将来にも役立つ知恵や学びが凝縮されています。

 

現代と将来に役立つからこそ、歴史を学ぶ。

大戦前後から駆け足の授業の謎 

旧石器時代からはじまり、徐々に現代に近づいていくのが日本の歴史教育のスタンダードです。

ところで、歴史の授業について、いつの時代の出来事や特徴が印象に残っているでしょうか。

 

恐らく、多くは平安時代から江戸時代くらいに集中するのではないでしょうか。

私自身も、学校の授業という観点では、源平の戦いや、戦国時代、江戸時代の記憶が比較的記憶に残っています。

 

では、近代以降はどうでしょう。

明治以降、世界大戦を経て現代までの歴史の授業について、記憶に残っているでしょうか。

 

どういうわけか、やけに急ぎ足で流れるように進んでいって、あまり具体的に授業で習った記憶がありません。

教科書のすべてを終了せず、学期が終わったような気がします。

他の人の話を聞いていても、同じような印象を持っている人が多かったことから、意図的に内容を薄くしているのかと思ったほどです。

歴史を学ぶ意味

受験科目としての歴史 覚えているのは発生年と名前だけ

歴史で勉強したことといえば、いつ起きたかということと、人物の名前、起きた事件の名前ではないでしょうか。

 

  •   鎌倉幕府ができたのはいつですか?
  •   織田信長に謀反を起こした人はだれですか?
  •   1467年に起こった内乱を何と呼びますか?

 

必死に暗記した記憶がある人もいるでしょう。

 

実際、記憶にあるのはこうした断片的な暗記事項ばかりです。

上の3つの質問であれば答えられる人はかなり多いと思います。

 

少し詳しい人は、幕府は源頼朝の死後、どのようにして統治を行ったのか、

織田信長が実施した政策はなぜ革新的だったのか、

応仁の乱はなぜ起こったのかを説明できるかもしれませんが、少数派でしょう。

せめて興味と関心を持たせるような授業だったら

私も、当時はひたすら暗記と表面的な事象の把握に努めていました。

まさしく受験勉強のためです。

 

疑問を持ったり、そのイベントの重大さやインパクトを考えたりすることはありませんでした。

鎌倉幕府の例でいうと、機械的に、

北条氏による執権政治、

北条泰時が、御成敗式目を作った、

承久の乱で後鳥羽上皇が隠岐に流された、くらいでしょうか。

 

名前を覚えるのも完全に無駄ではないですが、これで何が面白いのでしょうか。

何を学ぶのでしょうか、という問題が残ります。

 

よく子供が勉強しない言い訳として、「歴史を習ったって将来、なんの役にも立たない!」と言います。

確かに、これでは役に立ちません。

 

何年に何が起きたかを覚えていることで、役に立つことはありません。

子供の言い分ももっともです。

子供に対してであれば、せめて、興味、関心を引くような話や教訓を少しでも取り入れるべきです。

 

たとえば、ある程度前提条件を教えたうえで、

自分が北条泰時だったら、後鳥羽上皇(天皇家)をやっつけることをどうやって正当化するか?

などを考えたらおもしろいのでは、と思います。

 

結局、今も昔も、物事を正当化したり、人を統制するために策をめぐらす、ということは日常的に発生します。

同じ人間の性質ですから変わらないのです。

 

先ほどの問いのヒント

北条泰時の政治からわかる成功と人がついてくる条件

 

今とつながる考え方も多く発見できます。

時々であっても、そのような視点で、考える時間を子供に与えれば歴史も面白くなるのではと思います。

考えること自体が大切な学びのプロセスです。

大人であれば、昔の面白くない受験勉強の名残を一旦置いて、これから説明する歴史を学ぶメリットに目を向けてみるべきでしょう。

歴史を学ぶ意義

慌てて学びなおした日中の歴史

私が歴史を学びなおすきっかけは、社会人になってからのことです。

社会人になって初めて歴史の大切さに気づいたのです。

慌てて学び直した体験を一つ紹介します。

 

銀行員時代の中国への転勤のときでした。

上海勤務が命じられた26歳のときです。

 

戦時中の話や、戦後の文化大革命や大躍進政策、日中関係の背景、余裕があれば、三国志も、、、などと思いながら慌てて学び直しました。

 

中国の人と一緒に働くということは、当然歴史的背景に敏感な人もいるはず、全く知らなかったらまずいと思ったからです。

 

当時の私の知識は、1894年、日清戦争が起こり日本が勝利してどこかの半島をもらった、

1931年、日本軍が鉄道を爆発させた満州事変、

1938年日中戦争勃発、戦争でたくさんの命が奪われたが、特に南京大虐殺はひどかった。

これくらいでした。

何年に何が起きたということだけ、しっかり覚えているのは受験の名残です。

 

中国にいる間に博物館に行き、興味を持ったこともあり、結局三国志くらいの時代から、中華人民共和国の建国、その後の政策までを少しづつ、自分なりに見直しました。

 

日本への影響、関りの深さを改めて感じ、現在の日中関係などを考える土台になることに気づきました。

これを知らないと、土台もないため、とんでもない暴論になりかねません。

 

上海勤務の後、瀋陽に行ったことも大きかったと言えます。

日露戦争の奉天大会戦の舞台です。

柳条湖事件が発生している場所です。

 

「坂の上の雲」をはじめ、関連する書籍を読みながら考えることもありました。

いかに当時の日本が危機感の中にいて、列強に追い付こうと死ぬ気で努力したかを考えさせられました。

そして、当時の日本のリーダーたちの置かれていた状況や使命感、何を考えていたかに思いを巡らします。

 

9.18博物館にも足を運び、中国人の考え方にも触れました。

日本では、ほとんど取り上げられないことが多く、率直に驚きました。

 

余談ですが、毛沢東は、今の中国を考える上で欠かせない人物です。

ちなみに中国の紙幣には全て、毛沢東が印刷されています。

至る所に毛沢東の像があり、家の中まで絵が飾られています。気になる方は以下の記事もご覧ください。

あわせて読みたい

中国近代史を10分でおさらい!文革と大躍進政策

柳条湖事件から満州事変、戦争へ、9月18日の意味とは?

歴史を学ぶ3つのメリット

私はビジネスを考えることが多いので、主に仕事の場面で役立ったことを書いていきます。

①「現在」を理解する 

今どうなっているのかを理解する上で、過去にどんなことがあったのかを知っていることが重要なポイントになります。

先にも書きましたが、中国の歴史で学んだことは、直接現在の中国共産党に通じます。

派閥を理解するうえでも、歴史認識は欠かせません。

 

中国に進出している企業は、中国政府の政策により、業績や方針は大きく左右されます。

当然、中国の政治動向には注意を払っています。

本社に対しても、状況を都度説明しなければならないため、注意を払わずにはいられません。

個人消費者相手であっても、中国人の考え方を理解する必要があるでしょう。

 

このような話題ができることは大きな強みになります。

実際、お客様のところでお話すると興味を持たれます。

 

②将来の戦略を立てる

孫氏の兵法が現在でも多くの経営者の間で読まれており、経営の中で実践されているのはよく知られています。

有名な人でいえば孫正義さんでしょうか。

2000年以上経過した今でも、役に立っているのです。

 

現代の経営者のみならず、過去には豊臣秀吉、武田信玄も孫氏の兵法に学び、戦略を立てたといいます。

過去に偉業を成し遂げた人の多くは、当時の常識を疑いました。

非常識、変わり者と思われても、自分を信じて実践し、常識をくつがえしていった例は、一種の独創性を感じさせます。

 

一方で、ここが重要ですが、

常識を打ち破るような人でも、過去の歴史を自分なりに解釈し、その学びから、今とるべき戦略を考えています。

 

突然変異のように、いきなり変わり者が生まれて、常識を覆していったわけではありません。

 

あわせて読みたい

孫子の兵法と同じく、今でも多くのリーダーが学んでいる重要な書物があります。1400年以上前の国の統治、リーダー論ですが、今に置き換えても必須の考え方です。

貞観政要に学ぶリーダーの要諦、1400年を経ても変わらない大切なこと

 

③失敗から学ぶ

♪「坊や〜良い子だねんねしな〜」

日本昔話を子供のときに見た人は多いかと思います。

そこには、必ず教訓が込められています。

「起きたことから学ぶ」ということは、昔から実践されてきた王道です。

 

戦争もまさにそうです。

実際に体験した人が語る言葉からは、学ぶものが多く重みが違います。

 

ただ、戦争は二度とあってはならないと言われているだけでは、あまりピンときません。

それだけでは、きっとまた起こるでしょう。

実際に起きた数々の惨状を知るからこそ、深く心に刻まれます。

 

三日天下で有名な明智光秀は、知っている人も多いでしょう。

では、なぜ三日天下で終わってしまったのでしょうか。

準備不足を指摘されることもありますが、一番の要因は、大義名分が無かったことだと私は考えています。

 

私的な欲望によって導かれた戦略は失敗するたとえだと思っています。

信長を倒したあと、急いで味方を募りますが、思ったようには動いてくれません。

なぜ、信長を倒す必要があったのか、説明がなされていません。

 

悪い信長を倒してやったから、とにかく味方をしてほしいと頼んだだけです。

怨恨を理由に動くと、よい結果にはなりません。

 

人を動かすには、正義に基づいた大義名分が不可欠です。

いかに大義名分が重要であったかはそれ以前の歴史からも明らかです。

このような学び、教訓も歴史から得られるということです。

 

あわせて読みたい

「超」入門 失敗の本質(要約&感想)全ての日本人が読むべき本

最後に

先ほど中国の例をあげましたが、最近では、海外の人とコミュニケーションをとる機会も珍しくありません。

全く背景が違う人の考え方や価値観を理解するためには、歴史を学ぶことが大変有用です。

 

かつてのリーダーが残した実績を振り返ることで、考え方、経営手法、人との関わり方などのヒントを得ることができます。

事実、成功をおさめている経営者の方の多くは歴史から学んでいます。

過去から学び、今、そして未来に活かしているのです。

 

漫画や、三国志のような読みやすいものからでも大いに学ぶことはあります。

大人になった今こそ、学びなおしてみてはいかがでしょうか。

きっと新しい発見が待っていることでしょう。

 

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

 

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山本五十六、福沢諭吉、乃木希典等、今でも語り継がれる偉人の記事を書いてみました。

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多くの学びがつまっています。

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